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【独自解説】すすきの“頭部切断事件”、公開捜査をしていないのは「既に容疑者が浮上していて裏付け捜査中の可能性」元警視庁刑事が指摘
2023年7月11日 UP
7月2日、北海道の札幌市・すすきのにあるホテルで頭部が切断された遺体が見つかった事件で、一緒にいた人物がホテルを出た時間帯に、被害者男性の携帯電話の電源が切られていたことなどが新たにわかりました。そこから見えてきたこととは?そして、捜査の進展状況は?元警視庁刑事の吉川祐二氏が解説します。
Q.被害者とこの人物の間に、携帯電話でのやり取りなどがあったのでしょうか?
(元警視庁刑事の吉川祐二氏)
「被害者の携帯電話に容疑者に結びつくような情報があったので持ち去ったことも十分考えられます。持ち去ったときに、電源を切らなければ位置情報などで自分の居場所なども分かってしまうので、慌てて電源を切ったのだと思います」
Q.入室からホテルを出るまでの約3時間の間に、殺害から頭部を切断し所持品を持ち去り、かつ着替えまで済ませるといった犯行の手順に、とてつもない冷静さと怖さを感じますが…
(吉川氏)
「今回は、被害者の所持品を全て持ち去っていると考えられます。車のカギもないという情報もあります。漏れがないように全てを持ち去っている点からも計画性を感じます」
7月1日の午後11時前に、二人はホテルに入っています。そしてその入室の約15分前に、近くの路上で合流して数分間会話する様子が防犯カメラに映っていたということです。
Q.ホテル入室15分前の映像があるということですが、今後重要になるポイントは?
(吉川氏)
「今回15分前まで遡って防犯カメラの映像が入手できたということですが、それよりも前の行動を把握することが今後の捜査にとって重要なポイントになっていくものと思います。また、被害者は殺害されて切断されていますが、その切断の道具をいつから準備していたかということも重要になってきます」
現在240人態勢で捜査が行われていて、現場付近では情報提供が呼びかけられています。一方、吉川氏は「公開捜査に踏み切っていないため、既に容疑者が浮上している可能性はある。今つかんでいる情報の真偽を確認するために、相当数の聞き込みを行っているのでは」と話しています。
(吉川氏)
「今までの様々な事件でも“公開捜査”というのは重要でした。公開をすることで容疑者の行動を把握したいという考えが警察にあります。ただ、現段階で公開をすることによって、容疑者にいろんなものが漏れてしまう恐れから公開捜査をしないということがあります。さらには、すでにある程度の情報が警察に入っていることも考えられます。事件発生時間と同じ時間に様々な人に聞き込みを行っているということは、現在警察が把握していることの一つ一つに裏付け捜査を行っているとも考えられます」
Q.事件から1週間経過しての捜査にもかかわらず、今回捜査員が防護服を着ているのですが、何を捜査しているのでしょうか?
(吉川氏)
「非常に細かな証拠を探していると考えられます。例えば会話の時に飛んだ唾液や毛髪などです。この防護服は捜査員の体から何かが落ちないようにしていると思われます」
Q.遺体には抵抗した後にできる防御創がないということですので、顔見知りの犯行も考えられるのでしょうか?
(吉川氏)
「面識があって、気の許せる相手であった。もしくは今後気の許せる相手になるであろう人物だった、と考えられます」
(「情報ライブ ミヤネ屋」2023年7月10日放送)