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【独自解説】「夫のほう」小室圭さんに苦言も… 秋篠宮さまが誕生日会見で明かした、眞子さんの結婚めぐる“複雑な思い”に迫る
2021年12月1日 UP
垣間見えた秋篠宮さまの“苦悩”
(秋篠宮さま)
「アメリカで生活すると決めたわけですから、それが本人たちにとって一番良いことなんだろうと思っています」
11月30日に56歳の誕生日を迎えられた秋篠宮さまの“お誕生日会見”。1時間あまりの会見の中で大半を占めたのは、眞子さんの結婚をめぐる“思い”でした。
(秋篠宮さま)
「娘の複雑性PTSDになったのが恐らく週刊誌、それからネット両方の記事にあるのだろうとは思いますけれども…」
眞子さんの“心の問題”にも触れられ、“あの記者会見”についても…。
(秋篠宮さま)
「一方向のものではなくて、双方向での会見という形にしてほしかった」
父として、娘の幸せを願う一方で、垣間見えた、“複雑な思い”。特に、踏み込んだ発言をされたのが―
(秋篠宮さま)
「夫のほうについては…」
“夫のほう”つまり“小室圭さん”についてでした。
(秋篠宮さま)
「やはり私としては自分の口からそのこと(金銭トラブル)について話をして、そして質問にも答える。そういう機会があった方が良かったと」
「この春に娘の夫がかなり長い文書を出したわけですね。あれを読んでどれぐらいの人が理解できるか…」
これまで以上に、はっきりとした表現で“金銭トラブル”への対応に苦言を呈されたのです。さらに、結婚にまつわる皇室慣例の儀式を一切行わなかったことについて、「私の判断だった」と、そしてその判断のきっかけとなったのが、いわゆる“28枚の小室文書”だったことを明かされた秋篠宮さま。苦渋の選択をされた理由とは…。会見に出席した読売新聞編集委員で宮内庁担当記者の沖村豪(おきむら・たけし)さんが、会見に込められた秋篠宮さまの“思い”に迫ります。
Q.記者会見に出席されて、沖村さんは「苦悩が垣間見えた会見」だったと指摘されていますが?
(読売新聞編集委員・沖村豪さん)
「秋篠宮さまは会見の中ではっきりと、今回の眞子さまの結婚が皇室に与えた影響については、ご迷惑をかけてしまったとか、申し訳ないというようなお気持ちを示されたと。本来、ご長女の結婚の後ですから、おめでたい話であるはずなんですけれども、そういった謝罪の言葉を言わなければならなかった。それと、結婚に際しての対応については、秋篠宮さまのお立場としては、記者会見では質疑応答をしてしっかり説明するべきだったとおっしゃっているのですけれども、それが叶わなかったのは、やはり眞子さまがPTSDになられたという診断結果が発表されましたけれども、そういう心の負担があったからだと。ですから父親としての立場と、皇族、皇室のメンバーとしての立場と、その両方を踏まえながら、なかなか難しいご説明をされたのだと思いました」
理想の結婚会見と娘の体調 明かされた“心の葛藤”
異例の結婚から約1か月。どんな思いで、眞子さんを送り出されたのでしょうか?秋篠宮さまが明かされた“複雑な胸の内”とは―
会見冒頭から話題となったのは、長女・眞子さんの結婚が皇室にあたえた影響についてでした。
(記者)
「長女の眞子さんと小室圭さんの結婚は,皇室の儀式が行われず,一時金が支給されない、極めて異例な形となりました。殿下は感想で,『皇室としては類例を見ない結婚となりました』『皇室への影響も少なからずありました』とつづられました。『皇室への影響』とはどのようなことを指し,今回の結婚が今後の皇室にどのような影響があると思われますか?」
(秋篠宮さま)
「それでは最初に、私たちが10月26日に出しました感想に記した『皇室への影響』ということからお話をしたいと思います。いろいろあったと思いますけれども,私が感じるのは,主に二つです。その一つは,今回の長女の結婚が公になって以降,様々な媒体で,私たちの家,秋篠宮家以外の皇室にも影響が出たということを感じたからです。この娘の結婚に対して,上皇后陛下がいろいろ言われたとか,こういう考えを持っているというのが週刊誌に出たりもしました。このことは宮内庁のホームページでも二度か三度にわたってそういうことはなかった,実際に私もそういうことを聞いたことは一度もないわけですが,なかったということを説明しているのですけれども,それでもその後も続いたということがあり,やはり負担になったことには間違いないと考えています」
結婚に関する一切の儀式を行わず、一時金を辞退する選択をした“異例の結婚”。当日に行われた、眞子さんと小室圭さんの記者会見については…
(秋篠宮さま)
「私自身は一方向のものではなくて、双方向での会見という形にしてほしかったと思います。ただ長女の複雑性PTSDということもあり、直前まではそのつもりで本人もいたのですけれども、会見している間に何か発作とか起きることも考えられるでしょうから、やはり難しかったのかなと思います」
Q.眞子さんの複雑性PTSDは父親としても心配で、秋篠宮さまも苦しい立場だったのでしょうね?
(読売新聞編集委員・沖村豪さん)
「これまでの一連の説明の中でも、眞子さんが一時金を辞退されるというようなご相談を2014年のころからされていて、その背景には、やはり皇室に対する、またご自身に対する誹謗中傷とか心ない言葉があったということも聞いてらっしゃったわけですから、そういった長い経緯もご存じであるわけですから、そこは複雑なお気持ちだったと思います」
“夫のほう”小室圭さんの文書にも言及
2人が一方的に話すではなく、記者との質疑応答を含めた会見にして欲しかったと述べられながらも、眞子さんの体調を気遣われた秋篠宮さま。一方で、小室圭さんについては…
(秋篠宮さま)
「夫のほうについては、私も結婚の段階になった時に、経緯などを説明することは大切だということを以前に話をいたしましたけれども。確かに春ですか、文書ではそのことについての説明をしているわけですけれども、やはり私としては自分の口からそのことについて話をして、そして質問にも答える。そういう機会があった方が良かったと思っております」
小室さんの名前も口にされることなく“夫のほう”と呼び、「自分の口で質問に答えるべきだった」と指摘された秋篠宮さま。
Q.「夫のほうは」とおしゃったのには驚きましたが?
(読売新聞編集委員・沖村豪さん)
「過去の記者会見を振り返ると、確かに『小室さん』というふうにおっしゃっている時もありました。今回はそういった言い方をしなかったのですけれども。考えてみると、眞子さんに対しても『娘は』とか『長女は』ということもおっしゃっていて、結婚した後ですから、小室さんのことを『夫の』と言うのは、そういうこともあるかなと思います。ただ秋篠宮さまが、小室さんに対する印象を語られなかったっていうのは、受けとめる側にいろいろ考えさせる話し方だなと思いました」
また、2021年4月に小室圭さんが公表した、金銭トラブルの経緯などを説明した「文書」に対して、
(秋篠宮さま)
「この春に娘の夫が、かなり長い文書を出したわけですね。それは確かに説明はしたということにはなるかと思うんですが、あれを読んでどれぐらいの人が理解できるか、じっくり読めば分かるけれども、さっと読んだだけだとなかなか分からない」
「確かに説明はした」と前置きした上で、これまでになく、はっきりとした表現で苦言を呈した秋篠宮さま。そして、言及されたのは…
(秋篠宮さま)
「個人の考えとして、あれを読んで、みんながすぐに状況を整理して、納得できるというものではないと私は判断しました。そのことから、3つの行事を行わないことにしました」
Q.小室さんの文章が出ても、国民がなかなか納得できないということもあるので、「結婚の儀式は見送り」というのは、秋篠宮さまご自身の苦渋の決断だと思いますが?
(読売新聞編集委員・沖村豪さん)
「秋篠宮さまは、かねて『多くの人が喜び、納得する状況にならないと結婚に進めない』というようなことおっしゃっていたわけです。それは結婚そのものが『私的なもの』か『公的なもの』かは別として、一度は婚約が内定して国民の皆さんに祝福していただいた。ところがトラブルが発覚したことによって延期になった。国民に対して心配させるとか、影響があったわけですから、それに対しては皇室として、きちんと国民に納得してもらえるような説明が必要だと、そういうお考えだったわけですね」
小室圭さんの文書の内容を鑑み、結婚に伴う一連の儀式の取りやめを判断された、秋篠宮さま。その判断については…
(秋篠宮さま)
「“納采の儀”と“告期の儀”と“入内の儀”、この3つの行事を行わなかったこと、これは私の判断で行わなかったわけなんですけれども…。私は本来であればそれは行うのが適当であると考えています。しかし、それを行わなかった。そのことによって皇室の行事、そういう儀式というものが非常に軽いものだという印象を与えたということが考えられます」
Q.秋篠宮さまのこの発言を聞いて、どんな印象を持ちましたか?
(読売新聞編集委員・沖村豪さん)
「秋篠宮さまは、皇室の行事、結婚の儀式は重いものだというふうにお考えであると思います。戦前に皇室令というものがあって、戦後民主化に伴って皇室令はなくなるんですけれども、秋篠宮さまは“皇室の慣例的に”と表現されましたけれども、続けてらっしゃった。皇室の努力とか周りの理解で続いてきた儀式であるわけですね。ですから、そういったものが今回行われなかったと。もう1つはこの儀式を通じて、テレビとか報道などで多くの国民と接する機会になるわけですけれども、眞子さまが成長されて新たな門出を迎える日というのを国民もお祝いする良い機会だったんですが、それが失われたということも大きいと思います」
小室さんとの面会「印象に残ることはない」、その真意は?
10月18日、3年2か月ぶりに小室圭さんと会われた時のことについては…
(記者)
「小室圭さんと久しぶりに会われた時の印象やお話された内容はどのようなものだったのでしょうか?」
(秋篠宮さま)
「印象ですが 面会していた時間が20分位でしたので、何か印象に残ることというのは 特に私にはありませんでした」
「特に印象に残ることはない」と、少し突き放したようにも受けとれるご発言。これらの言葉の真意について、皇室ジャーナリストの近重幸哉さんは…
(皇室ジャーナリスト・近重幸哉さん)
「小室さんについて『印象に残らない』という言葉は、やはり秋篠宮殿下も褒める言葉・そうじゃない言葉に関しても多くの反響を呼ぶということをお分かりだと思います。あまり小室さんについてお話になりたくないという思いも感じられる言葉の流れだったんじゃないかと思いました。眞子さんの結婚問題については、この3年半ずっと続いてきましたけど、今回のこの会見で終わりにされたいと、そういうお気持ちで臨まれていると思います。12月1日からは切り替えていかれたいというお気持ちだと思います」
「公」と「私」、皇族男子と皇族女子の違い
結婚を巡って一部報道で、眞子さんが「公」よりも「私」を優先したとの論調があったことについて秋篠宮さまは…
(秋篠宮さま)
「私は『公』は常に『私』に優先されるべきものだと思います。娘の結婚のことと、この『公』と『私』のことを合わせて考えてみますと、彼女は結婚するまでの間,皇族でいる間,『公的なもの』と『私的なもの』との場合には,常に『公的なもの』を優先してきていると私は思います。論調の中の一部に娘が『公』よりも『私』を優先させたというのがありましたけれども、仮に,もし結婚するという,これは『私的なこと』だとは思いますけれども,これを優先させたとしても、結婚することを公にしてから既に4年経っているわけですね。もし,それを優先させているということになれば,10年経っても20年経っても結婚はできないということになるかと思います。」
眞子さんは皇族として、常に「公」を優先されてきたと述べられました。
Q.秋篠宮さまは、眞子さんのお立場に立って話されていて、結婚で皇室を離れる場合は、皇室の方であってもプライベートの部分も出てくるのだという話ですか?
(読売新聞編集委員・沖村豪さん)
「そうですね、秋篠宮さまは、皇族女子の結婚というのは、皇室の男性皇族と違って、いわゆる皇室会議の議を経なくても結婚できると。この皇室会議というのは、三権の長らが集まって結婚について話し合って議決するという機関なんですけれども、そういった制度上も皇族女子と皇族男子は違うと。さらに言えば前の記者会見でも、婚姻は両性の合意のみに基づくという憲法規定にも触れられていますから、秋篠宮さまのお考えとしては、やっぱり皇族女子の結婚は、少なくとも皇族の男子と比べると『私的な』色彩が強いんじゃないかというお考えだと思います」
Q.国民と皇室の距離感とか、これからのお立場みたいなものは、時代と共に変遷していくのかなという気もしますが?
(読売新聞編集委員・沖村豪さん)
「基本的には象徴天皇制という下で、戦後、皇室は常に国民に寄り添って国民の幸せを祈るという姿勢は貫かれているわけです。ただ、今回の眞子さまの結婚でこうした問題が生まれたわけですけれども、皇族女子という方々が結婚する上で環境が変わってきていると。それは、かつては華族制度があって、結婚相手がたくさんいたのに、結婚相手がなかなか見つからないような状況になっていることもあります。それと公務を期待されているのですけれども、結婚すれば皇室から出るという制度になっているとかですね。だから、ある方がおっしゃっていたのは『皇族女子の方が、皇族である間に自信を持って活動できるような環境が必要じゃないか』ということです。そういった環境を作るのは、国民が考えて皇室制度を作り上げるような議論の広がりが必要かなと思います」
愛子さまが成年皇族に 皇族の減少をどうする?
そして、12月1日は愛子さまの20歳の誕生日。成年皇族になられます。1日は大学の授業があるため、成年行事は12月5日(日)に行われます。5日の午前中は「宮中三殿」をご参拝、天皇陛下から勲章「宝冠大綬章(ほうかんだいじゅしょう)」を授与。午後は、勲章とティアラをつけ、ローブデコルテの正装で、天皇皇后両陛下と上皇ご夫妻へ挨拶。その後、三権の長から祝賀を受けられます。ティアラは新調せず、「コロナ禍を考慮し、両陛下と相談の上」黒田清子さんのものを着用します。
Q. 愛子さまが成年皇族になられますが、皇族の方々も人数が減っていますし、皇室のありようというものは、国民の納得というのもあると思いますけれども、議論はしていかなきゃいけないんでしょうね?
(読売新聞編集委員・沖村豪さん)
「現在、皇族の方は、眞子さまがご結婚されたことによって、17人しかいなくなったわけですね。皇族の方がどんどん少なくなっているという状況ですから。そういった意味では、皇族お一人お一人のご負担とかを軽減するのにどうしたらいいかとか、そういったことも目を配る必要があると思います」
(情報ライブミヤネ屋 2021年11月30日放送)