『湖の女たち』(吉田修一、新潮文庫:2023、8、1第1刷・2024、4、20第6刷)

2024 . 6 . 7

2024_059

 

 

映画を見たので、原作も読んでみようと。舞台は滋賀県「琵琶湖」です。

うーん、吉田修一さん、「悪人」に通じる「暗さ」と「深さ」、「人間の業(ごう)」のようなものを感じるなあ。好きか?と言うと、決して好きではない。近づくと引きずり込まれそうで・・・。

この本では、一貫して「すいません」と書いて「すみません」とは書いていないなあ。

そして「湖」が、時代と国・場所を超えて、タイトルにもなっているように“一つの象徴”として描かれている。美しくもあり、しかし「海」や「川」のように流れては行かずに、淀み、溜まる「湖」。それが大きければ大きいほど、いろんなものが溜まっていく…。そういうイメージなのかな。「命の水」をたたえる「湖」。「水」は人間が生きて行く中で必須のものだが。

それにしても最近、映画や小説でで「琵琶湖」を舞台にしたものが続く気がする。「翔んで埼玉~琵琶湖より愛を込めて」や「成瀬は天下を取りに行く」など。

今、「琵琶湖」が熱い!!

 

 

(2024、5、30読了)