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【独自解説】4630万円誤送金、24歳男性が自己破産したらどうなる?お金の流れの真相解明は?「期待は税務署」専門家が解説
2022年5月19日 UP
山口県阿武町(あぶちょう)が、新型コロナ対策の臨時給付金4630万円を誤って振り込んだ問題で、5月18日、電子計算機使用詐欺の疑いで田口翔容疑者(24)が逮捕されました。田口容疑者の弁護士によると、田口容疑者は「お金を使ったことは、大変申し訳なく思っています。少しずつでも返していきたいと思います」と話しているということです。今回のお金の流れの調査などについて、スペシャリストが解説します。
Q「少しずつでも返す」と言っても、男性が自己破産した場合はもう金は返ってこないのでは?
(清原博弁護士)
「結果的には自己破産になると思います。ただ自己破産すると、全ての負債が“免責”されて無くなるように思う人が多いのですが、今回のようにカジノ(ギャンブル)で財産を使い果たしたような場合は、負債は免責されず4630万円を返す義務は一生残り続けます。また借金の時効が10年という話もありますが、町が10年ごとに訴訟を起こせば、ずっと負債を抱えさせることができます」
Q.お金は全額使ったと言っていますが、そのことを証明できるのでしょうか?
(国際カジノ研究所 木曽崇所長)
「使い切ったことを証明するには、収支リポートのようなものが必要です。大手のカジノならあると思いますが、発行しないオンラインカジノもあります。本人が“使った”と言っているので、振り込み証明自体は出すと思いますが、使い切ったかどうかは、本人が証明する気がないと難しいと思います。“ギャンブルで使った”と言うと、その先の出所が分からないため、証明のしようがなくなります」
Q.ネットカジノは海外にありますが、お金の流れなど追えるものなのでしょうか?
(三井住友銀行元支店長 菅井敏之さん)
「私の見立ては、いったん暗号資産に替えて、その暗号資産をカジノで使ったのではないかと考えています。日本の銀行から暗号資産の取引所への送金記録は追えます。その先をどうするかです」
Q.どの様にしたら事実が明らかになると思いますか?
(菅井敏之さん)
「私が期待しているのは“税務署”です。男性が使ったと言っている4630万円は、不当であれ“所得”ですから、所得税の最大税率45%と地方税の10%を合わせて55%の税金がかかります。2500万円ほどの税金を、来年の3月までに払う必要があります。税務署は税務調査で、カジノの動きも全部追いかけると思います。税金を払えなかった場合は、さらに約9%の延滞税がかかります。日本の税務署はお金の取り立てに関してはプロですから、税務署に期待しています」
(情報ライブミヤネ屋 2022年5月18日放送)