7714「昭和的・アナログ的」

2020 . 9 . 30

7714

 

ふと思いました。

「ちょっと、時代遅れ、古い」

という意味での、

「昭和的」

という言葉は、恐らく「昭和の時代」にはなかった言葉だろうと。この意味での、

「平成的」

という言葉は、まだありません。

また、「昭和の時代」に、

「大正的」

という言葉はなかったのではないでしょうか。「戦後」(太平洋戦争後)には、

「戦前的」

という言葉はあったし、

「明治的」

という言葉もあったと記憶しています。「時代遅れ」の意味での、

「平成的」

は、いつ生まれるのでしょうか?

俳人の中村草田男が、

「降る雪や 明治は遠く なりにけり」

と詠んだのは、

「昭和6年(1931年)」

で、これは「明治時代」が幕を閉じてから「20年後」だったことは、拙著、

『スープのさめない距離~辞書に載らない言葉57』(小学館)

に書きましたが、やはり、そのぐらいの期間が掛かるのでしょうか?もっとかな。

「元号」を1つ挟むぐらいかかるのかもしれません。

「前の前の元号」

になった時に、

「『平成的』が『時代遅れ』の意味で使われるのか?」

だから「平成」が終わって「令和」の時代になったので、「昭和的」を最近よく耳にする気がするのかもしれません。

ところで、同じように「時代遅れ」の意味で使われる、

「アナログ的」「アナログな人間」

という言葉・表現は、いつ生まれたのでしょうか?反対語である、

「デジタル」

が出る前から、この表現はあったのではないでしょうか?

「アナクロ(ニズム)」

という言葉もありますが、これを、

「アナログ」

と取り間違えていたのかもしれませんね。

 

(2020、9、30)