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『道浦TIME』

新・読書日記 2020_004

『定年消滅時代をどう生きるか』(中原圭介、講談社現代新書:2019、12、20)

私が会社に入った36年前は、「定年」は「55歳」だった。当時、22歳の若者である私から見たら、50歳を越えた人は「おじいさん」に見えた。(今の「60歳」は、いや「65歳」でも「おじいさん」には見えない。あの辛坊さんが、もうすぐ「64歳」ですからね。)それがすぐに定年が「60歳」となり、今や実質「65歳」。さらに「70歳」「75歳」に延ばされようとしている。いつまでも健康で働ければいいが、そうとは限らないことを考えると「いつまで働かせる気だ!?」と言いたくもなる。あるいみ「終身懲役刑」のようなものである。その一方、と言うか「定年延長の原因」は「少子化による労働力不足」と「年金支給の増大化対策」であることは明らか。そうなると「定年」という概念そのものが、今後、消滅するであろうと。

「定年」の前提には「終身雇用制度」があった。「正社員」を「新卒採用」して、しっかりと「会社」を育てていくという中での制度。それが「派遣社員」「契約社員」「成果主義」など、新資本主義の働き方がじわじわと浸透して、「正社員」の「終身雇用制度」は、もはや維持できなくなってきたことは明らかだ。今後もこの方向で行くのが良いのか悪いのかは別にして、流れを止めることは、かなり難しい。AI導入の流れも早い。働かなくてはいけないが、多くの人にとって「できる仕事」は限られてくるかもしれない。

この本に書かれていることには、かなり「?」を挟まざるを得ないところがあったが、その中で「これは確かにそうだな」と思ったのは、

「AIが導入しても絶対に廃れない求められる能力は、思考力である」(188ページ)

ということだった。


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(2020、1、8読了)

2020年1月14日 12:01