帯には、
「1ドル=200円になる!」
と赤い文字。最近出たものではない。
「7年前」
に出たものである。ある意味「予言の書」か。寝かせて置いたら、そうなった。
アベノミクスの好景気に世の中が浮かれていた頃、
「フェイクの好景気のツケを払う時が来る」
と書かれていたように思う。
国際経済の本質は「円」ではなく「ドル」で揺るぎない、という話。
私達が子ども時代は「1ドル=360円」の固定相場で、海外なんか夢のまた夢だったが「ニクソンショック」で金とドルの兌換を止めて、一時「1ドル=308円」のスミソニアン体制を経て変動相場制になり、それでも「1ドル=180円~260円」ぐらいの間で動いている時代に大人に、社会人となった。初めて海外旅行に行ったのは1982年、20歳の時。その頃は「1ドル=260円」ぐらいだった、ハンバーガーが「2ドル」で、当時としては「500円以上」したので、大きくておいしかったが、
「大体『1ドル=100円ぐらい』が相応だよな」
と思ったのを覚えている。
その後「プラザ合意」を経て円高となり、「1ドル=130円ぐらい」。「1ドル=108円」になった時に、
「これはもう、すごい円高だ!今のうちにドルを買おう」
と思って「トラベラーズチェック」で「10万円分のドル」を買ったのを覚えている。「ドル預金」のような感じ。次の旅行で使おうと思って。
ところがその後、さらに円高になり、ついに「1ドル=80円」を切る(70円台)にまでなって、結局「損」をした。「トラベラーズチェック」そのものが、なくなってしまった。
そういった「円安・円高」を繰り返して来た流れが、走馬灯のように思い浮かぶのだが、著者によると、
「もう、そういった循環はない」
という。
アメリカが利上げをしても、日本は金利を上げられない。上げると国債が暴落するからだ。その間に円安・ドル高はさらに進む。金融政策の打つ手が、もう日本銀行・政府には残されていないのか。


