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【独自取材】電話の先に片言の日本語を話す人物!? 急増する「サポート詐欺」 巧妙化する手口の実態を暴く!
2023年9月28日 UP
高齢者を狙った特殊詐欺が急増する中、その最前線では何が起こっているのでしょうか?ますます巧妙化する悪質な手口をジャーナリストの多田文明氏が詳しく解説します。
最近、突然パソコンに警告画面が出て、ウイルスの除去費用などを電子マネーで請求する「サポート詐欺」が増えています。警察庁によりますと、統計はことしから取り始めたのですが、上半期の認知件数は1214件に上るということで、「架空料金請求詐欺」の約半数だったということです。
Q.なぜサポート詐欺が増えているのですか?
(ジャーナリスト 多田文明氏)
「みなさん電話だと警戒すると思いますが、パソコンやスマホの画面からの詐欺のアプローチだと、警戒心が薄いので騙されてしまうようです」
Q.高齢者などはパソコンの操作に詳しくないというのもありますか?
(多田氏)
「高齢者でもパソコンやスマホを使う方が増えている分、サポートを騙る電話で親切・丁寧に説明されると騙されてしまいます」
巧妙化するサポート詐欺 悪質な手口の実態
インタ-ネット上の「サポート詐欺サイト」に接続すると、「不正プログラムに感染した」と偽の警告が表示され「このコンピュータは、トロイの木馬ウイルスに感染しています。あなたの情報はハッカーや第三者に送信されコンピュータに損害を与える可能性があります。マイクロソフトエンジニアの品川・東京からのサポートについてはフリーダイヤルに電話してください」という自動音声が流れます。
そして、そこにあるサポートの電話番号に掛けると、片言の日本語を話す人物が電話に出てきて、偽のIDカードで信用させ遠隔操作ソフトをダウンロードするように指示されます。そして“問題確認”の名目でパソコンを遠隔操作されます。その後、パソコンにウイルスが侵入したと説明。“ウイルス対策ソフト”の費用を要求され、その費用の支払いにコンビニで電子マネーを購入するように言われるということです。
Q.遠隔操作されるということは、パソコンが乗っ取られているということですか?
(多田氏)
「遠隔操作されて、マウスのポインターを勝手に動かしたりして、次々変な動きをするので、見ている人が『パソコンがウイルスに感染しておかしな動きをしている』とパニックになってしまうのです。それで言いなりになってしまって、『セキュリティーソフトが必要だから』と言われて、コンビニに電子マネーを買いに行ってしまうのです」
Q.コンビニに電子マネーを買いに行けというのはおかしいのでは?
(多田氏)
「急に『コンビニでプリペイドカードを買ってこい』となったら怪しんだほうが良いです」
このサポート詐欺を防ぐ方法には、「偽のセキュリティ警告画面が表示されたらブラウザを終了する」「ブラウザを終了できない場合、ブラウザを強制的に閉じるかパソコンを再起動する」「偽のセキュリティ警告画面で表示される電話番号に電話をしない」「指示されるアプリやソフトウェアなどをインストールしない」ということが重要です。
Q.詐欺だと分かっていたらできますが、慌てているときにはできるでしょうか?
(多田氏)
「騙しの手口として慌てさせてくるので、必ず第三者に相談してほしいです。このサポート詐欺は結構昔からある手口なのですが、以前の請求額は数万円だったのが、今は、繰り返し電子マネーを買わせて100万円を超える被害になることもあり、相当悪質になっています」
Q.電話に出てくるのが片言の外国人ですが、海外で受けているのでしょうか?
(多田氏)
「基本的には海外で電話を受けています。私が突っ込んで取材したところ、アジア圏でした。ただ、プリペイドカードは国内でしか換金できないと思いますので、換金する組織は日本国内にあるでしょう」
(「情報ライブミヤネ屋」2023年9月27日放送)