「せざるを得ない」
という言葉を、
「せざるをおえない」
という人がいます。「を」で、ちょっとゆっくりして「お」を言い直しているような感じです。話し言葉ならまあ「許容」でも、これを文字で、「せざるをおえない」と書くと、
「完全に間違い」
ですよね。
「なんで、そんな間違いをするのかな」
と、私はずっと思っていましたが、先日、
「もしかして、これが原因では…」
と思うことがありました。それは、たしか「岡山方言」に、
「おえん」
という言葉があるので、それとの「混交表現」で、
「せざるを+おえん」
だと思っている人がいるのではないか?と。調べてみたら、
「ダメだ」
という意味。つまり、「せえざるをおえん」「せざるおえん」は、
「しないとだめだ」
となって、「せざるを得ない」と同じ意味になるのかも。あ、そうだ「関西弁」でも「ない」の代わりに否定の「ん」を使って、
「せざるを得ん」
と言うと、耳で聞いた感じは、
「せざる・おえん」(セ/ザ\ルオエ/ン)
になって、この「おえん」を、
「終えん」
だと思った人もいて、
「せざる終えん」=「しないと終わらない」
という感じだと思っているのかも。(「セ/ザ\ルオ・エ\ン」だけど)
そういう人が「助詞」を入れると、
「せざるを終えん」
と「をお」になるのかもしれませんね(全部、推測)。
また、きょうは、
「出さざる負えない」
と書いている人がいました。これは、
「出さないと負けてしまう」
という感じでしょうか?そういう感覚で捉えている人もいるのですかね。
とにかく、この言葉を間違う理由は、いくつかありそうです。
(2023、9、6)