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【独自解説】兄を見て俳優に…永山絢斗容疑者、衝撃の逮捕 半年にわたる捜査の内容は?今後のポイントは入手経路の解明
2023年6月20日 UP
俳優の永山絢斗容疑者が6月16日未明、東京・自由が丘の自宅マンションで乾燥大麻を所持していたとして逮捕されました。警察関係者への取材によると警視庁は半年近く内偵捜査を進めていたとみられます。永山容疑者が表舞台で活躍していたその裏で、どのような捜査が行われてきたのか?永山容疑者の周辺への影響は?専門家が解説します。
逮捕まで6か月 内偵調査の仕組みは?
6月15日夜、警視庁の捜査員が永山容疑者の自宅に家宅捜索に入り、任意で事情を聴きました。そして16日未明、ことし4月に自宅マンションで若干量の乾燥大麻を所持した疑いで永山容疑者は逮捕されました。その後、今回の家宅捜索で大麻が見つかり再逮捕されています。警視庁は、今後大麻の入手ルートなどを捜査する方針だということです。元麻薬取締部捜査第一課長 廣畑徹氏が解説します。
Q.薬物犯罪というと、「その場で現行犯逮捕」というのが一般的だとおもうのですが、ことし4月に所持をしていた疑いで、6月になって逮捕というようなことはよくあるのですか?
(元麻薬取締部捜査第一課長 廣畑徹氏)
「たまにあります。第三者から大麻などの証拠品を捜査機関に任意提出されるなどの、情報提供があったのだとおもいます」
捜査関係者によると、ことし1月ごろに警視庁に寄せられた情報提供があったということで、その後半年近く永山容疑者に対する内偵捜査が行われていたものとおもわれます。内偵捜査とは対象者に知られることなく行われる捜査のことです。内偵捜査はまず情報を入手した後、その情報の信憑性を確認します。そして内偵捜査が始まりますが、2・3日の場合もあれば、数か月に及ぶものもあるということです。その後、大麻があり本人が在宅しているタイミングで家宅捜索を行うということです。
Q.内偵捜査が始まるタイミングはどうなっているのでしょう?
(廣畑氏)
「情報提供があったとしても、相手を陥れる目的のものもあれば、正確なものもあります。警察は、正確な情報しか取り合いませんので、情報提供者に直接会って調書を作ってから内偵捜査を行います」
Q.内偵調査では、ごみまで調べることもあると聞きますが?
(廣畑氏)
「当然あります。乾燥大麻ですと、大麻の種や枝など使わない部分が捨てられます。ごみを調べて自宅からそれらが出たことが間違いないとなると、家の中に入る令状を取ることができます」
Q.情報提供から逮捕まで6か月もかかっていますが、この長さは一般的なのでしょうか?
(廣畑氏)
「他の事件と並行して捜査を行っていますし、今回は被疑者がロケなどで地方や海外に出かけていることも多い職業だったので、時間がかかったのだとおもいます」
永山絢斗容疑者とは
永山容疑者は、1989年東京生まれです。2007年、ドラマ「おじいさん先生 熱闘篇」(日本テレビ)でデビューしました。2010年には、映画「ソフトボーイ」に初主演し日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞しました。兄は俳優の永山瑛太さんです。芸能リポーター・城下尊之氏に詳しく聞いてみます。
Q.兄は俳優の永山瑛太さんということですが、兄弟の仲や本人の評判はどうなのですか?
(芸能リポーター 城下尊之氏)
「兄弟は三人いて、みんな仲が良いことで知られています。本人について、ある映画のプロデューサーによると、『悪いうわさは聞かない』ということで、『主演もできるが、2番手3番手の役でエッジのきいた演技をしてくれるので、使い勝手の良い役者だ』ということです。皆さんもご存知かとおもいますが、仕事も途切れず続いていますし、なかなかいい役者さんだなとおもってみていたので、今回の逮捕にはびっくりしました。」
俳優を目指すきっかけは、中学1年生の夏に兄・瑛太さん出演映画「青い春」を鑑賞したことだということで、容疑者本人は「『青い春』は衝撃的すぎて、何百回観たんだろうって本当に頭からケツまで同じタイミングでセリフも言えました」と語っています。そして兄・瑛太さんに芸能界入りを相談したということです。
Q. 瑛太さんを尊敬して、頼りにしていたんですね?
(城下氏)
「瑛太さんの関連で事務所にも入って、そこで次々に入ってきた仕事をして、評価されてさらに仕事が増えていきました」
逮捕時には、来年のNHK大河ドラマ「光る君へ」に出演予定となっていました。NHK広報局は「事実関係を確認したうえで適切に対応したい」とコメントしています。
Q.ドラマなどへの影響はどうなのでしょうか?
(城下氏)
「大河ドラマは、京都ロケから撮影がスタートしているのですが、ここに永山容疑者が参加していたかどうかは分かっていません。どちらにしろ、代役を探すことになるとおもいます。まだ撮影は始まったばかりなので、撮り直しがきくタイミングだとおもいます」
今後の捜査の行方
大麻取締法では、「使用」は対象外です。所持や栽培、譲り受け、譲り渡し、輸出入が対象となっています。また、強い常習性がある場合や営利目的の場合は量刑が重くなります。今回の容疑は所持ですので5年以下の懲役が科せられる罪になります。亀井正貴弁護士によると「今回は初犯なので、懲役1年・執行猶予3年になる可能性がある」ということです。今後の捜査のポイントは、入手経路の解明・共犯者の有無・使用歴だといいます。
Q.今後の捜査によっては量刑が変わっていくこともありますか?
(廣畑氏)
「大麻の量が1回分に満たないような場合は、起訴猶予もあるとおもいます」
Q.入手経路などの解明も大切ですよね?
(廣畑氏)
「スマートフォンの解析などからしっかりと調べないといけません」
(「情報ライブ ミヤネ屋」2023年6月16日放送)