新・ことば事情
7281「トラベラーズチェック」
通勤の時に横を通る郵便局のガラス戸に、
「旅行小切手」
と書かれたシールの上に
「取り扱いは終了しました」
という紙が貼り付けてあって、それがかなり風化しているのに気付きました。
「旅行小切手」というのはつまり、私たち世代が慣れ親しんだ言葉で言えば、
「トラベラーズチェック(TC)」
ですよね。海外渡航中に盗難や紛失した際に再発行してくれるので安心、ということで、
「現金とTCを、半々ぐらいで持って行くのがいい」
と、私が海外旅行を始めた1980年代には言われましたが、「クレジットカード」を使うようになってからは、ほぼ使わなくなっていました。
若い頃、外貨預金のつもりで、「ドルのTC」を10万円分買って持っていたら、
「円高」
になって損をした覚えが。いちいち、事前にサインをしておかないといけないから、面倒くさくて使わないままだったけど、何年か前にベトナムで「そろそろ使ってしまおう」としたら拒否されて「これはヤバイ」と、銀行で換金した気がします。もう手元にはありませんが、そうか、もう販売は終了していたのか。
ウィキぺディアで見たところ、
『トラベラーズチェックとは、海外渡航に際して発行される外国旅行者向けの小切手。日本では旅行小切手とも称し、「TC」「T/C」「Cheque」と略称される。日本国内では2014年3月31日にアメリカン・エキスプレスによる発行が終了した後、現時点(2019年8月現在)において正規に発行している事業者は無い。』
『日本では2010年代前半まで、銀行など金融機関窓口、ワールドカレンシーショップ、トラベレックスなどの両替商、旅行代理店、セシールなど非金融業が販売したが、2014年に日本国内は終売した。2014年3月31日に日本国内の販売は終了したが、発行済み券は利用可能である。』
とありました。「2014年」にはもう終わっていたのね...もう5年前に。
ということは、若い人は「トラベラーズチェック」は知らないだろうな。
こうやって「死語」になって行くのかな...。