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ソウル、バルセロナ五輪メダリスト 池谷幸雄さん

【独自解説】体操女子個人初のメダル・ゆか村上茉愛銅メダル 恩師・池谷氏だけが知る“メダルの秘密”

体操女子史上初の個人メダル

8月2日、体操女子の村上茉愛(まい)選手が、種目別ゆかで、見事、銅メダルを獲得!オリンピックで体操女子の個人種目で“史上初”の快挙です。体操女子のメダルは、1964年東京五輪の団体総合の銅メダル以来57年ぶりです。歴史を塗り替えた村上選手を幼少期から育て上げた恩師で、ソウルオリンピック、バルセロナオリンピックのメダリスト池谷幸雄(いけたに・ゆきお)さんがメダルの秘密を独自解説しました。

(ソウル、バルセロナ五輪メダリスト 池谷幸雄さん)
Q.「ミヤネ屋」でも村上茉愛さんをずっと取材してきましたが、ついにやりましたね!
「やっと、やってくれましたね。長い道のりでしたけど、だいぶ長い時間お待たせしましたが、ついにやってくれました」
Q.歴史の扉を開きましたね?
「オリンピックで女子がメダルを取るのが本当に難しかったので、その第一歩を開けてくれたなということで、これから日本の体操女子がますます楽しみですね」

女子体操57年ぶりのメダル

歴史的快挙に池谷氏も歓喜

(村上茉愛選手)
「きのうは演技が終わって部屋に戻るまでに、たくさんの方に すごい連絡をいただいて、幸せな夜を過ごせたと思っています。きょうの1日が終わってほしくないなって思うぐらい、きのうはすごい本当に幸せな1日でした」

(実況)
「村上茉愛やりました銅メダルです。日本女子体操57年ぶりのオリンピックメダル、村上茉愛が掴み取りました」

歴史の扉をこじ開けました!

(池谷幸雄さん)
「やりました(拍手)茉愛ちゃん銅メダル」

恩師も、その歴史的快挙を見守りました。

(村上茉愛選手)
「これ以上の出来はないっていうぐらい、 すごく良い試合が出来た」

(池谷幸雄さん)
Q.右ひじのケガは全く影響を感じさせなかったですね?
「やるしかないんで。痛みとか影響はあったと思う。個人総合の時に『けっこう傷めちゃいました』と連絡が来た。すごく心配はしてたけれども、個人総合でも出来ていたので、“ゆか”でも大丈夫だなと」

4歳から競技人生スタート

4歳から池谷幸雄さんの体操教室で競技人生をスタートさせた村上選手。当時のことについて…

(池谷幸雄さん)
「(村上選手は)小っちゃいんですけど筋力がものすごくあって、柔軟性もあったんですけども、やはり体の動きはもうバツグンでしたから。小学校の高学年ぐらいになってくると、大人顔負けの技がどんどん出来るようになっていましたから。この子は日本代表になれるなと思って育てていたんで」

村上選手が13歳で全国大会に出場したときには、当時からバツグンの体操センスを持っていて、見事、個人と団体で優勝しました!

村上選手のそばには、いつも池谷さんの姿があった…。

(村上茉愛選手)
「はいチーズ」

当時、高校2年生、17歳の村上選手を「ミヤネ屋」は取材していました。

(中山リポーター)「何センチですか?」
(村上茉愛選手(当時17))「いま146センチです」
(中山リポーター)「好きなタレントは?」
(村上茉愛選手)「宮根さん」
(中山リポーター)「空気 読むね。もう1回 大きな声でカメラに向かって」
(村上茉愛選手)「宮根さんです」「恥ずかしい」
(中山リポーター)「本当は誰ですか?」
(村上茉愛選手)「嵐が大好き」

初めてのオリンピック

この取材から3年後、初めて挑んだリオ・オリンピック。
(実況)「バランスを崩しました 減点になってしまいます」
結果、種目別ゆかは7位、個人総合では14位。そして、団体総合ではあと一歩メダルに届きませんでした。

(村上茉愛選手(当時20))
「やっぱりオリンピックで1つでもいいから、メダルを取りたいっていうのが、いま、きょうの演技を終わって気持ちが出て来たので、悔いのないように次のオリンピックでもメダルを取れるように、またこの4年間みっちり練習していきたいなと思っています」

東京オリンピックでメダルを…。その思いを胸に挑んだ翌年の世界選手権。種目別ゆかで、偉業を達成した!

(実況)
「いいですね ここもしっかりまとめてきた。緊張感のある演技で素晴らしい演技を見せた
ガッツポーズ村上茉愛」

日本体操女子、63年ぶりの世界選手権金メダル!

(村上茉愛選手(当時21))
「やっと1位をとれたので、東京(五輪)に向けて、すごい第一歩の良い経験になったと思います」

さらに、彼女の勢いは止まらず! 2018年、世界選手権の個人総合では日本女子初となる銀メダルを獲得しました。

リオでの悔しさをバネに世界と戦える力をつけた村上選手。ところが、2019年、まさかの事態が彼女を襲いました…。

持病の腰痛が悪化…。世界選手権の代表選考会を棄権。日本代表入りが消滅しました。

(村上茉愛選手)
「本当だったら歩けてないくらい痛かった。自分で洋服も着られず普通のことが何もできなかった。みんなが体操しているところも、あんまり見たくないなと思った」

しかし、彼女は諦めてはいなかったのです。

(村上茉愛選手)
「きょうは車輪を1周できるように頑張ろうとか、たったそれだけだけど 一日一日考えながらやっていたら、自然とできるようになってきました」

再び、イチから体操と向き合った村上選手。これまで積み上げてきた体操人生を東京オリンピックにぶつけたい。こうした思いを胸に、ことし5月に行われた東京オリンピックの代表選考会では見事優勝!どん底から復活しました。

いざ、東京オリンピックへ

そして、迎えた東京オリンピック。

エースとして日本を引っ張ってきた村上選手。団体では5位入賞。また、個人総合でも5位と大健闘!

(村上茉愛選手)
「どんな結果でも やっぱり本来の自分の演技をしないと、やっぱり後悔が残ると思うので 、もう、その1回の演技を楽しんで、100%メダルを狙いに行ける演技をして、勝ちに行きたいなと思います」

そして8月2日、今大会の集大成となる種目別ゆかの決勝へ…

(池谷幸雄さん)
Q.最初の演技者の方々が高得点だったので、どうかなーと思っていましたが
「2人目のアメリカの選手がめちゃくちゃいい演技で、あ、これ金メダルだと思ったんですよ。凄い技を入れて完璧な演技だったので、これには勝てないなと思ったら、次の選手、次の選手、どんどん完璧な演技をしていたので、茉愛(まい)選手は本当にちゃんとやらないと、と思った。予選、団体決勝、個人総合で3回やっているんですが、3回の演技よりもさらにもっともっと上に行かないと絶対メダル無いなと思っていたので、すごく不安だったんですよ」

(池谷幸雄さん)
「さぁ(村上)茉愛ちゃん頑張っていこう」
恩師・池谷さんもテレビの前で愛弟子を応援!

テレビで見守る池谷氏

(実況)
「いよいよ始まります 村上茉愛種目別ゆか決勝の演技です」

(池谷幸雄さん)
Q.床が跳ねるんですよね?
「台の上にセッティングしている床が跳ねるんです。蹴るのも跳ねるし、着地も跳ねる。そこが難しい。3回目にして着地が床にあったと思います。今回、もう一つポイントがあって、演技をする時に足を挙げて3回ターンするのですが、予選と団体の決勝は足が横に外れた。昨日はちゃんと回れた」

(池谷幸雄さん)
「着地止めろ、止めろ オシ(パチパチ)いいよ」

空中で2回ひねるH難度の大技「シリバス」を決めました。

(ソウル、バルセロナ五輪メダリスト 池谷幸雄さん)
Q.H難度の「シリバス」はすごい
「2回縦に回っている時に、横に2回ひねっています。これは着地が、ほぼばっちり決まりました。これはほとんど減点なしですね」

さらに…難度の高い技を次々と成功。笑顔が溢れました。

村上選手のスコア

(池谷幸雄さん)
「頑張れ(手を合わす)」

そして…

(実況)
「村上が村上らしく弾むような素晴らしい演技を見せました。村上茉愛やりました銅メダルです。日本女子体操57年ぶりのオリンピックメダル。村上茉愛が掴み取りました」

(池谷幸雄さん)
「やりました(拍手)茉愛ちゃん銅メダル」

池谷さんが勝利のポイントとして指摘したのは、着地を止められたことと、熟練したH難度「シリバス」を決めたことです。

試合後のインタビュー

(村上茉愛選手)
「リオのゆかで悔しい思いをして、次のオリンピックでメダルを取りたいって思ったので
その夢を叶えるために練習してきたので、それが叶うことができて本当にきょうは良かったなと思ってます」

(池谷幸雄さん)
「上位の選手がすごい良い演技をしてたんで、本当にちゃんとしっかりやらないと、絶対にメダルは取れないっていう(涙ぐむ)本当に…ね、良かったし、プレッシャーがあったと思うんですよね。日本の体操がオリンピックでメダルを取れるんだっていうことを証明してくれたわけで。そういうスゴイことを(村上)茉愛がやってくれたなっていうのは本当うれしいですね」

歴史的快挙から一夜。オリンピックメダリストとなった いまの思いを語りました。

(村上茉愛選手)
「今まで世界選手権で2度メダルを獲得してますけど、本当にメダリストって心から自信を持って言えるのは、このオリンピックでメダルを取ることだなって 。この5年間で思っていたので本当に取ることが出来て、胸を張って私はゆかで銅メダルを取ったメダリストって言えると思っています」

(情報ライブミヤネ屋 8月3日放送)

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