忌々しいことに、すっかり定着してしまった、
「コロナ禍」
という言葉ですが、最近、新聞などでは、
「コロナ下」
という言葉も目にします。どちらも声に出して読めば、
「ころなか」
です。「コロナ禍」は、
「新型コロナウイルスの流行による禍(わざわい)」
という意味ですよね。
一方「コロナ下」のほうは、「炎天下」「戦時下」のように、
「○○の状況下」
という意味です。つまり、
「新型コロナウイルスの流行による禍の下(もと)」
という意味で、本来は、
「コロナ禍下」
になります。しかしこれは読んでみると、
「ころなかか」
と「か」が2回続いて、何か変な感じです。では、同じ意味の、
「コロナ禍の中」
と言えばいいのですが(実際、そういう原稿も出て来ます)、これも読んでみると、
「ころなかのなか」
というように「なか」が2回続くので、これまた変な感じになります。そこでもう全部、
「コロナ禍」
で済ます傾向がありますが、明らかに意味が違うという場合、新聞では、
「コロナ下」
を使っています。これはテレビのテロップでは、あまり目にしません。
先日「ミヤネ屋」のテロップで「コロナ下」を使ったところ、視聴者センターに、
「『コロナ禍』ではないのか?」
という問い合わせが入ったそうですが、実は意味を考えて使い分けていたのです。
わかってほしいです・・・。
(2021、5、25)