新・読書日記 2019_147
『岩波国語辞典第八版』(西尾実ほか、岩波書店:2019、11、22)
10年ぶりの改訂!ということで、前回初めて「岩波国語」(7版)を買ってからもう10年経つのか、と感慨が。発売のニュースはツイッタ―で知りました。
近くの本屋さんに行ったら、1冊だけ、本棚に差し込まれていました。地味な展開。もっと「10年ぶり改定!」と大々的に平積みになっているかと思ったのに。「大辞林」第4版の方が、大きいのに5冊もおいてあって、目立っていました。
パラパラと、買って来た日の夜中(昨夜)に、思いつく言葉を引いてみました。
そうだ、沢尻エリカ容疑者の逮捕で出て来た「薬物の名前」はどうだろう?「LSD」「MDMA」・・・載ってない。さすがに「覚醒剤」は載っていた。「大麻」も載っていたが、説明がとっても短い。新しい言葉では「ほぼほぼ」...載ってない。「遺作」の意味はどうだろうか?「未発表の作品」に限っているのね。新しいところでは「アーティステックスイミング」(旧シンクロナイズドスイミング)は載っていたけど、サッカーの「アディショナルタイム」も「ロスタイム」も載っていなかった。ラグビーの今年の話題語「ジャッカル」も載っていなかった。「煮詰まる」は、従来の意味も、新しい誤用とされていた意味も、両方載っていた。驚いたのは「松茸」「椎茸」「舞茸」「エリンギ」は載っているのに「エノキダケ」が載っていない!「ステージ」の意味に「舞台」しかない。がんの「ステージ4」などの「ステージ」は「舞台」とは訳さないですよね。「スコップ」「シャベル」はどちらが大きいか?は「両論ある」ことは示唆していますが、決めつけてはいない。一方「綿菓子」は載せているが、「綿あめ」は「綿菓子」の中に出て来るだけで「見出し」にはしていない。つまり「西」の用法に軍配を上げています。あと「立ち込める」のは「霧・煙・雲」としているが、「雲」もいいの?「垂れ込める」に「雲」もありますが、「カーテン」とあって違和感が・・・。というように、楽しんで引きたいと思います。