新・ことば事情
7278「隈」
「令和ことば事情7222千曲川と阿武隈川」で、
「くま(曲・隈)」
というのは、
「川が曲がりくねる様子」
を表しているのではないか?と書きました。
「2019読書日記154」に書いた『地名崩壊』(今尾恵介、角川新書)を読んでいたら、89~90ページで、鹿児島本線の「南福岡駅」を紹介していました。この駅は、明治23年(1890年)に、鹿児島本線の前身である九州鉄道が、
「雑餉隈(ざっしょのくま)駅」
として開業したそうです。難しい名前ですが、中世の荘官の名前である、
「雑掌(ざっしょう)」
と、
「御笠川の蛇行(=クマ・隈)」
を合わせてできた名前なんだそうです。おお、ここに出て来た、
「隈(くま)=蛇行」
なのですよね、やっぱり!現在も地名としては、
「大野城市雑餉隈町(ざっしょのくままち)」
として残り、駅名としては、西鉄・天神大牟田線に、
「雑餉隈(ざっしょのくま)駅」
が残っているそうです。
歴史的な地名は、漢字が難しくても、残すべきですよねえ。