逃げていた千葉の「ミナミジサイチョウ」の捕獲作戦が展開されたときに、「ミヤネ屋」で中継をしました。その際に、プロの「バードウオッチャー」として、
「♪鳥くん」
にご出演いただきました。
それですごく反響があったそうで、きょう(6月11日)も「♪鳥くんはどんな人?」と紹介しました。その中の「禁断の質問」として、
「♪鳥くんは、鶏肉を食べるのか?」
という質問がありました。
「大好き」
だそうです。
「からあげ」
も食べるそうです。その「からあげ」の表記ですが、現在の『新聞用語集2007年版』では、
「空揚げ」
になっているのですが、世の中は、
「唐揚げ」
が圧倒的ですよね。これに関しては20年前(!)の「2001年」に、
「平成ことば事情304唐揚げと空揚げ」
に書きました。
20年という歳月は長いもので、実は来年(2022年)3月刊行予定の『新聞用語集』の改訂版では、
「唐揚げ」
を認めることになっているのです。
読売新聞や朝日新聞、共同通信なども「唐揚げ」をすでに認めています。(朝日と共同は「から揚げ」も可)
そこで、きょう(6月11日)の「ミヤネ屋」も「先取り」して、
「唐揚げ」
でOKにしました。
ちなみに「2008年=13年前」の「ミヤネ屋」にも「唐揚げか?空揚げか?」問題が出てきていたようです。その際は、「読売新聞の用語集」(2008年版)でも、まだ、
「空揚げ」
の表記しか認めていなかったので、テロップは、
「空揚げ」
にしたところ、スタッフから、
「道浦さん、『から揚げ』の『から』は『空』なんですか!?『唐』じゃないんですか?」
と質問が来たので、
「一般のお店では『唐揚げ』も多いけど、用語集などでは『空揚げ』になっているんあだよね。衣を着けないで揚げるから『から=空』なんだよね」
と答えたらと、
「そうなんですか・・・でもそれだと『からあげ』っぽくないんで『から揚げ』にします!」
ということで、
「から揚げ」
というテロップにしていました。やはり時代とともに、言葉は変わるのですねえ。
なお、今回、国語辞典での表記も調べてみました。
【見出し】 【本文】
デジタル大辞泉(電子辞書) 空揚げ 「唐揚げ」の字をあてることもある
精選版日本国語大辞典(2006) 空揚げ 「唐揚げ」と書くことも多い
新選国語辞典(9版・2011) 空揚げ(唐揚)
三省堂国語辞典(7版・2014) 唐揚げ・空揚げ
現代国語例解辞典(5版・2016) から揚げ(空揚げ・唐揚げ)
~本辞典の前の版は、見出し語を「空揚げ」にして「中華風のものには『唐揚』を当てる」と注記を付けていたが、コーパススでも「唐揚げ」が過半数を占め、「空揚げ」はわずか6%。ちなみに『日本唐揚協会』では「唐揚げ」表記で統一している
広辞苑(7版・2018) 空揚げ 唐揚げとも
岩波国語辞典(8版・2019) 空揚げ・唐揚げ
大辞林(4版・2019) 空揚(げ)・唐揚(げ)
三省堂現代新国語辞典(6版・2019)唐揚げ・空揚げ
新明解国語辞典(8版・2020) 空揚げ・唐揚げ
明鏡国語辞典(3版・2021) 唐揚げ(空揚げ)
ということでした。


