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【独自解説】大谷選手が今季初勝利!バッターを翻弄する“フリスビーみたいに曲がる”スイーパー 「修正能力が炸裂」投打での活躍を元日ハム岩本勉氏が解説
2023年4月7日 UP
今季2度目の先発“二刀流”となったエンゼルス・大谷翔平選手は、不調ながらも相手を翻弄するスイーパーを炸裂。トラウト選手と心つながるチームプレーで追加点を上げるなど、投打に渡る活躍で今季初勝利をかざりました。さらに、大谷選手ならではのメジャー史上初“珍記録”も!元日本ハムファイターズ・岩本勉氏が解説します。
投手として今季初勝利!トラウト選手と心つながるチームプレーも
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4月5日、エンゼルスのマリナーズ戦では、投げて打って、チームの勝利に貢献した大谷選手。投手と打者の二刀流で登板し、6回8奪三振1失点という成績でマリナーズを4―3で制し、投手としては今季初勝利を上げました。
エンゼルスは2回表、捕手のオハピー選手がツーランホームランを決め、2点を獲得。そして7回表、トラウト選手が執念の内野安打、さらに大谷選手が3塁線のツーベースヒットを放ち、チームは2点を獲得しました。
(元日本ハムファイターズ・岩本勉氏)
「これは主軸であるトラウト選手の姿を見て、打線が結果のつながりだけではなく心のつながりまで表したタイムリーだと思います。チームプレーに徹しました」
Q.エンゼルスは、このあとの中継ぎが課題ですね?
(岩本氏)
「そうですね。まだシーズンに入って、ブルペン陣が強固たるものを備えたとは言えない状態なので、皆が出てみなきゃわからない、マウンドに立ってみなきゃわからない、という不安視もあったのかなと思いました」
寒さにも負けず!バッターを翻弄する大谷選手の「スイーパー」
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今回、試合が行われたのは、アメリカ北西部の街・シアトルにあるT‐モバイルパーク。気温が10℃を切る中、開閉できる屋根は閉めずに行われ、選手らも相当寒かったといいます。
Q.寒い中、ピッチャーが屋外で投げるのは、相当な神経を使いますよね?
(岩本氏)
「自分の体温で手や指先を温めるなど工夫をしながら、普段投げている以外のことをしなきゃいけません。体の動きも、当然悪くなります」
Q.大谷選手が10℃以下の中で投げたのは、メジャーに行って初めてらしいですね?
(岩本氏)
「そうですね、所属チームのあるアナハイムは、比較的温暖な西海岸ですから。でも、ピッチング内容を見ていると、ゲームスタートから徐々に体が慣れていき、調子も上がっていったように見えました。修正能力・危機回避能力の長けた部分が、今日は炸裂でした。パワーピッチングなのか、相手を翻弄するのか、いろんなことを工夫しながら組み合わせて、終盤には絶好調のピッチャーに変わっていました」
Q.5回、6回で、明らかにギアチェンジしましたね?
(岩本氏)
「その前の4回に先頭打者にヒットを打たれて、やはり今日は調子悪いのかなと思ったときに、ファーストゴロのダブルプレーがありました。その時に、何か姿が変わったように見え、ボールのキレが増したんです。今日の試合でプレイボールから投げていたのは、投げた瞬間からスイーパーだと分かるボールでした。それだと、バッターは大谷選手の一番のストロングボールがスイーパーだと思っているので、見極めて、最初はファウルが多かったんです。しかし、次第にストレートやフォークボールが決まり始め、バッターらに選択肢が増えました。大谷選手も調子を上げ、スイーパーもボールがバッターの近くで逃げるものに変わってきました。大谷選手の調子も変わり、バッターに最初に植え込んだイメージも操作したんです」
Q.スイーパー以外のボールで打者を翻弄した結果、後のスイーパーが効いてくるわけですね?
(岩本氏)
「球種というのは掛け算で、足し算とは全く違い、1つ輝くと他のボールもどんどん輝いてきます。なので、何をベースにして戦うのかを考え、調子の悪い球種を、調子の良い球種を使って、調子良くしていく。大谷選手は、それができるピッチャーなんです」
大谷選手のスイーパーについては、メジャーリーグ公認のピッチングアナリストも、3月31日に行われた対アスレチックス戦の大谷選手の投球を分析し、「フリスビーみたいに曲がる137km/hのスイーパー、56cmも水平に曲がるなんて」と驚いていました。
Q.アウトサイドの真ん中低めから地面に落ちては、バットが届かないですよね?
(岩本氏)
「バットに当たると思って踏み込んだのに空振りしたバッターが、ミットを見たときに『そんな所まで行ってんの?』となるような、自分のイメージと結果の違いに驚くようなボールです」
投手、打者両方で「ピッチクロック違反」の珍事
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投打間に時間制限を設けるという新ルール「ピッチクロック」で、大谷選手ならではの珍事がありました。まずは1回、4人目の打者に対して、投手として違反。そして6回、3打席目で、打者としての違反をしました。ピッチャーとバッターで同じ人物がピッチクロック違反をするというこの珍事は、メジャーリーグ史上初の出来事でした。
Q.ピッチャーの立場からすると、次々と投げないといけない感じですよね?
(岩本氏)
「ピッチャーのタイプにもよりますが、大谷選手はどちらかというともともと投球間隔が長いので、戸惑いはあったと思います。ですが、『決まった新ルールだから従うしかない』と、本人も言っていました。個人的な感想としては、もう5秒ずつあっても良いんじゃないかなと思います」
また、けん制球に関しても、1打席3回以内にアウトにできなければランナーが進塁するという、ピッチャーにとっては不利なルールがあるということです。
Q.早く投げなければ、走られるということですね。逆に言うと、大谷選手がバッターで1塁ランナーに出たときは、去年より盗塁が増えそうですか?
(岩本氏)
「ベースも大きくなっていますし、可能性はあります」
Q.なぜ、こんなにも時間制限に厳しくなったのですか?
(岩本氏)
「スポーツとメディアの融合が取り沙汰されている中で、テレビ放送の尺といった部分で協力体制を強いている野球事情というのはあると思います」
(情報ライブミヤネ屋2023年4月6日放送)