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【独自解説】細田衆院議長の2回目回答に「韓鶴子総裁出席イベントへの参加」と「選挙での“教団票”の割り振り」に触れていない!鈴木エイト氏が指摘する説明不足
2022年10月10日 UP
10月7日、細田博之衆院議長は“統一教会”との関係について、「9月30日に調査の依頼を受けた各事項について、改めて調査を行ったところ以下の通りであった。引き続きさらに精査を続けているところである」とした上で、1~9の項目で回答しました。まず、1~8までは自民党の調査に照らし合わせたもので、9番目の項目は前回の内容の訂正でした。これらの回答について、ジャーナリストの鈴木エイト氏が解説します。
細田衆院議長は回答の中で、会合への祝電メッセージなどの送付について3回分を追加し、さらに関連団体主催の会合への出席については4回を追加、前回の内容の4回分と合わせて8回とになりました。また、「旧統一教会そのものが主催したと明確に確認できた会合への参加はなかった」としています。そして、「選挙事務所における選挙運動については、旧統一教会やその関連団体による活動への参加は認められなかった」という文言も追加されています。最後は前回と同じように、「今後社会的に問題があると指摘される団体などとは関係を持たないよう、適切に対応してまいりたい」と締めくくっています。
Q.“統一教会”そのものが主催した会合への参加はなかったと言っていますが、どう思いますか?
(鈴木エイト氏)
「細田衆院議長は、『直接教団本体のイベントに参加してない』というところを強調したい印象です。しかし、2019年10月の韓鶴子総裁が出席したサミットにも参加していて『内容を安倍首相(当時)に報告します』と発言していますが、それについての説明が一切ありません。国民が一番聞きたいのはそこなので、しっかり説明してもらいたいです」
Q.サミットでのコメントでは、安倍元首相の名前が出ていますが、これはどういうことなのでしょう?
(鈴木氏)
「この場で安倍首相(当時)の名前を出すと、その会場にいた人であるとか、韓鶴子総裁が喜ぶと分かった上で発言していると思います。細田さんは、自分がどんな状況に置かれていて、どういう発言をすれば喜ばれるのか分かった上で話しています。そこがポイントだと思います」
“教団票”の割り振りの実態について、伊達忠一元参院議長は「2016年の参院選の際、自民・比例の宮島喜文候補を応援していたので、当時の清和会会長だった細田氏に、“教団票”を回すよう依頼した。当時の安倍元首相とは直接のやり取りはなかった」と発言しています。その後、宮島候補は当選し「教団票が回ったと思った」ということです。
Q.この教団票の割り振りの件が、この文書にはないのですが…
(鈴木氏)
「この件は私も掴んでいましたし、自民党の青山繁晴参院議員もこの件の話をしています。ほかにも複数の証言もある中で、この件を話さない限り、なかなか疑惑は晴れないと思います。自民党の点検項目の中にこのような項目がなかったから、『説明する義務はない』と思っているのかもしれませんが、ここをしっかり説明すべきだと思います」
Q.「社会的に問題のある団体とは関係を断つ」と言うだけで、どこが問題なのかを言っていませんよね?
(鈴木氏)
「これは穿った見方ですが、今後、教団側が形だけの改善をして、社会的に問題があると指摘されなくなったら、教団と自民党の付き合いがまた始まる懸念があるので、しっかりと『“統一教会”がどういう団体であるか』ということを、政府や岸田首相が認定をして、その上で関係を断つということをしっかりやってほしいです」
また、10月6日、自民党の世耕弘成参院幹事長は、「“統一教会”は『日本人は贖罪を続けよ』として多額の献金などを強いてきた。この団体の教義に賛同する我が党議員は、一人もいません。我が党の政策に、教団が影響を与えたこともありません。教団などが主張する一部の政策が、たまたま我が党議員の政策と同一だったことあるかもしれませんが、一宗教団体が政策決定に影響を与えることはありえません」と発言しました。
Q.世耕参院幹事長はこう言っていますが…
(鈴木氏)
「切り取り方の問題だと思うんです。教団の、ある側面だけ見れば確かにそうです。世耕参院幹事長の言うことも、もっともだと思うんです。では、なぜそんな教団と、これだけ多くの政治家がコミットしてきたのか?というのがポイントです。しっかりと過去の検証をしてもらわないと、分からないです」
自民党の教団との関係断絶対策ですが、茂木敏充幹事長は「“統一教会”について、悪質な寄付の勧誘などで被害にあわれた方、今も困難に直面されている方がいる。今後、一切関係を持たない事をガバナンスコード(運営方針)に反映する。関係断絶のために、党と各事務所が連携し、チェック体制を強化する」と話しました。
Q.関係断絶も大事ですが、今すぐに自民党や政府に求めるものは何ですか?
(鈴木氏)
「今、救済を求めている方へのケアを、しっかりやってほしいです」
(情報ライブミヤネ屋2022年10月7日放送)