新・読書日記 2019_149
『ルポトランプ王国2~ラストベルト再訪』(金成隆一、岩波新書:2019、9、20)
去年、2018読書日記145で書いた(読んだ)『記者、ラストベルトに住む~トランプ王国、冷めぬ熱狂』(金成隆一、朝日新聞出版)との関連もあるが、2017年に出た『ルポトランプ王国からもう一つのアメリカを行く』の続編。それも読んだはずなのだが、検索しても出て来ないなあ。前の取材から2年半経ったので、現状を取材。当時トランプを支持し投票した人たちは、今、どう考えているか。
「よく頑張っている」という人もいるが、大半は「期待外れ」と感じている。
ということは、来年の大統領選挙では、トランプには入れない?少なくとも、前回のような"フィーバー"は起こりそうもない。そういった「現在のアメリカ国民の姿」を丹念に取材している。
中でも一番興味を持ったのは「帰還兵とアメリカ」という章だ。戦争で様々な障害を負って帰国した人たちが、今どのような思いでいるのか。病院通いをする帰還兵たちにインタビューしている。その帰還兵を病院へ運ぶバスの運転手もまた、帰還兵だった...。
今もなお「『戦争』普通にある国・アメリカ」の現状は、なかなか我々日本人には伝わってこない。そこを描いてくれている。やっぱり「戦争」なんて、するもんじゃない。
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