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梅宮アンナさんが体験した「実家じまい」とは?

最愛の父・梅宮辰夫さんの“終の棲家”を売却「手放すなんて考えられなかったのに…」アンナさんが直面した金銭的・生活的限界と『実家じまい』苦悩の日々

 2022年、父・梅宮辰夫さんが遺した邸宅を売却した梅宮アンナさん。彼女のように「実家じまい」について考える人が今、増えています。ライフステージの変化に伴い、多くの人が直面する実家の持て余し。「実家の整理」に関する相談件数は、この5年間で約15倍に達し、年間4万件近くになると言います。なかなか見つからない不動産の買い手探しや、手放すのに苦労する“思い出が詰まった遺品”の整理を、アンナさんはいかにして完了させたのでしょうか?

辰夫さんの“終の棲家”、直面した維持の限界

梅宮辰夫さんが大切にしていた“真鶴の家”

 アンナさんの最愛の父・辰夫さんが亡くなったのは2019年12月。辰夫さんは、その年の春、東京・渋谷にあった自宅マンションを引き払い、36年前に建てた神奈川県真鶴町(まなづるまち)の別荘を“終の棲家”と決め、移住していました。

(梅宮アンナさん)
「海が大好きですし、海を見ながら生活ができたほうが、やっぱり気分が良いと父は言っていて。水平線がうちの家から全部見えるんですね。リビング・寝室、そこを見ながら太陽があがってくる。『朝に太陽を見ないで人生を送るのは、とても損をする』と小さいときから(父に)言われていたので」

“真鶴の家”から見える景色。そして、そこで過ごす時間を何よりも大切にしていた辰夫さん。

(アンナさん)
「生前に何にも言われなかったんですよ。『お前、俺が死んだらここに住めよ』とかも言われなかったし、『これを大事に一生かけて守り抜け』とも言われなかったんですけど、(生前に)あれだけ楽しいものを見せられると、手放すっていうことはもう考えられなくて。無かったです、私の選択肢の中に」

 辰夫さんの思いが詰まった“真鶴の実家”を受け継ぐことに、迷いはなかったと言います。自身が契約していた都内の賃貸物件を解約。母・クラウディアさんと共に、真鶴での生活をスタートさせました。ところが、いざ暮らし始めてみると、想像していなかった厳しい現実に直面することになります。

莫大な金額となる年間の維持・管理費

(アンナさん)
「やっぱり維持費がスゴイんですね。昔の作りなので、何もかも高いんですよ」

 築36年の4階建て、土地の広さは700坪にもなる“真鶴の実家”の年間の維持費は、固定資産税、電気・水道代など、合計約190万円に上りました。別荘として利用していたときには気付かなかった、維持・管理の大変さです。また、住居として快適に暮らすための修繕やリノベーションにも、約1000万円がかかったと言います。そんな金銭面以外に重くのしかかったのが…

(アンナさん)
「私も東京にお仕事があるので、すごく行ったり来たりして。真鶴から東京に向かうときに、朝の6時前から東京インターが混むんですよ。5時半にはそこを通過する勢いで行くから、4時には家を出ないといけない。(早めに東京に着いて)駐車場入ってそこで寝たりとかしていたんですよ」
Q.車で寝ていたのですか?
(アンナさん)
「うん。『何をしているんだろう』って思ったし…」

 住んでみて、改めて痛感した東京との距離。さらに、仕事が多忙を極めるときは、毎日のように真鶴との間を往復し、疲弊していったと言います。

(梅宮アンナさん)
「家が(存在が)大きすぎて…。許容範囲っていうのがあるじゃないですか。完全に超えちゃっていた、というのがありました」

 このままでは、生活が破綻してしまう…。母・クラウディアさんと話し合い「実家じまい」を決意、東京へ戻ることにしたと言います。ところがそこでも、数々の障壁がありました。

売却の難しさと“思い出の品”整理の苦労

「空き家」を売却するまでの期間 (調査:オールアバウト)

 ネットメディアが調査した、「空き家」の売却までにかかった期間は、1年未満はわずか9.7%で、3年以上かかったケースは60%を超えています。「実家じまい」の際には、まず“買い手”を見つける難しさが大きな壁となりますが、アンナさんの場合は…
 
(アンナさん)
「父があれだけ大事にしていたものを、私の代になったから、『売るのは誰でもいい』『お金がある人なら誰でもいいですよ』というのは、私は恐ろしくてできなかった」

 父が大切にしていた家を、これから先も大切に使ってくれる人に引き継いでもらいたい。そんな思いから、当初はアンナさん自身が直接、購入希望者の対応にあたっていました。しかし、一人での対応に限界を感じ、地元の不動産業者を頼ることにしたと言います。

(アンナさん)
「実際にやってみて、一人はきついなということで不動産業者さんに相談して…。この人がいたからうまくいったというぐらい、素晴らしい不動産業者さんだったんですよ。売主側と買い手側、両方の気持ちが分かる人でした」

理解ある不動産業者と巡り合い、「辰夫さんの思い」、そして「アンナさんの思い」を受け継いでくれる“理想の買い手”が見つかりました。

(アンナさん)
「買ってくださった、オーナーさんは本当に良いご夫婦で、『お墓に行かせてほしい。梅宮さんのお墓にご報告させて欲しい』と、向こうから言ってくださって…」

 また、「実家じまい」で苦労するのが、思い出の品や収集品の整理です。プロ顔負けの腕前を誇った料理に魚釣りなど、多趣味だった辰夫さん。“真鶴の実家”には、愛用の道具がたくさん残されていたと言います。アンナさんはそれらの道具を、辰夫さんと親しかった人に“形見分け”して配ることにしました。
  
(アンナさん)
「やっぱり価値の分かる人にあげるのが、一番(父の)供養になるというか、もう何十年も一緒に釣りをした仲間がいて、リールとか釣り竿とか持っていくとみんな喜ぶから、税理士さんと相談して、そこの皆さんにお礼がてら持っていきました」

 それでも、どうしても手放せなかった物もあったと言います。

手放せなかった父の「まな板」

(アンナさん)
「父が使っていた『まな板』は私が持っています。まな板が命だったと思うんですよね。雑誌を逆にして、まな板の上に定規を置いて出刃包丁で紙を切っていたこともありました」
Q.一気に全部裁断するのですか?
(アンナさん)
「そんな人、私見たことなくて!」

 アンナさんは父親の姿を思い浮かべながら、“手放すもの”、“残すもの”を丁寧に選別し、「実家じまい」を終えたと言います。

(アンナさん)
「父を思い続けて大事にしたし、精一杯やったと思うし。父に毎回話をしてきたし。『もういいよね?』って言って、『理解してくれますか?』って言って、『いいよ』って言われた気がするから」

(「情報ライブ ミヤネ屋」 2022年12月19日放送)

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