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【独自解説】「ハリー&メーガン」後編が公開 “決め手は恐怖の家族会議”二人の王室離脱の真相は?前編に批判相次ぐも続く2人の赤裸々告白
2022年12月20日 UP
契約金200億円超と言われるイギリスのヘンリー王子とメーガン妃の密着ドキュメンタリー「ハリー&メーガン」の後編が12月15日公開されました。「メーガン妃の流産」や「恐怖の家族会議」など衝撃的な告白に波紋が広がっています。二人の王室離脱の真相は?このドキュメンタリーの信憑性は?デーブ・スペクターさんと多賀幹子さんのダブル解説でお伝えします。
「ハリー&メーガン」前編は史上最多視聴を記録
「ヘンリー&メーガン」は全6話で、前半の3話は12月8日に公開されました。Netflixによると12月11日までに8150万時間視聴され、公開第1週のドキュメンタリー番組として史上最多視聴を記録したということです。また、2800万以上の世帯が3つのエピソードを視聴していて、イギリスだけでも240万人以上が第1話を視聴しました。
前半の内容は、二人の出会いから婚約発表、そして結婚式前日に至るまで裏話や、ロイヤルファミリーに対する過激な取材報道などを批判する内容でした。ただ、これまでの報道では、二人が王室を離脱した理由が『プライバシーの確保』と言われてたのに対し、公開されたドキュメンタリーの中では二人のプライベートが赤裸々に撮影されていたため、矛盾を指摘する声もあがっています。これについて、二人の広報担当は、「そもそも2人は、プライバシーを守るために王室を離脱したわけではない。離脱時の声明文にプライバシーに触れた文言はない」とコメントしています。
また、前編放映後に、イギリスでメーガン妃がエリザベス女王に対してした挨拶のカーツィー(片足を斜め後ろの内側に引き、もう片方の足の膝を軽く曲げ、両手でスカートの裾を軽く持ち上げる動作)を再現したときの動きが、「大げさで伝統儀礼をバカにしていて女王に失礼だ」と批判されています。
Q.アメリカ人にとってはユーモアなのを、イギリス人から見たらふざけているように見えたんでしょうか?
(デーブさん)
「アメリカの中世イギリスを扱った小芝居だと、こういうちょっと大げさなしぐさをします。メーガン妃はそれを真似していて、わかる人にはウケるのですが、イギリス人には通用しないのでやらない方がよかったと思います」
Q.ドキュメンタリーの中でメーガン妃は、王室に入るにあたって、「王室のしきたりなどを全く教えてもらえなかった」と言っていますが、そういうことはあり得るのですか?
(多賀さん)
「そんなことはありません。それはメーガン妃のウソです。すぐに王室が反論しています。王室に入るにあたって、300項目にわたってドレスコードや靴、礼儀のことまで、しっかり教えましたという人が出てきて、『ちゃんと勉強する姿勢がなかったのでしょう』とコメントを出しています」
さらに、前編冒頭で、「内容について英王室はコメントを控えました」とテロップが流れましたが、王室の上級スタッフは、「コメントは求められていない。大きく信ぴょう性に欠ける」と反論しています。それに対して配信元の広報部が、「国王と皇太子の広報部に事前に連絡を取り、ヘンリー王子とメーガン妃の主張に対し反応する機会を与えた」と反論しましたが、王室関係者は「配信元からではなく第三者の制作会社からメールが来た。その後、配信元にメールが本物か確認したが、返答は得られなかった。確認ができない以上返答はできない」と再反論しています。
また、ドキュメンタリー内で使われている『1995年にBBCが放送して大スクープになったダイアナ元妃のインタビュー映像』は、その後、記者が不正な方法で取材していたことが発覚し、BBCは「二度と放送はしないし、他の局にも使わせない」ことを決定したはずのものでした。BBCの関係者も「どうやって配信元が手に入れたのか分からない」としていて、過去のいきさつを無視してダイアナ元妃の映像を使ったことに、ウィリアム皇太子も激怒しているということです。Netflixの関係者は、「シリーズで使用されている全ての素材は著作権の適用外として、イギリス・アメリカの法律顧問によって使用が可能と判断されたものである」と主張しています。
恐怖の家族会議「兄は大声でどなり、父は嘘を言い、祖母は沈黙していた」
そして、12月15日にドキュメンタリーの後編が公開されました。この日は、キャサリン妃主催の「クリスマスイベント」が行われる日で、今年は故エリザベス女王を称える特別な会でしたが、その日にこの後編をかぶせてきたといわれています。
後編の中でも様々なことが語られています。2018年にヘンリー王子とメーガン妃が結婚して、メーガン批判が始まった際に、メーガン妃の父親が、「王室は娘を守ってくれない」と王室批判を始めます。このことを、メーガン妃が故エリザベス女王やチャールズ現国王などに相談したところ、父親に手紙を書くように言われ、手紙を送りました。その2か月後に英「デイリー・メール」紙に、父親に宛てた手紙が掲載されましたが、王室はメーガン妃と父親のプライベートな内容を報じた新聞社に対して、法的措置を取りませんでした。ヘンリー王子とメーガン妃の二人は個人的に提訴しますが、メーガン妃は「あの後すべてが変わった」と語っています。
Q.この手紙は父親が新聞社に提供したのでしょうか?
(多賀さん)
「ちょっと複雑で、まだ分かっていないこともあるのですが、この件とは別に、父親がパパラッチからお金をもらって“やらせ写真”を撮ったという事があって、その辺りからメーガン妃との関係はこじれています」
メーガン妃への批判が高まる中、二人は海外への移住を検討し、チャールズ国王に相談します。するとチャールズ国王から、「移住計画を文章にしなければどうしようもできない」と言われ、二人は3日かけて文章にしてチャールズ国王に文章を送ったのですが、わずか5日後にタブロイド紙に掲載されてしまいました。
Q.王室内のリーク合戦というのは本当にあるのですか?
(デーブさん)
「組織的なリークというよりも、スタッフがわざと漏えいして流すことがあると思います。メーガン妃をよく思っていなかったり、メーガン妃からいじめられたり、辞めたりした人がたくさんいますので。個人レベルかなと思います。」
Q.リークの犯人探しはしないのですか?
(多賀さん)
「犯人が分かる場合もありますが、かばう人もいます」
その後、ヘンリー王子は絶望して、上級王族から退くことを公表します。すると故エリザベス女王が主催して家族会議を開くことになりましたが、解決策なく会議は終了。ヘンリー王子は、この家族会議について「兄は大声でどなり、父は嘘を言い、祖母は沈黙していた」「家族の王室第1主義の姿勢に恐怖を感じた」と語りました。また、「最も悲しいのは私と兄の間に壁ができてしまったこと、兄が王室側に回ってしまったことだ。 理解はできる。彼は王位継承者、すでに王室の責任が染みついている」と話しています。そして、「ウィリアム皇太子がヘンリー王子をいじめて追い出すのではないか」という報道があったのに対して王室側が、報道を打ち消すために兄弟の共同声明を発表していますが、ヘンリー王子は「共同声明に自分の名前を載せる許可を誰も求めてこなかった。 信じられなかった。兄を守るために彼らは喜んで嘘をついた」とし、王室離脱を決意したと話しています。
Q.ヘンリー王子の「とにかく自由になりたい。メーガン妃とほかの国に行きたい」という気持ちはずっと変わらなかったのでしょうか?
(デーブさん)
「そうです。でも、何もかも決めているのはメーガン妃だと思います。横でガンガン言っているわけです。ヘンリー王子は、メーガン妃と結婚していなければ、今もイギリスで普通に公務をしていたと思います」
メーガン妃が流産を告白 ヘンリー王子の爆弾投下は来年以降も続く?
さらに、メーガン妃は“流産”を告白しています。英「デイリー・メール」紙への訴訟中の2020年に、「妊娠中だったが、よく眠れずお腹に痛みを感じていた。新居で目覚めた最初の朝に流産した」と告白しました。これに対してヘンリー王子は「妻が流産したのは、『デイリー・メール』紙がやったことが原因だと思う。もちろんわからないが、ストレスや睡眠不足、妊娠何週目かというタイミングを考慮すると、私が見た限りでは流産は、彼らが彼女にしようとしていたことが原因だと言える」と話しています。
そしてウィリアム皇太子とヘンリー王子の溝はさらに深まります。2021年、「デイリー・メール」紙との訴訟にメーガン妃が勝訴し、その控訴審で元・ヘンリー王子側の側近であり、現・ウィリアム皇太子側の側近が、ヘンリー王子側が不利になる証拠を提出した上で、メーガン妃に裁判所を欺いたことを謝罪するよう迫ったという事です。ウィリアム皇太子側の側近が証拠を提出したことについて、映像の中でメーガン妃は「お兄さんのことは、何も言わないけどとても分かりやすいわ」と話し、ヘンリー王子は「そうだね。隠ぺいしようとしているのは明らかだ」としています。
Q.二人はウィリアム皇太子の許可なしに証拠を出せるわけがないと言っているのでしょうか?
(多賀さん)
「そういうことです。証拠を出した側近の人物の上司は、ウィリアム皇太子ですから。言うことを聞いて動いたのでしょ、と言っています。『何も言わないけど』というのは意味深ですね」
ヘンリー王子側の弁護士は「側近の人物は、ウィリアム皇太子の権限なしに行動することはあり得ない」と言っていますが、ウィリアム皇太子の側近は「これらは全くの虚偽です」と主張しています。
2023年1月10日には、ヘンリー王子御回顧録「スペア(予備)」が発刊される予定で、5月には、チャールズ国王の戴冠式があります。英「デイリー・メール」紙は、「ヘンリー王子とメーガン妃は、戴冠式をもう1つの『レッドカーペット』とみている。断固として出席すべきでない」と厳しい意見を出しています。さらに、王室関係者も「王室に残された唯一の手段は、二人を戴冠式に招待せず、一切の関係を断つということ」と語っています。
Q.ここまで王室が言うと「スペア」がどこまで話題になるのかも気になりますし、今回のドキュメンタリーで王室との溝が決定的にできてしまったように感じます。
(デーブさん)
「そうですね。ただイギリスではこのドキュメンタリーは『フェアな内容ではない』と冷めた目でみられています。一方アメリカ人は騙されやすく、イギリス王室の予備知識がありません。ワイドショーでも喋っていましたがとても浅はかな見方をしていました。メーガン妃は女優としてやっと主役を掴んだと喜んでいるのではないでしょうか」
(情報ライブミヤネ屋2022年12月16日放送)