9年前(2015年)に書いた、
「平成ことば事情5797 シアン化合物と青酸化合物」
「平成ことば事情5802 シアン化合物と青酸化合物2」
の関連です。
大阪公立大学で、
「青酸ソーダ(シアン化ナトリウム)」
などを紛失する事案があり、この大学の卒業生が窃盗の疑いで逮捕されました。その、
「盗まれた物」
の表記ですが、
「青酸ソーダ」か?「シアン化ナトリウム」か?
「青酸カリ」か?「シアン化カリウム」か?
という問題。
大学側が紛失を発表した当初、テレビは、まず「通称」である、
「青酸ソーダ」「青酸カリ」
を出してから、「正式な名前」である、
「シアン化ナトリウム」「シアン化カリウム」
を併記して、2回目からは「通称」の「青酸ソーダ」「青酸カリ」だけにして、テロップも「通称」だけを使っているところが多かったようです。
容疑者逮捕を受けて、5月29日のお昼のニュースを見ていたら、
(読売テレビ)青酸ソーダ(テロップと読み)
(朝日放送) 青酸ソーダ(テロップと読み)
(関西テレビ)青酸ソーダ(テロップと読み)、容疑者の供述内容で「青酸カリを捨てた」
でした。
そして5月29日に夕刊各紙は、
<見出し> <本文>
(読売)青酸ソーダ 青酸ソーダ(シアン化ナトリウム)
(朝日)青酸窃盗 シアン化ナトリウム(青酸ソーダ)
(毎日)青酸ソーダ シアン化ナトリウム(青酸ソーダ)
(産経)青酸ソーダ シアン化ナトリウム(青酸ソーダ)
(日経)毒物窃盗 青酸カリ(シアン化カリウム)、青酸ソーダ(シアン化ナトリウム)
でした。
(2024、5、29)
(追記)
当時のメモが出て来たので残しておきます。
*「2015年8月20日」のメモによると、
グーグル検索では(2015年8月17日)
・「シアン化合物」=16万0000件・・・朝日新聞、時事通信
・「シアン化物」 =12万1000件・・・AFP=時事、ブリタニカ国際大百科事典
*2016年10月3日にはこんなメモも。
「シアン化合物と青酸化合物は同じだと思いますが、シアン化合物だとそれほど毒性を感じないが、青酸化合物というと、すっごく危ない感じがします。」
(2024、7、18)