新・ことば事情
7282「歌詞が心臓に突き刺さる」
11月27日、日本テレビの「ベストアーティスト2019」の4時間の生番組、残業をしながらチェックしていたら、
「King Gnu(キング・ヌー)」
というグループの曲「白日」を紹介していました。それによると、このグループの曲は、
「サブスクで1億再生超」
なんだそうですが、まず「サブスク」が分からない。「サブスプリクション」?聞いたことはあるけど意味は分からない。つまり、知らない。調べよう。
ちょうど半年前の2019年5月29日付で、
『今さら人には聞きにくいけど「サブスク」って何? メリットと注意点とは?』
というサイトがあったぞ。それによると、
*「サブスク」=「サブスクリプションの略。「大辞林 第三版」では、
「製品やサービスなどの一定期間の利用に対して、代金を支払う方式」と解説していますが、「月額課金」や「定額制」という言葉の方が、なじみが深いかもしれません。 身近なところで例を挙げると、「Netflix(ネットフリックス)」「Hulu(フールー)」などの動画配信サービスや「Apple Music」「LINE MUSIC」などの音楽配信サービスがサブスクリプションサービスにあたります。」
なーんだ。新しく見せるために「横文字」を使っただけですね。
「月額課金」「定額制サービス」
ならわかりやすい。で、
「サブスクで1億再生超」
ということは、やっぱり「1億再生超」の「1億超」がすごいってことですよね。でも「定額制」だから、同じ人が何回も見ているのかもしれないな。「のべ」ということですね。ややこしく、しやがって。
いや、こんな話をしようとしたわけではありません。その「サブスク」で見た人の感想の中に、こんなフレーズがあったというのです。
「歌詞が心臓に突き刺さる」
...それ、死んでますよね。凶器は「歌詞」か。「仮死」か?
ここ数年、
「心(ハート)に響く」
という意味で、
「刺さる」
という言葉が使われていますが、それで言うと、
「歌詞が刺さる」
でいいのに、妙な説明を加えたら、
「歌詞が(心臓に 突き)刺さる)」
というように、"殺人事件のような状態"になってしまったんでしょうね。
「心に刺さる」だけだと物足りない気持ちが、そうさせたのかな、きっと。