みかんや桃の缶詰に詰まっている「甘い汁」のことを、皆さんは何と言いますか?
そうですね、
「シロップ」
ですよね。ところがこれを、
「シラップ」
ということがあるというのです。
実は「シロップ」というのは、
「オランダ語読み」
で、「英語」では、
「シラップ」
のほうが発音が近く、「JAS(日本農林規格)」では、
「シラップ」
になっているのだそうです。いやあ知らなかったなあ・・・「シラップ」というのは初めて目にし、耳にしました。一般的に放送では、
「シロップ」
でいいのではないでしょうかね。もし「シラップ」を使うならば「固有名詞的な扱い」になるのでしょうか。
辞書を引いてみたら、
『広辞苑』は空見出しで「シラップ(syrup 英語)」があり、「シロップ(siroop オランダ語)」を見ると語釈の中に「濃厚な砂糖溶液。単舎利別(たんシャリベツ)。シラップ。砂糖蜜」とありました。
「シラップ」もさることながら、
「単舎利別」!?
これも引いてみたら、
「シャリベツ【舎利別】(sirupus ラテン語)=白糖の濃厚溶液。シロップ。」
とありました。
『精選版日本国語大辞典』『現代国語例解辞典』『三省堂現代新国語辞典』『NHK日本語発音アクセント新辞典』には「シロップ」しか載っていません。
『新選国語辞典』も「シロップ」のみですが、「医薬用のものは単シロップという」とありました。これは「単舎利別」と同じでしょうか?
『新明解国語辞典』『岩波国語辞典』『大辞林』も見出しは「シロップ」だけですが、語釈の中に「シラップとも」とあり、『新明解』は「シャリベツ」も、カタカナだけで載っていました。
グーグル検索では(3月25日)
「シロップ・砂糖水」 =14万3000件
「シラップ・砂糖水」 = 7350件
「シャリベツ・砂糖水」= 4件
「舎利別・砂糖水」 = 5370件
でした。「シラップ」の20倍、「シロップ」が使われているようですね。
それにしても「シラップ」という読み方は「シラップ」なかったなあ。



(追記)
10月3日付の「毎日新聞・夕刊」に「シラップ」が載っていました。「1939年」の広告だそうです。「右→左」に読むのですね。
(2022、10、4)