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“統一教会”さらなる献金指令か

【独自解説】安倍氏銃撃は「容疑者は別人、教会を貶めるための犯行」 広報誌に「真のお母さまの関心は天苑宮の奉献」 今“統一教会”が強化する『信者教育』の実態

 2月25日、“統一教会”の被害者相談会を「ミヤネ屋」が独自取材し、さらに教団の広報誌を独自入手しました。今も続く被害の実態、そして広報誌に記されていた“驚きのスローガン”とは?“統一教会”を20年にわたり取材してきた、ジャーナリストの鈴木エイト氏が解説します。

独自取材!相談会で明かされた教団の姿勢

相談会参加者が語った実情

 2月25日、東京都内で「全国“統一教会”被害者家族の会」が相談会を開催し、“統一教会”について被害を訴える元信者や信者の家族らが相談に訪れました。母が35年以上信仰し、献金額は8000万円~1億円ほどだという40代の相談者は「(母と信者の)LINEグループ内では、山上容疑者が安倍元首相を銃撃したことは信じられていない。『山上容疑者がしたのではなく、別の容疑者がいて、別の思惑のある者が“統一教会”をおとしめるためにやった』『これは試練だから、これで結託してもっと頑張っていきましょう』という形になっている」と話しました。また、自己脱会し25年が経過した50代の相談者は「まだ自分には残っている、コントロールされているなという。教義が残っている感じ」と心情を明かしました。

ジャーナリスト 鈴木エイト氏

Q.相談会で訴えられることは、皆さん共通していらっしゃいますね?
(ジャーナリスト 鈴木エイト氏)
「そうですね。変わらず献金被害もあるし、こういうフラッシュバックもおこっています。内部では陰謀論的なものまであって『教団は責任がない。事件の背景に教団はないんだ』などと言っているということです」

Q.「先祖解怨のためにした献金を返してもらうのは怖い」という信者もいらっしゃるのですね?
(鈴木氏)
「先祖解怨も霊感商法もそうなのですが、先祖の因縁によって一族末代まで救う責任が自分にあると、先祖が霊界で苦しんでいる様子を映画などで見せているそうです」

約16億円の返金を求め集団交渉

 2月22日、全国統一教会被害者対策弁護団は、元信者ら50人が合わせて約16億円の賠償を求め「集団交渉の申し入れ通知書」(第1次)を教団に送ったと発表しました。“統一教会”に対して、3月2日までに面談に応じるか否かを、さらに3月15日までに損害項目や損害額などについての回答を送るよう、求めたということです。

独自入手!広報誌に掲載された“伝道強化”の方針

教団広報誌に掲載されたメッセージ

 4回目となる質問権行使の動きも控える中、教団が今も信者らに継続して献金を求めている疑いが浮上しています。「ミヤネ屋」が独自入手した教団の広報誌「世界家庭」最新号には、方相逸(パン・サンイル)神日本大陸会長のメッセージとして、今年のスローガンなどに言及した文章が掲載されています。現在韓国で建設中の「天苑宮」について、方(パン)大陸会長は「皆さん、真のお母様(韓鶴子氏)が今最も関心を寄せておられることは何だと思いますか?天苑宮の奉献です」としています。鈴木氏は「天苑宮は内装がまだ完成しておらず、イタリア製の高級な資材を使うということで400~600億円足りないと言われています。『さらに献金を納めなさい』という“献金指令”と同一だと思います」と話しています。

 また方(パン)大陸会長は「多産を象徴するうさぎの年ですから、伝道の運勢が必ず到来します。(伝道の)十倍化は、真のお母様がお電話を下さったときに強調されたことです」「(尋訪プロジェクトについて)この取り組みを教会の文化として定着させていきましょう。十倍化にも大きな役割を果たすはずです」としました。

Q.方相逸神日本大陸会長はかなり上の立場の方ですか?
(鈴木氏)
「実態としては、日本の田中富広会長のさらに上の立場ではないかと思います。韓国からの指揮系統下で言うと、韓国からの命令を方相逸氏が田中会長に伝えるというルートになっているのではないかと思います」

Q.「伝道の十倍化」とありますが、献金集めが相当厳しくなってきているのでしょうか?
(鈴木氏)
「信者の母数を増やすことによって、総額の献金額を増やすという狙いがあると思います」

“主体者”を育てる伝道教育

Q.「尋訪(家庭訪問)プロジェクト」とは、どういったものなのですが?
(鈴木氏)
「尋訪プロジェクトは、通っていたけど辞めた人、2世でも教団から離れている人など、一度教団を離れた人を訪ねていき、もう一度教団のイベントに誘うなどして、教団に再復帰させるというものです。伝道教育のやり方は教団がマニュアル化しているのですが、『一方的に教えるわけではなく、相手に自分で考えさせ、判断させ、責任を持たせる形で伝道しなさい』ということを言っています」

5月に合同結婚式開催か

 さらに、2月16日の野党国対ヒアリングで、全国霊感商法対策弁護士連絡会の阿部克臣弁護士は「“統一教会”が出している機関紙的な新聞に、『5月7日に(韓国で)祝福式が予定日本でも多くのカップルが参加準備を進めています』と書いている。多数の信者が現金を持って渡韓する可能性があり、注意深く見ていく必要がある」と警鐘を鳴らしています。

Q.日本からもお金を持って行かなくてはならないのですか?
(鈴木氏)
「はい。祝福献金とは別に、外為法ギリギリの約100万円を持って行かせるのではないかという指摘もされています」

Q.天苑宮の完成に足りない建設費などを取るのも、ほとんど日本からなのでしょうか?
(鈴木氏)
「はい、日本からの献金がほぼ全てと言われています」

統一地方選に教団関与はあるのか?

4回目の「質問権」行使へ

 文科省・文化庁は2月28日、4回目の質問権行使のために宗教法人審議会を開催し、了承されれば同日中に質問権を行使すると発表しています。

Q.2022年の臨時国会で、岸田首相は「何十件も捜査当局に繋ぐ話が、政府に相談として寄せられている」と話されていたと思いますが、その後立件はされたのでしょうか?
(鈴木氏)
「それはなかなか難しかったようです」

統一地方選の候補者に関する発言

 2月22日の衆院・予算委員会で、統一地方選の自民党公認推薦候補者について岸田首相は「公認推薦の発出にあたって、『“統一教会”との関係を未来に向けて絶つ』という方針を徹底したい」とし、「“統一教会”との関係が分かったら公認を外すのか?」という質問には「公認候補は当然のことながら、党の方針に従ってもらわなければならない」としました。また、「当選後に関係が分かった場合は自民党籍を外すのか?」という質問に対して「国民の皆さんから理解されるような対応を、自民党としても考えていきたい」としました。

Q.岸田首相の発言をみても、宗教法人格の剥奪はハードルが高いということでしょうか?
(鈴木氏)
「岸田首相も煮え切らない感じですね。統一地方選挙も注意深く見ていきたいです」

(「情報ライブ ミヤネ屋」 2023年2月27日放送)

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