新・ことば事情
7287「映(ば)えるとブレる」
「インスタグラム」に載せると写真が「映(は)える」という言葉から、
「インスタ映(ば)え」
という言葉が生まれ、さらに省略形で、
「映(ば)える」「映(ば)えない」
という言葉も生まれました。
「ば(え)」と「語頭に濁音が来る」のは、何となく「日本語っぽくない」かなとも思いますが、よく考えると、
「バレる」「ブレる」
と言った言葉があります。これらは、元々の言葉は、
「腫れる」「触れる」
ですよね。それが同じような経緯をたどって、「濁音」になっている。
しかし「濁音」になった「バレる」「ブレる」の意味は、
「マイナスの意味合い」
を含んでいます。古来、日本人の語幹の中に、
「濁音を嫌う傾向」
があったからではないでしょうか?それに対して、
「映(ば)える」
は、同じ濁音の語頭でも、明らかに、
「プラスの意味合い」
を持っているところが新しいのではないかなあ、と思いました。