新・読書日記 2020_002
『「広辞苑」をよむ』(今野真二、岩波新書:2019、12、20)
2016年7月に亡くなった柳瀬尚紀さんの著作に、
『広辞苑を読む』(文春新書・1997)
という、音で聞いたら、この本と「全く同じタイトルの本」があるが、当然、今野先生はそれを分かった上で、本書のタイトル表記を決めた(そして「広辞苑」にカギカッコを付け、「よむ」を「平仮名」にした)のだと思われる。
著者の今野先生は、あの「あ」から「ん」まで「13巻」という膨大な『日本国語大辞典・第二版』も「読んだ」。そして気付いたことを本にしている。それに比べれば『広辞苑』なんてオチャノコサイサイではないか。
この本も、いろいろ『広辞苑』を分析してその特徴・特長を明らかにした一冊だが、「日本語」について考えるというよりは、
「『広辞苑』という辞書を解剖・研究した一冊」
と言える気がした。このあたり、2020年1月12日の読売新聞の書評とは意見が異なるが。
(☆3つ半)
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