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『道浦TIME』

新・ことば事情

7357「反省伝わらぬ自分を反省」

小泉環境相が、2月16日に開かれた「新型コロナウイルス感染症対策本部」の会合に出ずに「地元後援会の新年会」に出ていた問題で、きのう(2月20日)、立憲民主党の本多平直議員が、

「(小泉氏は)『反省をしている』と言うが、本当に悪いと思っている謝り方なのか」

と、謝罪するよう求めたことに対して、こんなコメントを出しました。

「『反省をしているとは言っているけれど、反省の色が見えない』というのは、まさに私の問題だ。なかなか反省が伝わらない自分に対しても反省をしたい」

これを聞いて、

「ああ、この人は、まさに小泉純一郎元・首相の息子さんなんだな」

と思いました。

16年前の2004年11月、小泉純一郎首相(当時)が、イラク戦争に際しての自衛隊派遣に関して、

「自衛隊を派遣する地域は、非戦闘地域に限る」

との発言を再三再四、繰り返したにもかかわらず、党首討論で、

「『非戦闘地域』がどこなのか、1か所でも言ってほしい」

と問われると、

「どこが『戦闘地域』でどこが『非戦闘地域』か今私に聞かれたって分かるわけがない」

と無責任にとぼけた後、さらに「非戦闘地域の定義」について問われると、

「法律上は、自衛隊の活動している所は『非戦闘地域』」

と答え、周囲を唖然とさせたことを思い出しました。

「自衛隊は『戦闘地域』には派遣しない」「だから自衛隊の行く所は『非戦闘地域』」

というのは、論理学で言うところの、

「トートロジー」=「堂々巡り」

で、明らかに「詭弁」です。こう答えたときに小泉首相(当時)がニヤニヤしていたのも、大変不愉快でした。息子・進次郎環境相の今回の「反省」発言を聞いて、「父の詭弁」を思い出しました。

「反省したい」

と言った進次郎大臣。しかし、

「その『反省』は、伝わらない」

と思います。それは、

「形だけ」「本気ではない」

からです。「言葉遊び」に終始して、「言い訳」をしているだけです。本当の意味で反省していたら、

「もっとシンプルな謝罪の言葉」

が出てくるはずだと思います。

きっと同じことが起きたらまた、

「後援会の宴会に出る」

ことでしょう。なぜならば、

「新型コロナウイルスの会合に私が出ても出なくても同じだけど(役に立たないから)、後援会の会合に出れば『票』につながり次の(自分の)選挙の役に立つ」

からです。ここ何年も、そんな政治家ばかりが政治の中枢にいると感じているのは、私だけではないはずです。

昔、サルが壁に手を突いて「反省」と言うコマーシャルが流行り、それを受けてこんな言葉も流行りました。

「反省だけなら、サルでもできる」

なお、小泉氏と同様に欠席していた森雅子法相、萩生田光一文部科学相も「国民への謝罪」はしなかったということです。

(2020、2、21)

2020年2月21日 18:40