新・ことば事情
7313「壮絶な」
今年(2019年)5月の関西地区新聞用語懇談会で、読売新聞の委員からこんな質問が出ました。
「『壮絶ないじめ』という言葉が原稿に出てきたが、『壮絶』は本来『勇ましいこと』を言う。これは『凄絶(せいぜつ)な』の誤用ではないか?」
というものでした。私はこれまで、あまり気にせずに、
「壮絶ないじめ」
は、そのまま通してきたような気がします。
これに対して、毎日新聞の委員が、
「『校閲発・春夏秋冬』というコラムで、『壮絶な被災体験』の『壮絶』は間違いで、『すさまじい』『筆舌に尽くし難い』『苛烈(かれつ)な』『過酷な』に言い換える、と書いた。しかし紙面では『壮絶ないじめ』は出て来る・・・。」
とのことでした。
それから5か月、「ミヤネ屋」にもこの「壮絶な」が出て来ました!
10月18日の放送前にテロップチェックをしていたら、まさにその、
「壮絶ないじめ」
が出て来たので
「凄絶(せいぜつ)ないじめ」
とルビを振って「凄絶(せいぜつ)」に代えました。「凄」が「常用漢字ではない(表外字)」なのです。
さらに2か月。12月13日には、
「壮絶経緯」
という言葉が出て来たので、これも
「凄絶(せいぜつ)経緯」
と直して放送しました。