8206「『余震』は使わない」

2021 . 10 . 14

8206

10月7日の午後10時41分、千葉県を震源とする地震があり、東京では東日本大震災以来10年ぶりに「震度5強」を記録、交通機関などにも大きな影響が出ました。

こういった大きな地震があった時には、これまでだと、

「余震にお気を付けください」

というコメントが出ていましたが、今回はありませんでした。

というのは、2016年4月に起きた2度の「熊本地震」が、4月14日夜の「1回目の地震」が、

「マグニチュード6、5・震度7」

だったのですが、16日未明の「2回目の地震」のほうが、

「マグニチュード7、3・震度7」

と大きかったことを受け、気象庁は、

「『余震』という言葉を、今後使わない」

ことにしたのです。「余震に注意」と聞くと、どうしても、

「今後はもう、これより大きな地震は起きないだろう」

という自信を持ってしまう(思い込んでしまう)からです。

熊本地震は、

「1回目が『前震』、2回目が『本震』」

と言われましたが、それは「2回目の地震の後の話」で、「1回目の地震」の時に、

「これは『前震』だ」

と分かる人は、誰もいません。「本震」が起こって初めて、

「あれは『前震』だったのか」

と分かるわけで、

「後付けの理屈」

のような感じです。

というわけで、今回の関東での地震では、

「今後1週間程度は『同じ規模の地震』『同程度の地震』が起きる恐れ」

という表現をしていました。

×「今後の余震」→〇「今後の地震」

(2021、10、14)