Top

『道浦TIME』

新・ことば事情

7381「『パンデミック』のアクセント3」

令和ことば事情7356「『パンデミック』のアクセント」と

令和ことば事情7380「『パンデミック』のアクセント2」の続報です。

気になっていた「パンデミック」のアクセントに似ているものに気付きました。

「インターバル」

「パラグアイ」

「ラムズフェルド」

これらの5拍あるいは6拍の外来語は「中高アクセント」と「頭高アクセント」のどちらか悩む言葉ではないでしょうか?(「平成ことば事情1139ラムズフェルドのアクセント」「平成ことば事情4036パラグアイのアクセント」「平成ことば事情6836パラグアイのアクセント」もお読みください)

そう思って、ここで初めて「載っていないだろうな」と思いながらも、「載っていないことを確認するため」に「NHK日本語発音アクセント辞典」で「パンデミック」を引いたところ、何と載っていました!

「パ/ンデ\ミック」「パ/ンデミッ\ク」

という2種類の「中高アクセント」が載っていて、「頭高アクセント」は載っていませんでした。

きょう(3月12日)ニュースを見ていたら、「パンデミック」のアクセントは、日本テレビ「ストレイトニュース」の藤田大介アナウンサーは、

「パ/ンデ\ミック」

という「中高アクセント」でしたが、VTRに出て来たWHO(世界保健機関)のテドロス事務総長の英語では、

「パ\ンデミック」

と「パ」にアクセントがありました。日本語で言うならば「頭高アクセント」ですね。

テレビ朝日のお昼のニュースの野村真季アナウンサーは、

「パ/ンデミッ\ク」

という「ミッ」のところまで高く言う「中高アクセント」でした。

NHKお昼のニュースの三條雅幸アナウンサーは、3月10日と同じく、

「パ/ンデ\ミック」(中高アクセント)

でした。

夕方の日本テレビ「news every.」の中島芽生アナウンサーは、テレビ朝日の野村真季アナウンサーと同じ、

「パ/ンデミッ\ク」

という「ミッ」のところまで高く言う「中高アクセント」でした。

NHK夜7時のニュースの高井正智アナウンサーは、最初、

「パ/ンデ\ミック」(中高アクセント)

でした。つまりここまで、きょう私が耳にした日本人アナウンサーでは、

「パ\ンデミック」

という「頭高アクセント」で読んだ人はいなかったと・・・思ったら、その高井アナウンサーが、

「パ\ンデミック」

と「頭高アクセント」で読んだぞ!そしてその後にすぐ、WHOのテドロス事務局長が、

(3月10日に「エ\ピデミック」と「エ」にアクセントを置く「頭高アクセント」で言ったのと同じアクセントで)

「パ\ンデミック」

と言いましたが、高井アナウンサーはその後の2回はまた、

「パ/ンデ\ミック」(中高アクセント)

で読みました。

また、きょう(3月12日)の夕刊各紙の「パンデミック」の説明文は、

(読売)パンデミック(感染症の世界的な大流行)

(朝日)世界的な流行を意味する「パンデミック」

(毎日)世界的な大流行を意味する「パンデミック」

(産経)パンデミック(世界的な大流行)

(日経)パンデミック(世界的な大流行)

と、おとといの夕刊と微妙に違っていました。

(2020、3、12)

2020年3月12日 19:44