記事

【緊急コラム】エンゼルス・大谷翔平選手と同郷の読売テレビ・澤口アナと見たホームラン競争! キーワードは“野球愛”と”岩手愛“

史上初!ホームラン競争に日本人参戦

読売テレビ 澤口実歩アナウンサー

(澤口実歩アナウンサー)
「私は大谷選手と同じ岩手県出身です(同郷というのが申し訳ないほど遠い存在なのですが・・・笑)。年齢は大谷選手の1学年下で、高校時代に岩手県の球場アナウンスのお手伝いをしていたため、花巻東高校の試合のアナウンスもしたことがあります。『ピッチャー 大谷くん』と読み上げていたあの時は、メジャーで活躍する大谷選手をニュースでお伝えする自分の姿なんて想像もできませんでした・・・」

【緊急取材】長引く“コロナ後遺症” 若者や無症状でも…思考力が低下する「ブレーンフォグ」とは?

 まるで漫画みたいです。世界最高峰のメジャーリーグで投手と打者の二刀流で活躍するだけでも驚きなのに、メジャーのオールスター・ゲームになんと史上初めて先発投手で1番・DH(指名打者)という特別ルールによる“リアル二刀流”で出場するエンゼルスの大谷翔平選手。歴史的な試合の前夜祭で、こちらもまた日本人として初めてオールスターのホームラン競争に出場しました。

 そんな大谷選手とのご縁を感じているのが、ミヤネ屋の司会をつとめる澤口実歩アナウンサーです。大谷選手と同じ岩手県の出身で、高校では野球部のマネージャーを務め、球場アナウンスもやっていたのです。野球愛、岩手愛に溢れる澤口アナは、大谷選手のホームラン競争をどう見たのでしょうか。

(澤口実歩アナウンサー)
「大谷選手が高校時代に初めて球速160キロを出した瞬間、私はその球場にいました。そのときの会場のどよめきと歓声を今でも忘れません。マウンドに立っても打席に立っても『このあと何かを起こしてくれるのではないか…?」と観客に期待させてくれて、目が離せない。同世代の選手を見ているような感覚ではありませんでした」

背番号44

エンゼルス・大谷翔平選手 背番号44

あれ、背番号が違う。大谷選手がホームラン競争で着用していたユニフォームの背中には、いつもの背番号17ではなく、44の数字が!
 よく見ると、他の選手も皆、背番号44のユニフォームを着ています。いったい、なぜなのでしょうか。澤口アナは気付いていましたか?

 (澤口実歩アナウンサー)
「今回のホームランダービーを見て初めて気づきました。すぐに調べて、なるほど、そういうことか!と。気持ちを一つに『尊敬』や『感謝』を伝えるということ、まさにスポーツマンシップを世界中の人にみせてくださっていますよね。本当に素敵な計らいだと感じます」

 これが、メジャーリーグの“伝統”です。メジャーでは歴史上の偉大な選手に対して、日本では比較にならない程の尊敬を示します。選手たちが背負った背番号44は、今年亡くなった通算755本塁打の偉大なホームラン王、ハンク・アーロンの背番号なのです。

 実は… 今年のオールスター・ゲームは、当初はハンク・アーロンも活躍したブレーブスの地元アトランタでの開催予定でした。しかし、アメリカ大統領選挙の影響もあり、アトランタのあるジョージア州で黒人市民の投票権に不利な影響を与える可能性のある法律が可決されたことに抗議して、メジャーリーグ機構が急遽、開催地をコロラド州デンバーに変更したのです。因みにこの時、メジャーリーグのコミッショナーは「今年のオールスターの開催地を変更することが、競技としての我々の価値観を示す最良の方法だ」と述べました。野球というスポーツが、アメリカにとってどれだけ大切なものかが分かるコメントですね。

 アトランタでのオールスター・ゲームで地元の英雄であるハンク・アーロンの名誉をたたえるイベントが予定されていたことから、ホームラン競争でも選手たちが尊敬の気持ちを示すために背番号44を背負ったのです。野球愛ですね。

 因みに… 今回のオールスター・ゲームの会場となるデンバーのクアーズ・フィールドは、1996年にドジャースの野茂英雄選手が、歴史的なノーヒットノーランを達成した日本人選手にとってはご縁のある球場です。標高約1600mで空気が薄いためボールがよく飛ぶことから「バッター天国」と呼ばれるこの球場で、ノーヒットノーランを記録したのは今でも野茂選手だけなのです。

「オールスター・ウィーク」

 オールスター・ゲームといえば、日本のプロ野球でも開催されますが、メジャーリーグのオールスター・ゲームは日本のものとはかなり違います。澤口アナは、その違いを知っていますか?

(澤口実歩アナウンサー)
「日本とは違い、1日だけの開催なんですよね。もともとメジャーリーグのオールスターについては詳しく知らなかったのですが、今回は大谷選手の二刀流の話題もあり、改めて勉強しました!1試合だけということは、選手たちが出られる時間も限られてきますよね!」

 日米の違い、まずは試合数です。日本のオールスター・ゲームは、かつては3試合、今でも2試合行われますが、メジャーでは1試合だけ。だから、毎年、選ばれても実際に試合には出場できない選手も出てきます。それだけ出場するのは、厳しい道なのです。

 そして、メジャーでは、オールスター・ゲームだけではなく、その前に「オールスター・ウィーク」と銘打って街中で様々なイベントが催され、開催地はオールスター一色に染まります。今回のホームラン競争もその一つです。これ以外にも、次世代のメジャーを背負う有望選手による「フューチャーズ・ゲーム」や、メジャーOBや有名人によるソフトボール試合も行われ大人気です。さらに、球場周辺では「ファン・フェスタ」も開かれます。ここでは子どもたちが参加できる野球アトラクションやアメリカ野球殿堂所蔵品の出張展示、ファン向けのコレクター・グッズ販売ショーなども行われ、全米から集まる野球ファンが楽しめるようになっています。これぞ、野球愛です。

ホームラン競争

お待ちかねのホームラン競争で、大谷選手の1回戦の対戦相手はソト選手。2019年にワールドシリーズを制覇したナショナルズの主力打者で、人気と実力を兼ね備えたメジャーを代表する好打者です。2018年には日米野球で来日しました。
 先に登場したソト選手が22本打ったのを見て力が入ったのか、大谷選手は序盤なかなか打球が上がりませんでした。上体が少し前に突っ込んでいるようにも見えましたが、シーズン前半戦だけでメジャー最多の33本塁打を打った底力を示して何とか22本を打って追いつきました。打席の合間には、同じ岩手県の花巻東高校の先輩でもあるマリナーズの菊池選手がドリンクを持って励ますシーンもありました。ここでも岩手愛。

 (澤口実歩アナウンサー)
 「今日のホームランダービーで一番嬉しかったシーンは、大谷選手に菊池雄星選手がドリンクを持って行った場面です。このシーン、岩手県民は特にほっこりとしたのではないでしょうか!花巻東高校の先輩後輩が、世界が注目するこのメジャーリーグのホームランダービーで同じ画面に映っている!私は思わず拍手してしまいました!笑」

 結局、1分間の延長でも決着がつかず、一人3スイングでの再延長になりました。その結果、残念ながら28本対31本で大谷選手は1回戦で敗退となりました。

 (澤口実歩アナウンサー)
「敗退が決まった瞬間でも、笑顔でソト選手とハグをしていましたよね!アスリートが称えあう姿は本当に素敵です!」

 大谷選手は、初めてのホームラン競争を終えて、爽やかな笑顔で感想を述べました。
「疲れましたが、楽しかったです。何とか勝ちたかったけれど、いい経験になりました。これから休んで明日に備えたい」

(澤口実歩アナウンサー)
「開始前から笑顔を絶やさずリラックスしていたのが印象的で、見ているこちらまでテレビの前で思わずニコニコしてしまいました。最初はなかなかホームランが出ませんでしたが、さすが“魅せる男”ですよね。22本に追いついた瞬間は思わず『やったー!』と声が出ました」

「ホームランダービーは1回戦敗退となりましたが、笑顔でのパフォーマンス、そして粘って粘ってソト選手に追いつく展開は日本中の人に勇気をくれたと思います! ただ、今日の競争でかなりお疲れの様子だったので心配しています・・・。明日までゆっくりと休んで、オールスター・ゲームでは大谷選手らしいダイナミックなプレーをして欲しいですね!」

(情報ライブミヤネ屋 7月13日)

SHARE
Twitter
facebook
Line

おすすめ記事

記事一覧へ

MMDD日(●)の放送内容

※都合により、番組内容・放送日時が変更される場合があります。ご了承ください。

※地域により放送時間・内容が一部異なります。