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【独自解説】“大麻クッキー”配布か、初公判で明らかになった女の素顔 占いに悪用?肝臓に負担、吐き気、嘔吐、痙攣…その危険性を専門家が指摘
2023年2月23日 UP
大麻取締法違反の罪に問われている、自称占い師の女の初公判が開かれ、「運気を上げる」と称したイベントで配布したとみられる“大麻クッキー”の所持を認めました。占い師の女はなぜ、生業とする占いのイベントで“大麻クッキー”を食べさせたのでしょうか?元埼玉県警捜査1課の佐々木成三氏と、初公判を傍聴した西山耕平ディレクターが解説します。
占い師の川村麻理子被告(68)は、2022年12月に「運気を上げる集会」と称したイベントを開催、参加者は全国から25人集まり、その参加者にクッキーを配布したということです。このときの参加者の1人である40代の女性が体調不良を訴え病院に搬送され、女性の体内からは大麻成分が検出されました。女性が「イベントで緑色のクッキーを食べた」と話したことなどから警察が関係先を家宅捜査すると、川村被告の自宅から緑色のクッキー68個と大麻草が見つかりました。押収されたクッキーのうち、少なくとも8個のクッキーから大麻成分が検出されたということです。
Q.2月20日に行われた初公判での川村被告はどのような様子でしたか?
(西山ディレクター)
「紺のトレーナーに白のパンツ姿で、生気を失った様子、非常に不安そうに法廷を見渡していましたのが印象的でした。耳が少し遠いようで、耳に手をあてながら検察官の冒頭陳述を聞いたのも印象に残っています。また、検察官の起訴状読み上げの後、裁判長から『間違いありませんか』の問いには、聞こえるか聞こえないか分からないくらいの、か細い声で『ありません』と答えていました」
初公判の検察の冒頭陳述によると、川村被告は短大卒業後に占い師になりました。夫はカナダ人で、子どもはすでに独立しています。約20年前に初めて大麻を使用、10年ほど前からカナダに渡航し、断続的に大麻を使用していたということです。3年ほど前からは友人を介し、週1回ほどの頻度で使用していたということです。川村被告の自宅近くに住む人は「人の出入りの多い家だった。乗っている車が非常に良い車で、ロールスロイスやポルシェだった」と話しています。
Q.今ではカナダでの大麻使用は一部が合法となっていますが、20年前は合法ではありませんでした。供述を聞くと常習性を感じますね?
(元埼玉県警捜査一課 佐々木成三氏)
「被告は大麻常習者だと思います。ただ、この大麻クッキーというのは、胃で消化されてゆっくりと浸透していくので、常習者はあまり使いません。初心者が身体に入れやすいという理由で大麻クッキーを大量に作っていた可能性も大いにあるなと感じています」
Q.大麻には依存性がありますよね?
(佐々木氏)
「はい、大麻を使用すると多幸感やリラックス感がありますので、依存性が強くなります。この占い師のところに行くと自分が幸せになれる、リラックスできるということに大麻を利用していた可能性は高いと思います」
法科学研究センター所長の雨宮正欣氏によると、“大麻クッキー”を食べると、酔ったような状態になり肝臓に負担がかかるということです。また、人によっては吐き気・嘔吐・神経障害として痙攣などが起こることがあるとしています。警察は、大麻の作用を占いに悪用していた可能性もあるとみて捜査しています。
Q.成分が検出されたということはクッキーの中には大量の大麻が含まれていた可能性があると言われていますが?
(佐々木氏)
「クッキーを作るとなると、かなり大麻を持っていた可能性は高いと思います。“大麻クッキー”は甘味の認識を増強させると作用もあります。『高級クッキーです』と言って差し出していた可能性もあって、大麻だと気が付かずに、『甘味の強いクッキーだな』と思いながらどんどん食べていた方も多いと思います。かなり危険だと思います」
この“大麻クッキー”を川村被告に譲渡したのは、仲居業の池上ひろみ被告(49)で、大麻成分の入ったクッキー(約26.22g)を川村被告に無償で譲り渡したとされています。川村被告とは十数年来の友人だということです。
また、池上被告の近所の人は、1年ほど前から異臭や白い煙を目撃していました。池上被告は「コーヒー豆を炒っている」と説明していましたが、コーヒーの匂いとは明らかに違うと不審に思っていたということです。
Q.2人は十数年来の友人で、大麻は無償で譲り渡していたということですが?
(佐々木氏)
「この2人の被告の中で大麻所持は常態化していたのだと思います。2人の関係性を捜査すると、長年大麻を利用していたというのも明らかになりますし、何のために大量の大麻を持っていたかも、明らかにしなければならないと思います」
Q.大麻の入手ルートも重要になってきますね?
(佐々木氏)
「その通りです。この大麻はどこで入手していたかということですが、大麻はSNSで買えることもありますので、池上被告・川村被告の交友関係者やスマートフォンの解析なども重要になってきます」
(「情報ライブミヤネ屋」 2023年2月21日放送)