新・ことば事情
7258「サンジャック」
ことしの夏の旅行で、フランス領の「ニューカレドニア」に行きました。あちらは南半球なので、寒かったです...。
その時に「ホタテ」を食べたのですが、「ホタテ」はフランス語で、
「サンジャック」
と言うそうです。それを聞いて、
「そうか!」
と思いました。「サンジャック」は英語で言うと
「セイント・ヤコブ」
ですね。「ヤコブ」はキリスト教の聖人の一人。そして、
「ホタテ立貝」
は「ヤコブ」のマークなのです。
昔、スペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」に行った時にも、町のマークは「ホタテ貝」で、道に銀色のホタテ貝のマークが埋め込まれていました。
というのも、この「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」という町は、ヤコブの遺体が流れ着いたと言われており、世界遺産にもなっている大聖堂には、ヤコブ遺体が埋められていると言います。「サンチャゴ」あるいは「サンティアーゴ」は、スペイン語で、
「聖ヤコブ」
のことなんです!(「コンポステーラ」は「星の野原」の意味。)
あのシェイクスピアの『オセロ』に出て来る、
「イアーゴー」
も、おそらく同じでしょう。
「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」は、キリスト教の三大聖地の一つ(あと2つはイスラエルの「エルサレム旧市街」とイタリアの「バチカン市国」)に数えられ、大聖堂への巡礼の道は、
「星の道」
とも呼ばれています。
その「ホタテ貝」を思い出したのです。
「ホタテ」と「聖ヤコブ」とは、こんなところでも繋がっていたのですね。
因みに英語で「ホタテ」は、
「scallop」
でした。