8255「閉口の使い方」

2021 . 11 . 18

8255

 

10月26日12:44に配信されたネットの「東スポ」の記事を見ていたら、こんな見出しがついていました。

「眞子さまと佳子さま“惜別のハグ”にアンチも閉口『妹が最大の理解者だった』」

ああ、結婚会見のために秋篠宮邸を出る前、佳子さまが姉の眞子さまに抱きついたシーンですね。あれは感動的でしたよね。なぜ、それに

「アンチも閉口」

なのだろう?と思って記事を読むと、こう書かれていました。

「姉妹の惜別のハグにネット上も『ジーンときた』『幸せになって欲しい』と大反響。この時ばかりアンチも閉口するしかない。」

へ?「閉口する」って、

「口を閉ざす」「グーの音も出ない」

という意味なの?私はてっきり、

「あきれた行為に困ってしまって辟易(へきえき)とする」

ことを「閉口する」だと思っていました。辞書を引いてみました。

『明鏡国語辞典・第3版』には、

*「閉口」=どうにもならなくて困ること。手におえないこと。(例)彼のしつこさには閉口する。

とありました。そうですよね!『三省堂国語辞典・第7版』も、

*「閉口」=(口をとじて何も言わない)すっかり困ること。まいること。(例)暑さに閉口した。

そういうことですよね!!

ところが!『広辞苑・第8版』には、3つも意味が載っていました。

*「閉口」=(1)口を閉じて、ものを言わないこと。(2)言い負かされたり圧倒されたりして、返答につまること。屈服すること。(3)相手の出方やその時の状況などのために、手の打ちようもなく困らされること。どうにも参ること。(例)「一カ月の断水には閉口した」「彼には閉口だ」

『広辞苑』は古い意味から載せるので、ここでは(3)が「現代的な使い方」と言っていいでしょう。「東スポ」の使い方は(2)かもしれませんが、現代的な意味とは言えないのではないでしょうか?私はこの「閉口」の使い方には「閉口」しました。

 

(2021、11、18)