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ジャニーズ事務所 取締役会で社名変更などを検討

【独自解説】ジャニーズ事務所、起死回生の一手は「別会社の設立」⁉東山新社長が社名変更等検討発表も、「『名前は変えない・株主構成も変わらない』というのは考えられない」

 ジャニー喜多川氏による性加害問題を受け9月19日、ジャニーズ事務所が取締役会を開催し、社名変更や補償の具体策などについて話し合われたことがわかりました。10月2日に進捗状況を報告するということです。今後、ジャニーズ事務所はどうなるのか、桜美林大学の西山守准教授と芸能リポーターの長谷川まさ子氏が解説します。

ジャニーズ社名変更か…「今後の会社運営に関わる大きな方向性についてあらゆる角度から議論」

ジャニーズ事務所の発表

 9月19日の取締役会の後、ジャニーズ事務所より「皆さまのご意見、ご批判を真摯に受け止め、今後の弊社の在り方について検討を重ねて参りました。本日、弊社取締役会を開催し、藤島が保有する株式の取り扱い、被害補償の具体的方策、社名変更、所属タレント及び社員の将来など、今後の会社運営に関わる大きな方向性についてあらゆる角度から議論を行い、向かうべき方針を確認いたしました。今後、法務や税務その他の論点を精査する所存です。そして改めて、10月2日には、その進捗内容を具体的にご報告させていただきたく存じます」と発表がありました。

芸能リポーター・長谷川まさ子氏

Q.10月2日の発表は、書面でしょうか?会見を開くのでしょうか?
(芸能リポーター・長谷川まさ子氏)
「事務所に問い合わせたところ、どういう形での発表になるのかは、まだ決まっていないということで、『決まり次第発表する』ということでした。ただ、9月19日の取締役会の内容についても、10月2日に発表してもいいのですが、『決まったことからどんどん外に出して発表していく』というふうに変わってきているというのは実感として感じました」

スポーツ各紙は「ジャニーズ社名変更」と報道

 スポーツ各紙は“社名変更”と大きく報じています。まず「日刊スポーツ」は、「ジャニーズ事務所社名変更へ 株式の取り扱いなども検討」とあります。続いて「スポーツニッポン」は、「名称変更 ジャニーズ消滅か」と報じています。そして「サンケイスポーツ」は、「ジャニーズ東山新社長決断 社名変更新会社設立へ」としています。

桜美林大学 西山守准教授

Q.スポンサー企業からすると「ジャニーズ」という名前は変えてほしいのでしょうか?
(桜美林大学 西山守准教授)
「ジャニー喜多川という性加害を行った人物の名前を冠し続けるというのは、国際社会においては許しがたいことです。また被害者からも『名前を聞くだけでフラッシュバックする』という声もありますので、被害者救済、あるいは国際社会への対応、企業のコンプライアンスの点でも変えざるを得ないと思います」

Q.タレントのマネージメントをする会社と被害者救済をする会社、2つ作ればいいのではという話も出ているようですが?
(西山准教授)
「こちらは、ジャニーズ事務所の公式の発表には出ていないので、どれだけ現実味があるかわかりませんが、これが実現すれば現在窮地に陥っているジャニーズ事務所の“起死回生の一手”になるかもしれません。被害者の救済と、芸能事務所としての業務を分けて行かないと、両方の問題が解決できずに共倒れになってしまうと思います。取引先からしても、問題を起こしたジャニーズと取引し続けるというよりは、別の会社にした方がすっきりすると思います」

経団連会長も“ジャニーズ問題”に言及

 9月19日に、経団連の十倉雅和会長もこの問題に言及し「これはある種の児童虐待・犯罪行為であり、そういうことが許されることがあってはならないというのがまず大前提。ジャニーズのタレントの人たちはある意味被害者であって、加害者ではありません。彼らは日々研鑽を積んでやっている人。その機会を長きにわたって奪うというのは、それはそれで問題もあるかなと思う」とコメントしています。また、社名について、「どういう形が望ましいか、そんなにたくさん答えがあるわけではない。それを考えれば答えはおのずと出てくるのではないか」と語りました。

(西山准教授)
「欧米だと、児童虐待については非常に厳しいので、会社の存続も危うくなるくらいです。前回の記者会見のような『名前は変えない・株主構成も変わらない』というのは考えられません」

「ジャニーズ」を冠するグループ等

Q.グループ名だけでなく、舞台や関連会社にも「ジャニーズ」という名前がついているので、変えるとなると大変ですよね?
(長谷川氏)
「本当に大変だと思います。一番大変なのは、グループ名を変えることで、10月2日の発表までは日数がないので、急いで変えるのは酷だと思います」

Q.前回の会見と比べて、今回の取締役会の発表とみると、ジャニーズ事務所は変わって来たなと感じますね。
(長谷川氏)
「対応が早くなってきているなというのは、我々芸能リポーターも、日々問い合わせをする中で感じています。社名についても、『こういう社名にします』なのか『社名を変更することに決まりました』なのかまだわかりませんが、少しずつでも情報を出していく、変わって行くという方向性を示していくのはいいことだと思います」

「タレントの価値などの“無形資産”をどう見積もるか」ジュリー前社長の持つ株式の今後は…

株式の取り扱いについて(9月7日の会見時点)

 9月7日の会見で、藤島ジュリー前社長は株式の取り扱いについて、「今の時点では、私が100%の株を持っていることが補償についても非常に進めやすいと考えております。ただ、今後については同族経営が今回の問題であるというご指摘もいただいておりますので、どういうふうにしていくことが一番良いか、新経営体制の皆様とご相談しながら協議していきたいと思っています」と話していました。

Q.ジャニーズ事務所は株式を上場していませんが、株の譲渡は簡単にできるものなのでしょうか?
(西山准教授)
「そこは非常に難しいところです。不動産だけではなくタレントの価値などの“無形資産”をどう見積もるかということがありますが、今回の問題でその“無形資産”が毀損している部分があるので、そこをどう見るかということもあります。いずれにしても大きな額になりますので、引き取るとするとかなりの大手でないと難しいと思います」

Q.10月2日の発表に注目したいですね
(長谷川氏)
「日数が少ないので、どこまで具体的な話が出てくるのか、ということはありますが、少しずつでも進めてもらいたいし、所属タレントが仕事をしやすいように変わって行けばいいと思います」

(「情報ライブミヤネ屋」2023年9月20日放送)

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