新・ことば事情
7352「ジャイアントとタイタン」
先日、読売日本交響楽団の大阪演奏会をフェスティバルホールに聴きに行きました。
"メインディッシュ"は、
「マーラーの交響曲第1番『巨人』」
です。指揮は山田和樹さん。マエストロ・ヤマカズ。昔、彼がまだ東京藝大の学生で、小林研一郎先生のお弟子さんの松尾葉子さんに師事していた頃、松尾さんの「下振り」で、合唱の練習に来ていただいたことがあるので、一方的に親近感を覚えています。
「ヤマカズ」の「巨人」は、今までに聴いて来た「巨人」よりも、かなりテンポのゆったりした演奏でした。そして、アンコールの前にヤマカズが、
「きょうは"読売"日本交響楽団で"巨人"を聞いていただきましたので、アンコールは、バッハの『"G"線上のアリア』です」
と説明をして演奏が始まりました。あ、なるほどなーと思いました。
しかし、よく考えると、「マーラーの交響曲第1番」の愛称の「巨人」の英語は、
「ジャインント(GIANT)」
ではなく、
「タイタン(TITAN)」
なのです。
「ジャイアント」と「タイタン」は、どう違うのでしょうか?
ネット検索をしたら、こんなサイトを見つけました。(英語の例文は省略)
https://talking-english.net/giant-gigantic-titan-titanic/#giant
それによると、「giant(ジャイアント)」については、まず、
『「巨人」「大きな人」を指す名詞としての使い方があります。カタカナにもなっている「ジャイアント」です。神話や映画などに登場する大きな人、巨人を指しますがニュースなどでは「大手企業」の意味でよく登場します。「巨人のように他を圧倒する大企業」に対して使われ、普通は業種を指す言葉がセットになります。』
そして「titan(タイタン)」については、
『「titan(タイタン)」は、ギリシャ神話に登場する巨人の神々で、正確には一人の巨人の名前ではなく「種族名」と考えてもいいと思います。英語読みが「タイタン」です。
「titan」は「力強さや攻撃的な象徴・メタファー」にもなっているので、単なる「大きい、巨大」を意味する「giant」とは少し違います。スポーツチーム名やアニメやゲームのキャラクター、宇宙関係、金属などさまざまなネーミングに用いられ、金属の「チタン」も英語では「titanium(タイタニウム)」で、強い金属であることから「巨人のタイタン」にちなんでつけられています。形容詞の「titanic(タイタニック)」も「タイタン」が由来で、「タイタン神のような、巨大な、大力の、チタンの」の意味で辞書に掲載があり、「タイタニック号」も「巨人・タイタンのような力強い船」というネーミングです。人気漫画「進撃の巨人」の英訳は「Attack on Titan」です。』
とありました。「タイタニック号」も「タイタン」から来ていたのか!沈んだけど。「チタン」は知っていました。
うーん、そうすると、
*「(巨大な)組織」=ジャンアント
*「(強大な)人」=タイタン
というような使い分けなのかな。
お笑いコンビの「爆笑問題」が所属している事務所の名前は「タイタン」でしたね、「ジャイナンツ」ではなく。「強大なタレント」がたくさんいる事務所なのかな。
私は「タイタン」と言えば、
「土星最大の衛星」
が、一番に思い浮かびますが。