びわ湖プロジェクト
大学生のボランティア団体が「琵琶湖一周ゼロウェイスト清掃」に挑戦!
ytv「24時間テレビ」も一緒に取り組んだ "ゴミを出さない清掃活動"とは…

  • 提供:IVUSA

 「琵琶湖一周ゼロウェイスト清掃」を企画したのは、国際ボランティア学生協会「IVUSA(イビューサ)」のメンバーたちで、今年3月7日(木)から10日(日)までの4日間、200人を上回る学生たちが参加しました。

 NPO法人「IVUSA」は、1993年に設立された学生主体のボランティア団体で、日本各地の被災地などでも救援活動を行っています。琵琶湖の清掃活動では、滋賀県と協力して、「特定外来生物」の駆除にも取り組んでいる‘本格派’のNPO法人です。今回、そんな学生たちが企画したのが、「ゼロウェイスト(Zero-waste)」清掃です。ゼロウェイストとは、「無駄や浪費をなくし、ゴミを出さない」ことを意味する英語で、「“ゴミを拾わなくても良い社会”を実現する」ことを目標にする難しい挑戦です。読売テレビとIVUSAには2年前から、長寿番組の「鳥人間コンテスト」を通じて、琵琶湖岸の清掃活動で協力している関係があり、今回の「ゼロウェイスト(Zero-waste)」清掃にも一緒にチャレンジすることになりました。

  • 提供:IVUSA
  • 提供:IVUSA

24時間テレビも巻き込んだプロジェクトへ―

 今回の「ゼロウェイスト清掃」には、読売テレビの24時間テレビチャリティー事務局が、環境保護活動を支援する一環として協力し、琵琶湖を清掃する活動「びわ湖プロジェクト2024」を同時開催(3月10日)しました。こうして、読売テレビとIVUSAが初めて挑戦した「ゼロウェイスト」清掃は、趣旨に賛同して集まった24時間テレビのボランティアの方々を加えた、総勢253人による大きなプロジェクトになりました。

ゼロウェイスト、何ができる?

 「ゴミを出さない」活動とは、具体的に何ができるのか。IVUSAに所属する学生ボランティアたちは数か月もの間、議論を繰り返し、勉強会を重ねてきました。

 ESG推進局サステナビリティグループのメンバーも、「琵琶湖一周ゼロウェイスト清掃」の学生リーダーたちが行う「ゼロウェイスト」議論の場に参加させていただきました。そこでは学生たちが真剣に「ゴミを出さないようにするには、自分たちには一体何ができるのか」熱心に議論する様子が…。

 「ゴミを出さない取り組み=ゼロウェイスト」を意識した上で、普段の活動や日常生活を振り返ってみると、案外ゴミを出していたことに気が付きました。清掃活動で取り組める「ゼロウェイスト」について実現可能なものを模索していきます。今回の清掃活動では以下の備品を“ゼロウェイスト仕様”にすることとなりました。

ytvのパートナーとして、プロジェクトへの協力企業も―

 さらに、今回の「琵琶湖一周ゼロウェイスト清掃活動」は4日間の実施期間となり、すべての行程で、できるだけ環境負荷が少なくなる取り組みを心掛けました。この中で、特に重要な課題として対策を考えたのが、活動中に使用する 弁当箱  ゴミ袋 でした。

 この2つの課題について、読売テレビESG推進局サステナビリティグループとご縁がある企業に協力いただき、環境に優しい備品を調達することができました。

 まず、期間中の昼食で使用した弁当箱については、プラスチック製の容器ではなく、竹を中心とした自然由来の素材で作られている「エコ容器」を中国から取り寄せました。この容器は、アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration)にも認められたスグレモノで、耐久性に優れ、素材としても土に還る「脱プラスチック」の完全分解可能な容器です。大阪市にある貿易会社「富博国際株式会社」が、中国からの手配に協力してくださいました。

 そして、清掃活動に欠かせないゴミ袋は、「株式会社サニクリーン近畿(大阪府吹田市)」から提供いただきました。燃やしてもダイオキシンの発生がなく、焼却しても有害ガスなどの大気汚染がない環境に優しいゴミ袋です。

 2社はともに「ytvサステナビリティ・プロジェクト」に賛同してくださっているパートナーというご縁で「ゼロウェイスト(Zero-waste)」清掃への協賛という形でサポートしていただきました。

ボランティアの方々の‘琵琶湖愛’に触れた感動体験…

並河由夏(なみかわ・ゆか) ytvグループ「株式会社センテンス」所属

趣味はダイビング。国内外の海を潜り、経験本数は300本超。海中清掃、生態保全を目的に特定種駆除、ビーチクリーンや稚魚放流などのボランティア活動に参加している。


  • 海中清掃を行う並河氏

 私が海中清掃活動を始めたきっかけは、ダイビングで訪れた長崎県対馬の海の中で、大量のゴミを見たことでした。ダイバーにとっては、魅力あふれる対馬の海でしたが、この旅で海岸や海中、海底の至るところに外国などからのゴミが漂着し、遺棄されている現実を知りました。これまでに潜ってきたのは、美しいという評判の高い海ばかりでしたので、対馬に来るまでは、海洋ゴミの存在を実感していませんでした。当時の写真を見返すと、ダイビングへ向かう際に乗船したフェリーで出会った若者たちの中に、“IVUSA”のTシャツを着ていた人がいることに気づき、今回の琵琶湖清掃に参加できたことは個人的にも“ご縁”を感じました。

  • 参考写真:海岸の漂流ゴミ
  • 参考写真:海に浮かぶプラスチックゴミ

 今回の琵琶湖清掃活動では、24時間テレビのボランティアの方から「琵琶湖のために何かしたいと思っていたけど、コロナ禍でそういう機会もなかったので、参加できてよかった」とお聞きし、東京から参加した私にとっては、関西の皆さんの‘琵琶湖愛’の強さに触れる機会でもありました。

 実は、私が琵琶湖を訪れたのは初めてのことでした。率直に私には「こんなきれいな景色のなかにごみが放置されているのだろうか」と疑問に思うほどでしたが、目に入ってきたのは、水際に打ち上げられたり、茂みのなかに点々と放置された小さなゴミたちでした。ペットボトルや缶、紙くず、さらには草や土にからまったプラスチック袋まで、さまざまなゴミが混じり合っている様子に驚きました。

 参加した皆さんは、小さなゴミから大きなゴミまでを丁寧に拾い上げながら、草木の奥や水際にあるゴミを見つけては身をかがめ、腰をかがめて手を伸ばしゴミを拾い集めます。湖岸に沿って歩きながら、タイルの隙間や砂に埋もれたゴミも見逃さずに回収しました。

 まるで、‘宝探し’のようにゴミを探しては、これは不燃?可燃?と見つけたゴミの分別をしながら、笑顔で声をかけあう方々の姿が微笑ましく、とても楽しい活動になりました。それでも、ペットボトルや缶など、琵琶湖の美しい景観を楽しんだ後に捨ててしまったのであろうゴミも見受けられ、同じ琵琶湖愛で訪れた人が置いていったものだとすれば、とても悲しい気持ちになりました。

 今回の様に琵琶湖の環境保全に関心を持つ多くの方々が協力し、美しい自然環境を守るための取り組みは、楽しく有意義な活動ですが、訪れた人たちが捨てていくゴミ全て拾い上げていくことは大変難しい作業です。こうした活動を通して、多くの方々に「捨てない日常」の価値を知っていただけるよう、今後も活動を継続していくことが大切だと思っています。

清掃だけで終わらせない ~ SDG探究イベント ~

 「琵琶湖一周ゼロウェイスト清掃」のゴール地点となった「道の駅 びわ湖大橋米プラザ(滋賀県大津市)」では、「SDGs探究イベント」を実施し、清掃をきっかけに、琵琶湖が抱えている環境問題について学ぶイベントを行いました。

 

 “アップサイクル(創造的再利用)”のワークショップ「フリップで何つくる?」では、読売テレビの番組内で実際に使ったフリップを材料に、参加したボランティアの方々が手作りのフォトフレームを制作しました。装飾の材料には、琵琶湖で回収したプラスチック片が使われました。

 また、滋賀県立琵琶湖博物館の中井克樹(なかい・かつき)特別研究員による、「びわ湖の環境問題のいま:みんなでできることは」と題した特別講義も開催するなど、「清掃活動が終わったあとも、ゴミに対する問題意識を忘れないでほしい」というメッセージを共有しました。【スペシャルコンテンツ】に公開していますので、ぜひご覧ください。

「琵琶湖一周ゼロウェイスト清掃」を終えて―

「琵琶湖一周ゼロウェイスト清掃」でプロジェクトリーダー
国際ボランティア学生協会(IVUSA) 吉坂亮吾(よしさか・りょうご)氏のコメント

 

 「今回の活動では、IVUSAの外にもゼロウェイストの理念を広げるために活動を行いました。鳥人間コンテストの縁もあり、今回の活動では読売テレビ様といっしょに活動できたこともあり、社会からすると少しではありますが、「ゴミを出さない清掃活動」を通して、ゼロウェイストを広めることができました。ほんとうにご協力いただいたことといっしょに活動ができたことは感謝しからないです。ほんとうにありがとうございました」

 滋賀県版SDGsである【MLGs(マザーレイクゴールズ)】の推進担当を務める、三和伸彦(みわ・のぶひこ)滋賀県理事が登壇し、MLGs(マザーレイクゴールズ)を「からだ」で表現する体操【MLGs体操】を参加者全員で実践。

 

↓ MLGs体操については、こちらをクリック ↓

MLGs体操 - MLGs WEB 

ご参加いただいたボランティアの皆さん、ありがとうございました。

NPO法人 国際ボランティア学生協会 IVUSA

IVUSAが行う「ゼロウェイスト活動」について、もっと詳しく知りたい方はコチラをクリック。

▶ IVUSA ZEROWASTE