テレビのコマーシャルを見ていたら「台所洗剤」の宣伝で、
「食洗器にかける前に『ヨアライ』しなくちゃいけないし」
というように、「ヨアライ」という言葉が出て来ました。多分、
「予洗い」
だと思います。そして次は「洗濯洗剤」のCМで、今度は「マエアライ」という言葉が出てきました。これは間違いなく。
「前洗い」
ですよね。この「予洗い」と「前洗い」はともに、
「食器や洗濯物を、食洗器や洗濯機に入れる前に、あらかじめ汚れの酷い箇所などを軽く洗っておくこと。」
を意味すると思われます。ではどのように「使い分け」がされているのでしょうか?
「広辞苑」「明鏡国語辞典」「新明解国語辞典」「デジタル大辞泉」「精選版日本国語大辞典」という5種類の国語辞典を引きましたが、どちらの言葉も載っていませんでした。
そこで新しい言葉を一早く取り入れることで知られる「三省堂国語辞典・第八版」を引いてみましょう!勝負だ!
すると、
*「よあらい(予洗い)」→よせん(予洗)
と、「空見出し」ながら載っていました!さすが!
そして「よせん」を引くと、
「よせん(予洗)」=したあらい。予あらい。
とありました。そうか、
「下洗い」
なら、なじみのある言葉ですよね!「前洗い」は載っていませんでした。
そうか、「下洗い」なら、他の辞書にも載っているかな?引いてみたら、
「広辞苑」「新明解国語辞典」「デジタル大辞泉」「精選版日本国語大辞典」には載っていました。(「明鏡国語辞典」にはどちらも載っていませんでした)また、「予洗(よせん)」という言葉も「広辞苑」「新明解国語辞典」「精選版日本国語大辞典」には載っていました。
思うに「予洗」という言葉は「予選」と同音で分かりにくいのでそれを忌避して、
「予洗い」
になったのではないか?もしくは「予洗」の「洗」だけ、わかりやすく「訓読み」にして「あらい」にしたのかもしれません。
疑問は、もともとあった「下洗い」という言葉は、どこへ行ったのか?ということです。
「下洗い」の「下」は、「下調べ」「下準備」「下処理」と同じで、
「事前の」「前段階での予備的な」
という意味でしょうけれど「明鏡国語辞典」の「下」には、そういった意味は載っていません。これは載せるべきだはないでしょうかね?


