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ジャニーズ事務所会見でNGリストが存在

【独自解説】信頼回復が遠のく結果に…?ジャニーズ会見“NGリスト”流出…記者会見時・その後の対応、一体どうすればよかったのか?企業の危機管理に詳しい専門家が解説

「NGリスト」の存在発覚後、ジャニーズが文章で回答。しかし、発表直後後にある変更が…

10月4日のジャニーズ事務所の回答文章

 10月2日の会見で特定の記者を指名しないように「NG記者リスト」の存在について、ジャニーズ事務所がリストの存在が発覚した10月4日に報道各社に文章で回答しました。その文章は「PR会社が作成したと言われる顔写真が入った書類を、私たちは誰も見ておりません。会見前々日の会議で、本件について打ち合わせが行われた際、媒体リストを持ってこられてそこにNGと書いてあったので、井ノ原が、『これどういう意味ですか?絶対当てないとダメですよ』と言いました。するとPR会社が、『では前半ではなく後半で当てるようにします』と答えました。そのやりとりをその場にいた役員全員が聞いております。今回流出した資料は、弊社の関係者は誰も関与しておりません。見てもおりません」となっていました。

10月5日早朝にHPに掲載された文章

 しかし、回答の数時間後に事務所のホームページに掲載された文章では、「PR会社が、『では前半ではなく後半で当てるようにします』と答えました」という部分が「コンサルティング会社の方は、『では当てるようにします』と答えました」に変更されています。また、文末に新に「メディアとの健全な関係を築きたい」といった内容の文章が追加されています。

桜美林大学 西山守准教授

Q.文言が変わっていますが?
(桜美林大学 西山守准教授)
「意図的に変えたのは明らかです。情報がこういうふうに変わって行くと、『都合が悪いから変えたのだろう』と信頼性が損なわれるきっかけになるので、変えない方がいいと思います。今のご時世、キャプチャーしたりできるので、変えたことは分かってしまいます。そういう認識がないのかなと思います」

Q.NGリストがクローズアップされていますが、また会見しなければいけませんか?
(西山准教授)
「会見をすればいいということではないと思います。何らかの説明は要りますが、会見を行うのであれば、ジャニーズ事務所が本当に変わったということとセットでないと、また同じようなことが起こってしまうと思います。特に、経営陣が東山氏・井ノ原氏でいいのかという問題があります。そもそも内部にコンプライアンスがない企業でタレントとして育った人物が、本当に改革をできるのかというはなしに立ち戻らないといけないと思います。外部の人間を入れて根本から治しますというのを示したうえで説明をしないと同じことを繰り返すのではないかと思います」

NGリストは「業界では一般的に存在する」、その理由とは…?

コンサルティング会社が「NG記者リスト」の作成を認める

 ジャニーズの会見での「NG記者リスト」の問題で、会見の運営を任されていたコンサルティング会社がリストの作成を認めました。コンサルティング会社は「この資料は、限られた会議使用時間の中で会見の円滑な運営準備のために弊社が作成し運営スタッフ間で共有したもので、ジャニーズ事務所様は、作成や運営スタッフへの共有を含め一切関与しておりません。なお、実際の会見の進行においては、こうした資料に関わらず登壇者・司会者の判断のもと幅広い媒体の記者の皆さまにご質問頂くこととし、貴重なご意見を頂戴したところです。会見に参加された皆様、会見をご覧になられた視聴者の皆様、ジャニーズ事務所様、司会者をはじめ関係者の皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことを心より深くお詫び申し上げます」とコメントを発表しています。

司会者の所属事務所コメント

 そんな中、コンサルティング会社の関係者が取材に応じ、「NGリストは『ジャニーズだから』という理由で作成したわけではなく、業界では一般的に存在する」と回答。また、司会をしていた元NHKの松本和也氏の所属事務所は、「今回の件に関しては一切お伝えできることはありません。すべてジャニーズ事務所に一任しています」とコメントしています。

Q. 企業の会見で、こういったリストを作ることはあるのですか?
(西山准教授)
「リストを作成することはあります。しかし“NG記者のリスト”ではありません。どの記者がどういう主張をしているかをネットなどで調べます。当てないためのリストではなく、質問されてもちゃんと答えられるためのリストです。それがリスク管理の正しいやり方です。今回のように当てないためのリストは、発覚したときにそれがリスクになってしまいます」

Q.会見の仕切りをメディア側に委ねてしまえばよかったのでは?という意見もありますが
(西山准教授)
「第1回目をジャニーズ主導でしようとしたところ、メディアに主導権を取られてしまったので、今回その反省を踏まえて、ジャニーズが主導権を取ろうとしたのが裏目に出てしまったと思います。あまりにもジャニーズ側がコントロールしようとしていたのが問題だったと思います」

専門家指摘「『外から新しいガバナンスのできる人を入れて、全く新しい企業を立ち上げます』としないと、取り引き先は戻ってこない」

「SMILE-UP.」と新エージェント会社の社長・副社長は兼任

 新たに立ち上げるエージェント会社の社長には東山氏が就任し、副社長は井ノ原氏が就任するとのことですが、サンケイスポーツの取材によると、東山氏が社長を務める現ジャニーズ事務所「SMILE-UP.」の副社長も井ノ原氏が9月30日付で就任していたとのことで、新しいエージェント会社と「SMILE-UP.」は社長・副社長が二人の兼任になるということです。

Q.兼任については、どうお考えですか?
(西山准教授)
「『SMILE-UP.』の方は東山氏でもいいのですが、新しいエージェント会社は外部の人間を入れないとだめだと思います。こちらはいろんなスポンサーやメディアと取引するわけですが、そういった中には非常にグローバルな企業もあって、国際的なコンプライアンス基準に達していないと取引の再開ができません。井ノ原さん(が仮に社長になったとしても)、イメージはいいのですが、ガバナンスがあってコンプライアンスを守る企業経営ができるかというと、難しいと思います。『外から新しいガバナンスのできる人を入れて、全く新しい企業を立ち上げます』としないと、取り引き先は戻ってこないと思います」

(「情報ライブミヤネ屋」2023年10月5日放送)

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