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【独自取材】すすきの頭部切断殺人 犯人は「首を切断することに何の感情も持たない」?警察が捜す“金髪でつばの広い帽子を被った人物”…元警視庁刑事が解説
2023年7月13日 UP
北海道・すすきのにあるホテルで頭部が切断された遺体が見つかった事件で、ホテルの関係者を独自取材しました。そこで明らかになった遺体発見時の生々しい一部始終とは?一方、警察が事件直後、「金髪で、つばの広い帽子を被った人物」の行方を捜査していたことがわかりました。元警視庁刑事の吉川祐二氏が解説します。
捜査線上に浮上する「金髪でつばの広い帽子をかぶった人」
趣味のツーリングで、被害男性が年に4回は泊まるという宿泊施設の関係者に取材したところ「事件の報道があってすぐに警察が来た。『防犯カメラに映っていた金髪でつばの広い帽子をかぶった人が来ていませんか』と聞かれた。警察も男性か女性か分からない感じだった」という新しい証言を得ました。
Q.警察が、被害者が行きつけの宿泊施設に聞き取りに行ったのはなぜでしょう?
(元・警視庁刑事 吉川祐二氏)
「殺害された男性と一緒にいて居なくなった人物が、非常に親しい関係だったという見立てをしていると思われます。その関係で、被害男性が良く行くところに一緒に行っていたのではないかということで、あらゆる可能性を一つ一つ確認しているのだと思います」
「入室直後に浴室に誘導」「防犯カメラを意識」新たにわかった犯行の手口
一方、事件のあったホテルの関係者は室内の様子について「ベッドのシーツ類は整えられたまま」「部屋は浴室以外に使われた形跡がほぼなかった」と話しています。警察によると「男性は浴室で殺害され、首を切断か」「一緒にいた人物が入室直後に犯行に及んだ可能性もあるとみて捜査」しているとのことです。犯罪心理学者の出口保行氏は、「部屋の中が荒らされていれば『争い』ということが考えられるが、現場にその形跡が一切ない」「入室直後に浴室に誘導するための準備をきちんとしていて、計画性の高い犯行だと思う」と分析しています。
そして、新たな証言も。実際に防犯カメラ映像を見た人物は「一緒にいた人物は、被害者より5~10cmくらい小柄。細かった足は、一般的には女性だけど男性ではないとは言い切れない。ずっと斜め下方向を見て一回も顔を上げることなく歩いていた。カメラを意識し警戒心が強いと思う」と話しています。
(出口氏)
「顔が映らないようにするためには、どこに防犯カメラがついているのか何度か事前に確認をしているはず。どういうことをすれば自分だと特定することができないか、事前に調べ上げたうえで行われた犯行では」
また、二人の入室時の様子について、ホテルの関係者によりますと「部屋を選んだのは被害者の男性で、2階の部屋を選ぶと二人でエレベーターに乗って入室した。特に変わった様子はなかった。一緒にいた人物は上下白っぽい服でスーツケースを持っていた」ということです。
退出時の様子は「午前2時頃に『先に一人で出ます』と女性のような声でフロントに電話が入った。スーツケースを持ち帽子をかぶり服装は黒一色。いま思えば、カメラを意識して顔を見せないように出ていったのかなとは思うが、当日不審には感じなかった」ということです。
(出口氏)
「計画通りスムーズに進行していると本人の中で動揺は出てこない。非常に自然な行動・立ち居振る舞いができていたのではないか」
犯人は「首を切断することに何の感情も持たない性格」か
遺体が発見された部屋は、入ってすぐに寝室があるのですが、そこに血の跡はなかったということです。男性の遺体は、部屋の奥にある浴室で見つかりました。ホテル関係者によると「チェックアウトの午前11時を過ぎたので1時間おきに電話をしたが応答はなかった。そこで午後3時にスタッフが入室すると、ベッドはきれいなまま。人の姿がないので浴室に行くと浴槽にうずくまった人を見つけ、『お客様』とお声をかけたが応答がなく119番通報をした」「遺体は、前かがみになっていたので、首が切断されていることには気が付かなかった。風呂場や体に血が飛び散った様子はなかった」ということです。
Q.犯行が手慣れているように思えますが?
(吉川氏)
「浴槽とはいえ血をきれいに洗い流すのは非常に難しいと思いますが、それがしっかりと行われているということ。そしてどの時点で人を殺害して切断する道具を用意していたのか?その計画性が今後の重要なポイントになってくると思います」
Q.一緒にいた人物が犯人だとすると、この被害者の男性を狙っていたのか?誰でもよかったのか?どうなのでしょう?
(吉川氏)
「あらかじめ道具を用意していたのなら、今回接触した被害男性を殺害するために用意したといえますが、誰でもよかったとも考えられます。そこも含めて今後捜査していかなければいけません。もし、たまたま狙われたということなら、捜査が難しくなるのは事実です。しかし、このホテルにいて、その後所在不明になっている人物を追いかけることによって事案の解明はできると思います。容疑者ではなく参考人情報として後ろ姿なりを手配するという手もあると思います」
Q.犯行に、動揺や躊躇がないように見えますが?
(吉川氏)
「ホテルから出ていく段階で動揺はみられません。人を殺害することに動揺がない人物はいるのですが、首を切断するとなると強い動揺が出てくるはずです。今回の容疑者については、首を切断することに何の感情も持たない性格だった可能性が高いと思います」
(「情報ライブ ミヤネ屋」2023年7月12日放送)