9102「せざるをおえない」

2023 . 9 . 7

9102

 

 

「せざるを得ない」

という言葉を、

「せざるをおえない」

という人がいます。「を」で、ちょっとゆっくりして「お」を言い直しているような感じです。話し言葉ならまあ「許容」でも、これを文字で、「せざるをおえない」と書くと、

「完全に間違い」

ですよね。

「なんで、そんな間違いをするのかな」

と、私はずっと思っていましたが、先日、

「もしかして、これが原因では…」

と思うことがありました。それは、たしか「岡山方言」に、

「おえん」

という言葉があるので、それとの「混交表現」で、

「せざるを+おえん」

だと思っている人がいるのではないか?と。調べてみたら、

「ダメだ」

という意味。つまり、「せえざるをおえん」「せざるおえん」は、

「しないとだめだ」

となって、「せざるを得ない」と同じ意味になるのかも。あ、そうだ「関西弁」でも「ない」の代わりに否定の「ん」を使って、

「せざるを得ん」

と言うと、耳で聞いた感じは、

「せざる・おえん」(セ/ザ\ルオエ/ン)

になって、この「おえん」を、

「終えん」

だと思った人もいて、

「せざる終えん」=「しないと終わらない」

という感じだと思っているのかも。(「セ/ザ\ルオ・エ\ン」だけど)

そういう人が「助詞」を入れると、

「せざるを終えん」

と「をお」になるのかもしれませんね(全部、推測)。

また、きょうは、

「出さざる負えない」

と書いている人がいました。これは、

「出さないと負けてしまう」

という感じでしょうか?そういう感覚で捉えている人もいるのですかね。

とにかく、この言葉を間違う理由は、いくつかありそうです。

 

(2023、9、6)