新・ことば事情
7303「『発議』は『ハツギ』か?『ホツギ』か?」
「そこまで行って委員会NP」のプロデューサーで、元「ケンミンSHOW」プロデューサで、元「ミヤネ屋」デスクのN君から、
「憲法改正の『発議』の読みは『ハツギ』?『ホツギ』?」
というタイトルのメールが来ました。それによると、
「私は『ハツギ』だと思い込んでいたのですが、安倍首相は『ホツギ』と言っています。
手元の岩波の辞書には、両方で掲載あり。共同通信記者ハンドブックには載っておらず、NNN系列での基準が、もしあればと思いまして。」
というものでした。私は、こういう返事をメールで送りました。
「お尋ねの「発議」の読み方は、ご指摘通り両方あり、どちらか一方(だけ)が正しいということはありませんが、放送では、
『ハツギ』
と読むのが普通ですね。『ホツギ』は古風な読み方、専門的(に見せるよう)な読み方でしょう。『ハツ』が漢音、『ホツ』が呉音なので『ホツ』のほうが古いです。『NHK日本語発音アクセント新辞典』には『ハツギ』は見出し語にありますが、『ホツギ』は載っていませんでした。
同様の問題では『発疹』を『ハッシン』『ホッシン』どちらで読むか?というのがあります。
以前の『新明解国語辞典』では『ホッシン』の解説に『ハッシンの"老人語"』と書かれていましたが、今はその表記はなくなりました。普通は『ハッシン』と読みますが、最近は回帰現象で『ホッシン』と読む人が増えつつあるように感じます。
きょう(12月20日)の『ミヤネ屋』にも韓国の国会議長が、元・徴用工関連のニュースの事前チェックで『発議』と今、出て来ました。以前書いたものがあるので、添付します。ご参考までに。」
ということで、以前書いた「平成ことば事情5804発疹はハッシンか?ホッシンか?」もお読みください。