新・ことば事情
7342「『無期懲役』の長さ」
裁判のニュースを聞いていて、ふと思ったことがあります。
「『無期懲役』は『被告の年齢』によって『長さが違う』のは不公平ではないか?」
ということです。
つまり、
「若い人被告と年配の被告では同じ『無期懲役』でも『服役期間に長短がある』」
からです。具体例を出すと、
「20歳の被告の無期懲役」
は、平均寿命を考えると、実際に服役するのは(正確には「無期懲役」と「終身刑」は違いますし、日本には「終身刑」はありませんが「無期懲役=終身刑」だと考えると)、
「60年以上」
ですが、
「70歳の被告の無期懲役」
の場合は、
「10年ぐらい」
になる。これは「不公平」ではないか?と思ったのです。
アメリカだと「無期懲役」ではなくて、
「懲役250年」
とか、噴き出してしまうような長い期間の懲役刑の判決が出るのを、ニュースで見たことがありますが。
これに関して、「ミヤネ屋」にもご出演頂いている嵩原安三郎弁護士に、番組出演終了後に、
「若い被告の懲役30年と、年配の被告の懲役30年は"平等"と言えるのでしょうか?」
とうかがってみたところ、
「どちらが、より重いと思いますか?」
と、逆に質問されました。
そう聞かれて、「あ、そうか!」と思ったのは、
「判決というものは『機会の平等』であり、『結果の平等』ではない。」
ということでした。
つまり、「ある犯罪に関する罰」は、「罪を犯した人の年齢に関係なく」、
「同じ」
であることが「平等」であると。
結果として、「年配の被告」の「残り少ない人生のほぼ全て」を奪ってしまうことになっても、それはまさに「自己責任」と言えるでしょうね。(冤罪でなければ。)
そう考えると、やはり池袋の事故での「元院長」に対する扱いには、疑問と不満が残らざるを得ませんね・・・。