新・ことば事情
7326「『竹とうろう』か?『竹どうろう』か?」
2016年の1月17日「阪神・淡路大震災」の日に、神戸の東遊園地に「1・17」を形どって並べられた「竹灯籠」を、
「竹どうろう」
と「灯籠」を濁って「どうろう」と読むのを聞いて、これは「濁らない」で、
「竹とうろう」
ではないのか?と思ってメモをしたまま、ほったらかしになっていました。
それからさらに4年経ったきょう、2020年1月17日、「阪神・淡路大震災」から、
「25年」
の節目の日を迎えました。25年も経ったのか・・・。
「スッキリ」の中での神戸からの中継で、読売テレビの女性記者は、
「竹とうろう」
と「濁らず」に読んで(話して)いましたが、ABCテレビ(朝日放送)の男性アナウンサーは、お昼のニュースで、
「竹どうろう」
と「濁って」話していました。これはやっぱり調べなきゃ!と思って辞書を引きましたが、複合語である「竹灯籠」を載せている辞書は見当たりませんでした。そこで、
「あ、そうか、あの手がある!」
と思ったのは、『広辞苑』の「逆引き機能」です。これで「とうろう」「どうろう」を引いてみました。すると、
「〇〇とうろう」
という「濁らない」ものは、
「額灯籠」
の「1つ」しか載っていなかったのに対して、
「〇〇どうろう」
と「濁る」ものは、
「石灯籠」「遠州灯籠」「折懸灯籠」「篝灯籠」「影灯籠」「春日灯籠」「金(かな)灯籠」「絡繰(からくり)灯籠」「切籠(きりこ)灯籠」「桜灯籠」「玉菊灯籠」「辻灯籠」「釣灯籠」「花灯籠」「牡丹(ぼたん)灯籠」「盆灯籠」「舞灯籠」「回り灯籠」「錑(もじ)灯籠」「雪灯籠」「雪見灯籠」
というように全部で「21」も載っていました。
やはり「複合語」で使う場合は「濁る」のかなあ。
ちなみにこの日のNHKお昼のニュースで、大阪局(BK)は、
「竹で作った灯籠」
として「濁る・濁らない問題」を避けて(?)いました。確かにこれが、一番分かりやすいかもしれません。文字数は多いけど。