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『道浦TIME』

新・ことば事情

7285「なのに」

『てんとう虫シのサンバ』で有名な「チェリッシュ」の「1971年」に出たヒット曲に、

『なのにあなたは京都へ行くの』

という曲があることをふと思い出しました。この

「なのに」

は、昨今、問題視される

「なので」

に通じるものがあるのではないか?と思ったのです。

だとすると、もう50年近く前から、この形はあったということになりますね。

この、

「だとすると」

も問題かな?

グーグル検索では(11月29日)、

「なのに」= 3億7800万件

「なので」=10億4000万件

「だとすると」= 2510万件

でした。こんな件数が一瞬で出て来るなんて、やっぱりコンピューターはスゲーな。

(2019、11、29)

2019年11月29日 19:17

新・ことば事情

7284「相手の心を折るようなプレーをしたい」

「心が折れる」

という言葉を初めて聞いてから、もう10年ぐらいたつと思いますが、それの発展形としてこんな言葉を耳にしました。2019年11月14日の深夜です。

「相手の心を折るようなプレーをしたい」

ラグビー日本代表選手の言葉だったと思います。すみません、詳しいことは忘れました。

「心が折れる」は「自分」に対して使う状態、「自動詞」ですが、

「心を折る」は「他動詞」で「相手の心を」と言うのですから、

ズカズカと他人の心の中に踏み入って来てますね。

言葉がここまで進化したのかと感心しました。言葉の変化とはこういうものなのですね。

しかし一方で、なんかちょっとイヤな感じもしたんですけどね。

「ラフプレー」っぽくて。

あ、「折る」は「祈る」に似ていますね。

2010年1月に書いた「平成ことば事情3804心が折れる」も読みください。

(2019、11、29)

2019年11月29日 19:16

新・ことば事情

7283「たゆまぬ郷土愛」

11月10日のネットの記事に、女優の「のん」さん(旧名・能年玲奈)が、地元・兵庫県の姫路市で行われた「神戸新聞まつり」というイベントに出演したという記事が出ていました。彼女のコメントに関して、記事では、

「『みゆき通りってこんなんだっけ?と思ったけど、やっぱり姫路だ~って思う。無くなったフォーラスでお買い物をして、こんな長いギョーザがあるラーメン屋で...』と地元民しかわからない身近すぎるトークを展開。たゆまぬ郷土愛をにじませた。」

と記してありました。この中の、

「たゆまぬ郷土愛」

という言葉に目が留まりました。これには違和感があります。これは言うならば、

「薄れぬ郷土愛」

「変わらぬ郷土愛」

なのではないでしょうか?

のんさんは、このあと、

「播州弁を標準語だと思っていた」

とか、今でも口にする播州弁は、

「なにしとんけー(何してる)」

「べっちょない(大丈夫)」

などを披露したそうです。

(2019、11、29)

2019年11月29日 19:16

新・ことば事情

7282「歌詞が心臓に突き刺さる」

11月27日、日本テレビの「ベストアーティスト2019」の4時間の生番組、残業をしながらチェックしていたら、

「King Gnu(キング・ヌー)」

というグループの曲「白日」を紹介していました。それによると、このグループの曲は、

「サブスクで1億再生超」

なんだそうですが、まず「サブスク」が分からない。「サブスプリクション」?聞いたことはあるけど意味は分からない。つまり、知らない。調べよう。

ちょうど半年前の2019年5月29日付で、

『今さら人には聞きにくいけど「サブスク」って何? メリットと注意点とは?』

というサイトがあったぞ。それによると、

*「サブスク」=「サブスクリプションの略。「大辞林 第三版」では、

「製品やサービスなどの一定期間の利用に対して、代金を支払う方式」と解説していますが、「月額課金」や「定額制」という言葉の方が、なじみが深いかもしれません。 身近なところで例を挙げると、「Netflix(ネットフリックス)」「Hulu(フールー)」などの動画配信サービスや「Apple Music」「LINE MUSIC」などの音楽配信サービスがサブスクリプションサービスにあたります。」

なーんだ。新しく見せるために「横文字」を使っただけですね。

「月額課金」「定額制サービス」

ならわかりやすい。で、

「サブスクで1億再生超」

ということは、やっぱり「1億再生超」の「1億超」がすごいってことですよね。でも「定額制」だから、同じ人が何回も見ているのかもしれないな。「のべ」ということですね。ややこしく、しやがって。

いや、こんな話をしようとしたわけではありません。その「サブスク」で見た人の感想の中に、こんなフレーズがあったというのです。

「歌詞が心臓に突き刺さる」

...それ、死んでますよね。凶器は「歌詞」か。「仮死」か?

ここ数年、

「心(ハート)に響く」

という意味で、

「刺さる」

という言葉が使われていますが、それで言うと、

「歌詞が刺さる」

でいいのに、妙な説明を加えたら、

「歌詞が(心臓に 突き)刺さる)」

というように、"殺人事件のような状態"になってしまったんでしょうね。

「心に刺さる」だけだと物足りない気持ちが、そうさせたのかな、きっと。

(2019、11、28)

2019年11月28日 19:07

新・ことば事情

7281「トラベラーズチェック」

通勤の時に横を通る郵便局のガラス戸に、

「旅行小切手」

と書かれたシールの上に

「取り扱いは終了しました」

という紙が貼り付けてあって、それがかなり風化しているのに気付きました。

「旅行小切手」というのはつまり、私たち世代が慣れ親しんだ言葉で言えば、

「トラベラーズチェック(TC)」

ですよね。海外渡航中に盗難や紛失した際に再発行してくれるので安心、ということで、

「現金とTCを、半々ぐらいで持って行くのがいい」

と、私が海外旅行を始めた1980年代には言われましたが、「クレジットカード」を使うようになってからは、ほぼ使わなくなっていました。

若い頃、外貨預金のつもりで、「ドルのTC」を10万円分買って持っていたら、

「円高」

になって損をした覚えが。いちいち、事前にサインをしておかないといけないから、面倒くさくて使わないままだったけど、何年か前にベトナムで「そろそろ使ってしまおう」としたら拒否されて「これはヤバイ」と、銀行で換金した気がします。もう手元にはありませんが、そうか、もう販売は終了していたのか。

ウィキぺディアで見たところ、

『トラベラーズチェックとは、海外渡航に際して発行される外国旅行者向けの小切手。日本では旅行小切手とも称し、「TC」「T/C」「Cheque」と略称される。日本国内では2014年3月31日にアメリカン・エキスプレスによる発行が終了した後、現時点(2019年8月現在)において正規に発行している事業者は無い。』

『日本では2010年代前半まで、銀行など金融機関窓口、ワールドカレンシーショップ、トラベレックスなどの両替商、旅行代理店、セシールなど非金融業が販売したが、2014年に日本国内は終売した。2014年3月31日に日本国内の販売は終了したが、発行済み券は利用可能である。』

とありました。「2014年」にはもう終わっていたのね...もう5年前に。

ということは、若い人は「トラベラーズチェック」は知らないだろうな。

こうやって「死語」になって行くのかな...。

(2019、11、28)

2019年11月28日 17:31

新・ことば事情

7280「月娥」

ことしはずっと、民主化運動と中国本土の闘いが続いて収まらない「香港」。

「親中派」「民主派」

に分かれていますが、その香港の行政長官は、

「林鄭月娥」

という女性ですね。

「りんていげつが」

と読みます。「てい」の漢字が「亭」ならば、

「月亭可朝」

みたいで、「林亭月娥」、落語家か漫談家のような感じですが、漢字が違います。

この人の名前を初めて聞いた・目にしたとき、私は、

「月娥」

という文字に惹かれました。「男声合唱」をしている人で、この文字を見たら絶対に思い出すのは、

「石家荘にて」

という詩(曲)だと思います。多田武彦作曲の男声合唱組曲、

「草野心平の詩から」

の中の一曲です。「石家荘」というのは、中国の今もある地名ですが、そこで出て来る

「月娥」

というのは実は、

「遊女のこと」

だと、楽譜の注釈に書いてありました。草野心平の体験の中から出て来たものでしょうが、それを見てから、私はずっと中国では、

「月娥=遊女」

という意味だと思っていましたが、香港の行政長官になるような女性に、親が、

「遊女」

と名付けるはずもなく、これは実は、

「草野心平のなじみの遊女の名前が、たまたま今の香港行政長官と同じ『月娥』という名前だった」

というのが真実でしょう。40年近く誤解したままでしたのが、今回の香港の動乱のおかげで、気付かされたのでした。

「蛾」

というのは、日本では「害虫」のような「嫌われ者」のような感じがありますけど、たぶん中国では、

「美しい蝶」

の意味なんでしょうね。たしか「月」は、日本だと、

「ウサギが餅をついている」

様に見えると言いますが、中国では、

「蛾が羽根を拡げている」

というように見えると聞いたことがあります。

(2019、11、27)



(追記)
視聴者の方、と言うか、このブログの愛読者の方から、
「月『蛾』と『虫へん』で書いているが、正しくは『女へん』の『娥』ではないか?」
とご指摘を受けました。
ご指摘通り、私が書き間違っていました。漢字は全部直しました。
ありがとうございました!
そうすると、ちょっと意味が通りにくいところもありますが、そこは、ほぼそのままにしています。悪しからず。

(2021、4、14)

2019年11月27日 21:10

新・ことば事情

7279「『度』か『回』か?4」

平成ことば事情5070「『度』か『回』か」

平成ことば事情5562「『度』か『回』か2」

平成ことば事情7037「『度』か『回』か3」

の「令和」に入ってから初めての続編です。

11月23日大相撲九州場所で、翌日の千秋楽を待たずに、横綱・白鵬が、史上最多の自己記録を伸ばす、

「43回目・43度目」

の優勝を決めました。その「回数の助数詞」が、新聞によって違います。

(読売)43度目

(朝日)43度目

(毎日)43回目

(産経)43度目

(日経)43度目

ろいうことで、「毎日新聞」だけが、

「回目」

を使っていました。これまでと同じです。毎日新聞は「優勝 43回目」だけでなく、

「十四日目までに優勝を決めたのは20回目」

「九州場所での優勝9回」

など、全て「回」で、「度」は使っていませんでした。

ただ、中身を見てみると、

(読売)「優勝回数」(一覧表)

とありました。読売新聞は、「優勝回数」を

「43度」

と言うのか?それとも、

「43回」

なのかが分かりません。一覧表には「数字」しか書かれていなかったので。

また、同じ日に、ローマ教皇として38年ぶりの来日を果たしたフランシスコ教皇ですが、ローマ教皇の来日は、

「2回目・2度目」

どちらなのか?

「毎年必ずある場合」は「回」を使い、大相撲の「優勝」のように「いつあるかわからない場合」は「度」を使うという「使い分け」があるのかないのか?という話なんですが、もし「使い分けがある」とすれば、「ローマ教皇の来日」は、「いつあるかわからない」ので、大相撲の優勝でも「回」を使っている「毎日新聞」以外の各社は、

「度」

を使うのではないか?と思うわけですが、実際は、

(読売)***

(朝日)2回目(11月24日)

(毎日)2回目(11月24日)

(産経)2回目(11月24日)2度目(11月23日)

で、「産経新聞」は両方使っていました。読む理新聞はその表記が見つかりませんでした。「38年ぶり」は載っていましたが。

また「日経」は、同じフランシスコ教皇の「来日」(=日本訪問)に関しては見当たらなかったのですが、日本に来る前に「タイ」を訪問されていて、それに関する「11月21日」の記事では、

「2回目」

と表記していました。

(2019、11、27)

2019年11月27日 20:26

新・読書日記 2019_154

『地名崩壊』(今尾恵介、角川新書:2019、11、10)

詳し過ぎる!面白い!

丁度、JR山手線に新駅ができて(まだ開業はしてませんよね?)、

『高輪ゲートウェイ駅』

という名前に決まって問題・話題になったが、地名と歴史、そして生活・自然災害、いろんなものが「地名」には、込められている。それを、歴史的な長い目で見てきっちりと受け継いでいくことが必要なのに、昭和と平成の大合併により、伝統的な地名は次々と失われて行った。目先のたかだか100年ぐらいの利益を追うことで、もっと大きな先人の知恵を捨ててしまっているという愚かさ。

ただ、中には「自然災害の危険性を伝えた地名」のように思えても、実はそうではないものもあるので、一概にそうとも言えないというケースもあるという警鐘も、著者は鳴らしている。

「谷」を東日本は「ヤ」、西日本は「タニ」と読む傾向のことは、私も「言語学」の観点から知っていたが、地政学(?)地名学でも、やはりそうなのだなと。

室町時代の海洋法規集『廻船式目』に当時の全国10か所の主要港が「三津七湊(さんしん・しちそう)と呼ばれて載っているそうだ。それは、

【三津】安濃津(三重)、博多津(福岡)、堺津(大阪)

【七湊】三国津(福井)、本吉湊(石川)、輪島港(石川)、岩瀬湊(富山)、今町湊(新潟)土崎湊(秋田)、十三湊(青森)

なのだそうだ。これを見て思い出すのは「北前船」ですが、そもそも「日本海側」の港が多い。いかに当時の交通網は「海運」が中心であったかがわかる。また「港」を表す地名は「津」の他に「泊」もあるそうだ。神戸(兵庫)は「大輪田の泊」でしたね。

また、よく言われる、

「品川駅は港区にあり、目黒駅は品川区にある」

というのも「駅の勢力圏」と「駅名の関係」が理解されていれば、決しておかしくはないのだと著者は言う。

勉強になりました!


star4

(2019、11、26)

2019年11月27日 17:46

新・ことば事情

7278「隈」

「令和ことば事情7222千曲川と阿武隈川」で、

「くま(曲・隈)」

というのは、

「川が曲がりくねる様子」

を表しているのではないか?と書きました。

「2019読書日記154」に書いた『地名崩壊』(今尾恵介、角川新書)を読んでいたら、89~90ページで、鹿児島本線の「南福岡駅」を紹介していました。この駅は、明治23年(1890年)に、鹿児島本線の前身である九州鉄道が、

「雑餉隈(ざっしょのくま)駅」

として開業したそうです。難しい名前ですが、中世の荘官の名前である、

「雑掌(ざっしょう)

と、

「御笠川の蛇行(=クマ・隈)」

を合わせてできた名前なんだそうです。おお、ここに出て来た、

「隈(くま)=蛇行」

なのですよね、やっぱり!現在も地名としては、

「大野城市雑餉隈町(ざっしょのくままち)

として残り、駅名としては、西鉄・天神大牟田線に、

「雑餉隈(ざっしょのくま)駅」

が残っているそうです。

歴史的な地名は、漢字が難しくても、残すべきですよねえ。

(2019、11、27)

2019年11月27日 17:44

新・ことば事情

7277「天皇陛下の『正殿』のアクセント」

新天皇即位の一連の儀式の一つである、

「即位礼正殿の儀」

の中の、

「正殿」

のアクセントですが、普通は、

「セ/ーデン」

というように「平板アクセント」ですよね。

でも、10月29日に行われた「饗宴の儀」第三日の挨拶で、「天皇陛下」は、

「頭高アクセント」

で、

「セ\イデン」

と話されていました。記録しておきます。

これに関連して、

「宮殿」

のアクセントについては、ことし(2019年)4月の用語懇談会放送分科会で討議されたことがありますので、ここに写しておきますね。

*「宮殿」のアクセント=2019年4月

(テレビ東京)皇居の「宮殿」の読み方・アクセント。「キュ\ーデン」と「頭高」だと言われるのだが、「NHKアクセント新辞典」には「平板」の「キュ/ーデン」しか載っていないが、各社どうされていますか?

(MBS)「キュ\ーデン」という「頭高アクセント」は「宮内庁の発音」に合わせているのだろう。

(テレビ東京)その通り。

(テレビ大阪)「和風総本家」のナレーションで「キュ\ーデン」と「頭高」で読んだら、視聴者から「キュ/ーデン(平板)ではないのか?」と問い合わせがあったことがある。宮内庁に「どちらが正しいのか?」と問い合わせたところ「どちらが正解とも言えない」と。「では、『キュ\ーデン』と『頭高』で言う人はいるのか?」と聞いても「答えられない」とのことだった...。

(日本テレビ)うちでは「宮殿」も「正殿」も「平板」で「キュ/ーデン」「セ/イデン」としている。宮内庁や皇族・皇室には「上方(京都)のアクセント」が残っているので、「頭高」の「キュ\ーデン」「セ\イデン」になっているのではないか?

(テレビ朝日)ちなみに「正殿」の読みは「セイデン」だが、伊勢神宮のみ「ショーデン」だ。

(MBS)うちは、「"座"禅」と書いたら「うちの宗派では『"坐"禅』だ」というクレームが来たことがある。一般的には「"座"禅」だろう。

(MBS)そもそも日本に「宮殿」はなかった。明治以降のことだ。それ以前は「宮殿」と書いて「くうでん」と読んで、仏壇の中に入れる「厨子(ずし)」のことをそう呼んでいた。明治以降使うようになった「きゅうでん」という呼び方を、「くう」ではないと強調するために、「頭高」で「きゅう」を強調して「キュ\ーデン」と呼ぶのではないか?

ということで、陛下をはじめ宮内庁の方々は「宮殿」「正殿」を「頭高アクセント」で、

「キュ\ーデン」「セ\イデン」

とおっしゃるようです。でも、放送では「長音」で「平板アクセント」です。

(追記)

「令和ことば事情7152『宮殿』のアクセント」もお読みください。

(2019、11、27)


(2019、11、26)

2019年11月27日 11:53

新・読書日記 2019_153

『阪神タイガース 1985-2003』(中川右介、ちくま新書:2019、10、10)

タイガースファン(不安?)の中川さん、前作は、「2016読書日記176『阪神タイガース1965-1978」(2016、11、10)でした。もう3年もたつのか。その間に、今年、"金やん"こと金田正一さんも亡くなくなってしまったなあ...阪神じゃないけど。

柱として村山、江夏、田淵というスターがいた。

今回は、1985年の「21年ぶりに優勝」というエポックメーキングな出来事が、実はその後2003年まで18年間続く「暗黒時代」の始まりであったと。その「暗黒時代」を描く一冊。446ページもある、新書としてはかなり分厚い一冊。私は、実はホンマモンのタイガースファンではないのだが、関西在住者としては気になる球団であるし、最初の優勝した頃は仕事として取材をしたりもしていたので、この時代のターガースには、多少なりとも鼻が利く。56~57ページの「バックスクリーン3連発」は、バックネット裏で、生で見ましたからね。エッヘン!懐かしいなあと思いながら読み進めた。ある意味、私にとっては「青春の書」でもある。

開幕時のスターティング・メンバーがしっかりと書かれている年と、無い年があるが、それを抜き出してみた。この選手の名前を見るだけで、何と言うんでしょうね、歴史マニアが「歴史年表」を見るだけで、1時間~2時間楽しめるような感じだ。

阪神タイガース開幕スターティングメンバー 1989-2003

(数字は守備位置)

1番 2番 3番 4番 5番 6番 7番 8番 9番 

【1989】8大野6和田5掛布3バース4岡田9真弓7中野2嶋田1仲田

【1990】6和田8中野4岡田3パリッシュ7真弓9田尾5八木2嶋田1中西

【1991】7高橋慶6和田3オマリー4岡田8ウイン9田尾5八木2木戸1野田

【1991】

【1992】

【1993】4和田6久慈5松永3オマリー7パチョレック8八木9岡田2山田1仲田

【1994】8新庄4和田9亀山5オマリー7石嶺3ディアー6久慈2吉田1湯舟

【1995】4和田9亀山5クールボー3グレン7石嶺8新庄2木戸8湯舟6久慈

【1996】8新庄6久慈9桧山7石嶺3平塚5クールボー4和田2関川1藪

【1997】4和田6久慈8新庄9桧山3八木7平塚5ハイアット2山田1川尻

【1998】4和田9桧山5ハンセン7パウエル3大豊8新庄2山田6星野1藪

【1999】8坪井4和田7大豊5ブロワーズ3ジョンソン6今岡9佐々木2矢野1藪

【2000】7坪井5和田9タラスコ8新庄3大豊2矢野4今岡6田中1星野

【2001】7平下8上坂9坪井3クルーズ5ペレス2矢野4今岡8沖原1星野

【2002】8赤星4今岡5片岡3アリアス9桧山7坪井2矢野6藤本1井川

【2003】4今岡8赤星7金本9濱中3桧山5アリアス2矢野6藤本1井川

中川さんが生粋のタイガースファンならではの表現としては、

「ファンとすれば『優勝争い』をしていること、『九月に首位にいる』ことだけでも奇跡に近い。」(81ページ)

という"自虐的なコメント"が。(笑)

あ、ひとつ、気になった表現は、スコアの書き方で、たとえば127ページ、4行目に、

「一対七で負けた」

とあるのに、その後の別の試合で、9行目には、

「五対二で負けた」

とあります。結構、このパターンが何か所かあったので、気になりだすと気になる。やっぱり負けた場合は、最初の「一対七で負けた」のような形の方が「しっくり来る」と思いました。

しかしこれは、阪神ファン「座右の書」「必携の書」でしょうね。ぜひ!


star4

(2019、10、28読了)

2019年11月27日 11:51

新・ことば事情

7276「3本の指に入る」

「嵐」の二宮和也さんの結婚の報を聞いて、彼が出演していて映画公開時には見られなかった、

『検察側の罪人』

のDVDを借りて来ました。吉高由里子さんも良かったです!

その中で、これも主演の木村拓哉さん演じる検事のセリフに、

「3本の指に入る割屋を当ててくるはずだ」

というのがありました。この、

「3本の指に入る」

という表現が気になりました。

というのも、この前の関西地区用語懇談会で、愛媛新聞の委員からこの表現に対する疑問・質問が出たからです。それは、

「3本の指に入る」「3つを両立できる」

という表現が、誰かの発言の直接引用で出て来た場合に、「直すのか、直さないのか」という質問でした。もともと、

「五指に入る」「十指に余る」

とは言いますが、「3本の指に入る」とは言わず、適切とは思えないとのことでした。

確かに、もともと人間の手の指(足の指も)は、

「片手が5本、両手で10本」

ですから、「3本」というのは中途半端。(そう言ったら「妖怪人間ベム」は?と言う人がいた。)

「トップ3」

とは言いますが、これは「指」とは直接関係がありません。もしかしたら「3」という数字は、オリンピックなどの、

「表彰台」

から来ているのではないでしょうか?「3位まで表彰」され、メダルがもらえますからね。それと「5本の指に入る」「10本の指に入る」との「混交表現」なのかな。

また、先日は小泉環境相から育休取得に関して、

「(公務最優先など)3つを両立できる」

との発言があり、愛媛新聞では「3本の指に入る」は発言した言葉の範囲で適当な言い換えが思い浮かばなかったのでそのまま通したが、「3つを両立できる」は「両立」がなくても理解できるので、

「3つをできる」

と直したそうです。これに対する各社の意見は、

(神戸新聞)政治家などの公人(例えば、小泉進次郎環境相)は、「 」内の発言はその人の「個性」なので、そのまま伝えた方がいいと思うので、直さないでそのまま伝える。

(毎日新聞)その昔、自民党の「金丸信・副総裁」番だった先輩記者に話を聞いたことがあるが、金丸氏は軽口でしゃべる内容が、微妙に全て間違っていると。状況で判断して直したり、直さなかったりしたという。小泉環境相はヘンな言い方が個性だが、番記者は直してあげたほうがよい場合もあるだろう。

とのことでした。

(2019、11、26)

2019年11月26日 17:58

新・ことば事情

7275「焼肉・焼鳥~送り仮名がないと・・・」

よく街で見かけるお店の看板は、

「焼肉」「焼鳥」

というように「漢字2文字」で、送り仮名の「き」がありません。

しかし、新聞や放送で使う言葉の送り仮名の基準に合わせると、

「焼き肉」「焼き鳥」

と「き」を送ることになります。理由は、もし「き」を送らないと・・・

「焼き肉」か「焼け肉」か

「焼き鳥」か「焼け鳥」か

「焼き魚」か「焼け魚」か

「炭焼き」か「炭焼け」か

「生姜焼き」か「生姜焼け」か

の区別がつかなくなるのです!

そんなこと言っても、

「焼け肉」「焼け鳥」「焼け魚」「炭焼け」「生姜焼け」

なんてないじゃないの!と反論されることでしょう。たしかに。これら「焼け」という形は全部、

「自動詞」

なのです。それに対して、

「焼き肉」「焼き鳥」「焼き魚」「炭焼き」「生姜焼き」

という料理名は、全部、

「他動詞」

です。「料理する」のですから「他動詞」です。勝手に料理が出来上がるわけではありません。

それならば「送り仮名」は要らないじゃないか!ということで、店の看板からは「平仮名」の送り仮名が抜けているのかもしれません。

漢字だけのほうが「インパクトがある」ということもあるかもしれません。

しかし、これはどうでしょうか?

「生焼き」か?「生焼け」か?

うーん調理が上手くいかなかったときの状態は「生焼け」という「自動詞」です。この場合は「送り仮名が必要」ではないでしょうか?

街の店の看板を見ながら、そんなことを考えたのでした。

(2019、11、26)

2019年11月26日 17:57

新・ことば事情

7274「『高槻市辻子』の読み方」

大阪府高槻市に、

「辻子」

という地名があります。これで、

「ずし」

と読みます。枚方市から高槻市に向かって(あるいは逆に)淀川にかかる枚方大橋を渡ってバスで行く時に通るのですが、いつも、

「なんで『つじこ』が『ずし』なんだろう?」

と疑問に思っていましたが、先日このバスに乗った時に閃きました。それは、

「『つじし』の『つ』が無声化で聞こえずに脱落して『じし』になり、『じし』だと『イ音』が続いて聞き取りにくく、発音もしにくいので『じ』が『ず』に転化して(訛って)『ずし』になったのではないか?」

ということです。

高槻市の地名に詳しい方、いかがでしょうか?

(2019、11、26)

2019年11月26日 17:56

新・読書日記 2019_152

『虐待死~なぜ起きるのか、どう防ぐのか』(川﨑二三彦、岩波新書:2019、7、19)

昨今、増加しているように感じる「虐待死」。

なぜ、かわいい我が子を死に至らしめるのか?という怒りと疑問がフツフツと湧いてくるのだが、必ずしも私と同じような恵まれた(虐待など受けない)家庭環境ではなく育って、また同じように、また恵まれない環境で子育てをせざるを得ない人たちが数多くいるのも現実。もちろん、だからと言って子どもを死に至らしめることが、許されるわけはない。

サブタイトルにある「なぜ起きるのか」と知って「どう防ぐのか」につなげていかなくてはならない。そのためには多くの事例に当たって、その原因と対策を考えることが大事である。著者は、大学卒業後32年にわたって「審理判定員(児童心理司)」や「児童福祉司」として京都府の児童相談所に勤務していた「その道のプロ」である。「現場」の状況をよーく分かっている。本書では、その具体的事例がたくさん出て来るのだが、読んでいると気が滅入ってくる。

中でも、これはニュースでも見たことがあるが、「代理ミュンヒハウゼン症候群」の母の手にかかった子どもたちは、本当に逃れようのない状況である。こんな精神の病があるんだと、改めて恐ろしくも思った。

子どもを産み育てるにも「試験」が必要なのではないか?とも思ってしまったが、そんなことをすれば、より一層少子化が進むだろう。命を育てることの難しさが、重くのしかかって来る・・・。


star3

(2019、11、20読了)

2019年11月25日 19:50

新・ことば事情

7273「ワンコインは」

最近よく耳にし、目にする、

「ワンコイン」

というのは、「500円」でしょうか?それとも「100円」でしょうか?

つまり、

「『1コイン』の『コイン』は『五百円玉』か?『百円玉』か?」

という問題です。まさか、

「十円玉」「五十円玉」「五円玉」「一円玉」

ということは、ありますまい。

近くにある「3コインズ」という店は、

「300円均一」

つまりこの店では「ワンコイン」は「100円」を意味していますね。(3コイン=300円なので。)

それと最近の、

「キャッシュレス社会化」

への急激な変化の動きを見ていると、「現金・コイン」が姿を消すと、

「『ワンコイン』という言葉も消滅してしまうのではないか?」

と思ってしまいます。

でも、「お賽銭」は、キャッシュレスにはできないですよねえ...。

(2019、11、25)

2019年11月25日 19:38

新・ことば事情

7272「白湯の読み方」

先日、夕方のうちのニュースを見ていたら、若いアナウンサーが、季節のニュースを読んでいました。京都の北野天満宮で、お正月の縁起物「大福梅」の袋詰めが始まったと。それを聞いていたら、

「この梅干しを、ハクトーに入れ」

という一文があり、違和感がありました。

うん?「ハクトー」・・・「白桃」ではないよな、梅干しを入れるんだから・・・・それはもしかして、

「白湯」

と原稿に書かれているのではないか?だとすると、それは「ハクトー」ではなく、

「サユ」

と読むんだよ!!(最近の若者は「お白湯」を飲むことがないんだろうな。)

と思って、慌てて、スタジオに指示をするニュースサブ(副調整室)に走って行き、プロデューサーに伝えようとしたら、アナウンサー先輩・Mアナウンサーが既にサブにいて、何も言わないうちに、

「わかってる、わかってる。ごめん!ちゃんと言っておくから」

ということでした。やっぱり間違ってたんだ。

「白湯」を読めないのも問題ですが、原稿を書いたディレクターも「もしかしたら読めないかも...」と想像して、「フリガナ」を振ってやることも必要かなと。(アナウンサーにはちょっと甘いですが。)でも、もしかしたら、ディレクターも読み方がわからないまま、漢字で「白湯」と書いていたかもしれません。

因みに「白湯」のアクセントは、

「サ\ユ」「サ/ユ」

両方ありました。

(2019、11、25)

2019年11月25日 19:30

新・読書日記 2019_151

『バッシング論』(先崎彰容、新潮新書:2019、6、20)

「辞書的規範」という言葉が本書のキーワードになっていたので、買って読んでみたのだが・・・。第2章が「『辞書』を失った現代人~情報化社会論」。

思ったのとちょっと違う感じ。それから第1章に戻って、最初から読んだ。目次から並べると

第1章「善意」がテロを呼ぶ~バッシング論

(第2章「辞書」を失った現代人~情報化社会論)

第3章「大きな物語」は危うい~ロマン主義論

第4章「流行」が国家を潰す~西郷隆盛論

第5章「おことば」が象徴したもの~ポピュリズム論

第6章「言論空間」が荒廃してゆくから保守主義論

第7章「フクシマ」と「オキナワ」は同じではない~民族感情論

第8章「否定」という病が議論を殺す~国家像論

こう並べてみると、各章の頭は「 」(カギカッコ)でくくった言葉だ。これがキーワードか?「 」の言葉を並べてみよう。

「善意」「辞書」「大きな物語」「流行」「おことば」「言論空間」「フクシマ」「オキナワ」「否定」

どうだろうか?繋がっているような、繋がっていないような・・・。

哲学的な一冊だった。


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(2019、9、27読了)

2019年11月25日 19:28

新・読書日記 2019_150

『知っておくと役立つ街の変な日本語』(飯間浩明、朝日新書:2019、11、30)

友人で『三省堂国語辞典』編纂者の早稲田大学非常勤講師・飯間浩明さんの新著。早速買って読みました。

これは朝日新聞の土曜版で連載している、街で見かけた「ヘン」な看板の「言葉・文字」について飯間さんがツッコミと解説を入れるというコラム。それをまとめたもの。朝日新聞は取ってないので、読んだことはないんですが、面白いね、これ。私も町の変な看板の写真なんかは撮ったりしますが、飯間さんには到底かないません。

最初、飯間さんは「連載をまとめるだけだから」と簡単に考えていたそうだが、実は1冊の本に「編集」するのは、「ただ、まとめる」だけではない苦労がたくさんあるのだと気付いたそうだ。まあ、そりゃそうでしょうね。

これだけ街には「変な看板」「変な日本語」があふれているので、飯間さんにとっては、釣り堀で魚を釣るような、「釣れて仕方がない状態」なのでしょうね。

どんな「変な日本語」が載っているかは、ご自分で勝手読んでください!100以上もありますが、文章は短いので読みやすいです!


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(2019、11、22)

2019年11月25日 19:27

新・読書日記 2019_149

『ルポトランプ王国2~ラストベルト再訪』(金成隆一、岩波新書:2019、9、20)

去年、2018読書日記145で書いた(読んだ)『記者、ラストベルトに住む~トランプ王国、冷めぬ熱狂』(金成隆一、朝日新聞出版)との関連もあるが、2017年に出た『ルポトランプ王国からもう一つのアメリカを行く』の続編。それも読んだはずなのだが、検索しても出て来ないなあ。前の取材から2年半経ったので、現状を取材。当時トランプを支持し投票した人たちは、今、どう考えているか。

「よく頑張っている」という人もいるが、大半は「期待外れ」と感じている。

ということは、来年の大統領選挙では、トランプには入れない?少なくとも、前回のような"フィーバー"は起こりそうもない。そういった「現在のアメリカ国民の姿」を丹念に取材している。

中でも一番興味を持ったのは「帰還兵とアメリカ」という章だ。戦争で様々な障害を負って帰国した人たちが、今どのような思いでいるのか。病院通いをする帰還兵たちにインタビューしている。その帰還兵を病院へ運ぶバスの運転手もまた、帰還兵だった...。

今もなお「『戦争』普通にある国・アメリカ」の現状は、なかなか我々日本人には伝わってこない。そこを描いてくれている。やっぱり「戦争」なんて、するもんじゃない。


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(2019、10、21読了)

2019年11月25日 19:25

新・読書日記 2019_148

『ジョコビッチは なぜサーブに時間をかけるのか』(鈴木貴男、集英社新書:2019、11、20)

週1回、テニススクールに通い始めて16年目になる。網膜剥離をやって1年休んでいた時期があるから実質15年。週1回汗を流すのは、疲れるけど気持ち良い。心地良い疲れだ。体重も、週1回(しかも1時間半)だと、減りはしないが維持できている。

ということで、テニスは好きだが、テレビで見ると長いので疲れる。やっても疲れるが見ても疲れる。いまだにちゃんとルールとかもわからず、ただ打つのが楽しい、決まれば楽しい、相手の取れない球を打つことに全力をかけ、ボールを拾いに全力で走る。ケガをしないように気を付けながら。

一方で当然、ジョコビッチ選手が凄いのは知っていて興味があるのでこの本を手に取った。著者はプロテニスプレーヤーということだが、私が勉強不足で、お名前を存じ上げなかった。1976年生まれと言うことは、43歳か。まだ若い。

分かりやすく、素人にでもわかるように書かれている。戦術とかは、なかなか難しいなあ。

でも、好きなことについて書かれている本は、楽しいですね。

あ、タイトルの「問い」に対する「答え」は、自分で本を買って読んで探してください。


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(2019、11、17読了)

2019年11月25日 18:54

新・読書日記 2019_147

『岩波国語辞典第八版』(西尾実ほか、岩波書店:2019、11、22)

10年ぶりの改訂!ということで、前回初めて「岩波国語」(7版)を買ってからもう10年経つのか、と感慨が。発売のニュースはツイッタ―で知りました。

近くの本屋さんに行ったら、1冊だけ、本棚に差し込まれていました。地味な展開。もっと「10年ぶり改定!」と大々的に平積みになっているかと思ったのに。「大辞林」第4版の方が、大きいのに5冊もおいてあって、目立っていました。

パラパラと、買って来た日の夜中(昨夜)に、思いつく言葉を引いてみました。

そうだ、沢尻エリカ容疑者の逮捕で出て来た「薬物の名前」はどうだろう?「LSD」「MDMA」・・・載ってない。さすがに「覚醒剤」は載っていた。「大麻」も載っていたが、説明がとっても短い。新しい言葉では「ほぼほぼ」...載ってない。「遺作」の意味はどうだろうか?「未発表の作品」に限っているのね。新しいところでは「アーティステックスイミング」(旧シンクロナイズドスイミング)は載っていたけど、サッカーの「アディショナルタイム」も「ロスタイム」も載っていなかった。ラグビーの今年の話題語「ジャッカル」も載っていなかった。「煮詰まる」は、従来の意味も、新しい誤用とされていた意味も、両方載っていた。驚いたのは「松茸」「椎茸」「舞茸」「エリンギ」は載っているのに「エノキダケ」が載っていない!「ステージ」の意味に「舞台」しかない。がんの「ステージ4」などの「ステージ」は「舞台」とは訳さないですよね。「スコップ」「シャベル」はどちらが大きいか?は「両論ある」ことは示唆していますが、決めつけてはいない。一方「綿菓子」は載せているが、「綿あめ」は「綿菓子」の中に出て来るだけで「見出し」にはしていない。つまり「西」の用法に軍配を上げています。あと「立ち込める」のは「霧・煙・雲」としているが、「雲」もいいの?「垂れ込める」に「雲」もありますが、「カーテン」とあって違和感が・・・。というように、楽しんで引きたいと思います。


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(2019、11、24購入)

2019年11月25日 16:47

新・読書日記 2019_146

『ウィーン・モダン~クリムト、シーレ、世紀末への道』

大阪・中之島の国立国際美術館で8月27日から12月8日まで開かれている美術展の図録。約3000円というお値段も装丁も立派なもの。重い。(東京展は4月24日から8月4日でした。)

目玉作品であるクリムトの《エミーリエ・フレーゲの肖像》(部分・1902年・油彩)だけは「写真撮影可」なので、みんなスマホで、カシャカシャと記念写真を撮っていました。

建築家・オットーヴァーグナーの展示もあって見ごたえがありました。クリムトは好きだけど、エゴン・シーレはあまり好きじゃない。「世紀末」の動きは新世紀への胎動である。それをクリムトだけでなく、時代の動きとして、ウィーンという都市の動きとして捉えた展覧会でした。


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(2019、10、6読了)

2019年11月25日 16:44

新・読書日記 2019_145

『教養としてのヤクザ』(溝口敦・鈴木智彦、小学館新書:2019、10、8)

ヤクザ取材の大ベテラン(溝口敦)と、今を時めく、脂に乗ったヤクザ・ルポライター(鈴木智彦)の「先輩・後輩」対談。冒頭の話が面白かった。今、やくざの「シノギ」として一番流行っているのは「タピオカドリンク」だそうだ。原価が安くて利ザヤが大きいのだそうだ。1杯50円もしないような原価の物を、600円、700円で売っている。タピオカなんて、紅茶の葉に比べたら安いものだから、タピオカを「増量」して「紅茶」の量が減る方が儲かるのだと。しかもお客さんはタピオカが多いと喜ぶと。ヤクザは、とにかく"甘い汁"の所に集まるのだな。

でも、そのヤクザを殲滅(せんめつ)させようとするここ十数年の警察の動き、法律の動きの中で、今後ヤクザ・暴力団はどうなって行くのか?ヤクザが絶滅したら、「ヤクザルポライター」も絶滅するのかな?と思った。


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(2019、11、7読了)

2019年11月25日 12:31

新・読書日記 2019_144

『ピアニストだって冒険する』(中村紘子、新潮社;2017、6、30)

2016年7月26日に逝去したピアニスト・中村紘子さんのエッセイ集。おもしろい。

1944年生まれだから、まだ71歳か72歳と、お若かったのに...。

帯の文章は、

「忘れられない、あの日の音色~三歳のレッスンから晩年まで。亡くなるひと月前まで書き継がれた最後のエッセイ集」

本当に、亡くなる直前まで書いていたんだ。生涯現役。だって、まだ若いもん。美貌のピアニスト。手がピアニストとしては、小さいかったと。カレーのコマーシャルが印象不快。

「浜松国際ピアノコンクール」の立ち上げから審査、運営に携わっていらっしゃった。

この間見た映画『蜜蜂と遠雷』は、この浜松のコンクールをモデルにして書かれた原作から映画化された。ということで、本当のコンクールの姿や、世界的な、歴史的な巨匠たちとの交わりなども興味深く読めた。合掌。


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(2019、11、15読了)

2019年11月25日 12:28

新・読書日記 209_143

『空が教えてくれること』(蓬莱大介、幻冬舎:2019、10、25)

読売テレビの「ミヤネ屋」「かんさい情報ネットten.」そして「ウェークアップぷらす」で大活躍の気象予報士・蓬莱大介さんの初めての著書!

読みやすくて面白い!そして何と、本当にお天気のことばっかり書いてある!!当たり前か。いかに蓬莱さんがお天気のことが好きなのかが、よく解ります。

読み終わってからサインしてもらった!役得、役得!

ただ、何か所かある「特別コラム」のページの装丁が、老眼の私にとってはちょっと読みにくい、と苦情も言っておきました!


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(2019、11、7読了)

2019年11月22日 19:01

新・読書日記 2019_142

『現代用語の基礎知識2020』(自由国民社:2019、11、6)

ことしも出ました「現代用語の基礎知識」!

実は去年の2019年版でもう終わりなのかと思っていました。しかし、また執筆依頼があったので、

「え?もう去年で終わったんじゃないの?」

と思いました。

「新創刊」というだけあって、これまでの「1000ページを超える」ような分厚い「辞書」から、読んで引ける厚さの「300ページを切る厚み」になったことで、身軽になったと1う感じ。お値段も手ごろに。

私も3ページほど書いていますので、読んでみてくださいね!


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(2019、11、6)

2019年11月22日 18:56

新・読書日記 2019_141

『大辞林・第四版』(松村昭編、三省堂:2019、9、20)

13年ぶりの改定という、中型国語辞典。これまで実は『大辞林』は買ったことがなかったのですが、買いました!でもやはり大きいので、ちょっと卓上では使いにくい。机が狭いので。それと値段が1万円ですからね。結構、みんなが買うには...という感じ。まだ、よく読み込んでないのですが。ただ、QRコードでスマホにも取り込めるらしいのですが、まだやってない。

それと、これだけの話題の辞書、13年ぶりの改訂!ですから、当然、本屋さんでは結構な話題になっていて、発売日から1か月、いや1週間ぐらいは「山積み」になっているだろうと思ったのに、本屋さんのどに置いてあるかもわからないぐらい地味な売り出し。ネットで何でも検索できちゃう時代に「紙の辞書」を買う人は、余程奇特な人ということなのでしょうか・・・。でも「紙の辞書」がないと、ネットの辞書だって作れないんだぞ!!と言っておきます。


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(2019、9、7購入)

2019年11月22日 18:52

新・ことば事情

7271「行けば行けばで」

ことし(2019年)5月16日に、東京都港区議会議員の「やなぎさわ亜紀」議員が、

「子どもを連れて、行けば行けばで」

と言っているのをテレビで耳にしました。この、

「行けば行けばで」

のような形、時々耳にしますが、正しい形というか従来は、

「行けば行ったで」

「行ったら行ったで」

と言っていたのではないでしょうか?

つまり、「行けば」という「仮定」に対してその「結果」=「行った」として、「何かが起こる」、

「行かないと、非難される、行けば行ったで、嫌味を言われる」

というような使い方をしていたと思うのですが、新しい言葉の形なんでしょうかね?

グーグル検索では(11月22日)

「行けば行けばで」=3500件

でした。使われ方は、

「行くことが億劫。しかし行けば行けばで、防具を着用した乱取りは爽快」

「行けと言われて、しぶしぶ練習に向かう父子でした。行けば行けばで、二人とも楽しむんですけどね」

「最近は海外への出張よりもこうやって国内での動きの中での発見が多い。もちろん

海外も行けば行けばで、よい経験はできるのだが」

「なんか行けば行けばで体が自然に動く事を知りました」

というような使われ方でした。

(2019、11、22)

2019年11月22日 18:48

新・ことば事情

7270「命運と運命」

10月16日の「ミヤネ屋」のテロップを事前チェックしていたら、

「韓国・文在寅政権の命運は」

という者が出て来ました。これはこれでOKだったのですが、気になったのは、

「命運」と「運命」はどう違うか?

ということでした。

辞書を引いてみたら、「運命」には詳しい説明があるのに、「命運」は「見通し。運命」とかさらっとしていて、「命運」が尽きた感じです。

「命運」は「握る」「尽きる」とコロケーション(語の繋がり)がありますが、

「運命」は「握る」「尽きる」は、少し違和感があります。

そうだ、英語の辞書を引いてみよう!『ジーニアス和英辞典』で、まず「運命」を引いたところ、

「fate」(主に不幸な)

「destiny」

という2種類の英語が出て来ました。次に「命運」を引くと、

「fate」

しか出て来ませんでした。

(2019、11、22)

2019年11月22日 18:47

新・ことば事情

7269「ビルデング」

11月6日、東京・羽田空港で大規模な断水という出来事がありました。その際に、ターミナルルの管理会社のコメントが出ていましたが、私が気になったのは、「断水の原因」よりも、「管理会社の名前」でした。それは、

「日本空港ビルデング」

という名前だったのです。見慣れた、

「ビルディング」

でも、ちょっとレトロな、

「ビルヂング」

でもない、

「ビルデング」

うーん、これは「Tシャツ」を

「テーシャツ」

というような感じなのかな。最近では、感染症の名前で、

「デング熱」

というのがありました。関係ないけど「デング」が共通しています。

他にも「ビルデング」という表記を使っている会社はあるのかな?グーグル検索(11月22日)では、

「ビルディング」=2570万0000件

「ビルヂング」=  409万0000件

「ビルデング」=   17万5000件

でした。やはり「ビルデング」は少ないな。

(2019、11、22)

2019年11月22日 17:27

新・ことば事情

7268「デブ活」

夜、風呂上がりにビールを飲もうとしていた私に、先に寝室に向かった中3の娘がこう言い放ちました。

「『デブ活』したら、あかんで!」

この、

「デブ活」

という言葉は初めて耳にしましたが、意味は解ります。

「夜中にお菓子やおつまみなどを食べて、デブになるような行為」

ですよね。グーグル検索では(11月22日)、

「デブ活」=169万件

も出て来ました!

ネット辞書「Weblio辞書」によると、

*「デブ活(デブかつ)=肥満につながる食事を指す言い方。カロリー過多や栄養の偏りを気にせずに、好きなものを食べたいだけ食べることを『デブ活動』という意味で述べる表現。」

だそうです。

(2019、11、22)

2019年11月22日 17:25

新・ことば事情

7267「死神」

「ミヤネ屋」で、韓国の尹(ユン)検事総長の異名を、

「死神」

とテロップで出したところ、校閲担当の元読売新聞Hさんから、

「送り仮名を入れて『死神』と、『読売スタイルブック2017』には載っているんですが、どうしましょうか?」

と言われました。

20191122.jpg

調べたところ、

*「死神」 =2(広辞苑・精選版日本国語大辞典)

*「死神」=9(明鏡国語辞典・NHK日本語発音アクセント新辞典・三省堂国語辞典・現代国語例解辞典・三省堂現代新国語辞典・大辞林・共同通信記者ハンドブック・毎日新聞用語集・読売スタイルブック2017)

*「死(に)神」=4(新明解国語辞典・岩波国語辞典・新選国語辞典・新潮現代国語辞典)

という結果でした、

『新聞用語集2007年版』『朝日新聞用語の手引き』には、いずれも見出しでは載っていませんでした。ほとんどの社は、

「死神」

になっていました。

でも、「に」が入る形は、違和感がありますよね?

これは固有名詞的で使っているので、ディレクターの意向も汲んで、

「死神」

で、ルビを振らずに放送しました。

(追記)

10月27日のグーグル検索では、

「死神」=7800万件

「死に神」=15万9000件

でした。

(2019、12、9)

(2019、11、21)

2019年11月22日 09:19

新・ことば事情

7266「全貌と全容」

台風19号による各地の被害をお伝えしたる10月14日と15日の「情報ライブミヤネ屋」のテロップと原稿で、

「被害の全容をお伝えします」

というのが出て来ました。この、

「全容」

に引っかかり、テロップは、

「全貌」

に代えたのですが、一部そのまま残って「全容」で放送に出てしまいました。この、

「全貌と全容」

は、どう違うのか、考えてみました。まず『広辞苑』を引くと、

*「全貌」=物事の全体の姿。全容。

*「全容」=全体の姿。全貌。

これでは使い分けができません。『新明解国語辞典』は、

*「全貌」=物事の全体の姿(様子)。全容。

*「全容」=「全貌」の言い換え。

ええ!単なる言い換え?

『精選版日本国語大辞典』では、

*「全貌」=全体の様子。全体のすがた。

*「全容」=全体のすがた、かたち。また、全体の内容。全貌。

お、ちょっとニュアンスが伝わってきたかな。

でも、辞書を引いてもあまり違いはありません。

私が考えるに、

*「全貌」=「外」から見た全体の様子

*「全容」=「内側」から見た全体の内容

というように、

「視点の違い」

があるのではないか?と思いました。いかがでしょうか?

昔(2003年に)書いた「平成ことば事情1107空爆と空襲」「平成ことば事情1469空爆と空襲2」に似ているかもしれません。爆弾は落しませんが。

(2019、10、15)

2019年11月21日 22:08

新・ことば事情

7265「ホーム先から離れてお待ちください」

出張の帰り、大阪モノレールの「大阪空港駅」で、電車を待っていたら、駅のアナウンスの音声が聞こえてきました。

「電車が到着します。ホーム先から離れてお待ちください」

この中の、

「ホーム先から離れて」

というフレーズが耳に残りました。普通は、

「白線(黄色い点字ブロック)の内側にお下がりください」

というのではないでしょうか?

「ホーム先」

というのは、耳新しい言葉でした。

(2019、11、21)

2019年11月21日 21:52

新・ことば事情

7264「LSDとMDMA」

女優の沢尻エリカ容疑者の逮捕で出て来た薬物の名前に、

「LSD」「MAMD」

がありました。このアルファベットは、当然「略語」ですが、

「何の頭文字なのか?」

というのを調べてみました。すると、

*「LSD」=「Lysergic Asid Diethylamide」(リゼルグ酸ジ・エチルアミド)

あれ?これだと、「LSD」ではなく、

「LAD」

になるのではないか?

ということでさらに調べると、実は「LSD」は「ドイツ語の略語」だったのです。

つまり、

*「LSD」=「LysergSäure Diethylamid」(リゼルグ・ゾイレ・ディエチルアミド)

ということだそうです。「Säure」は、英語では「Asid」、つまり、

「酸」

ですね。「Di」(ジ、またはディ)は、ギリシャ語の数を表す言葉で、

「2」

を意味しますね。化学の分子式で出て来ます。

「ディオキシリボ核酸」(DNA)

の「ディ」ですね。この場合「オキシ」は「酸素」ですから「O」(酸素)が「2つ」くっ付いているんですね。

「ディエチルアミド」

は、「エチルアミド」が「2つ」くっ付いているんでしょうね、きっと。

一方の「MDMA」は、英語で、

*「MDMA」=「Methylene Dioxy Meth Amphetamine」(メチレン・ディオキシ・メタンフェタミン)

です。これ「ディ・オキシ」です。「DNA」に似ているのかな?

「メタンフェタミン」は、まさに、

「覚醒剤」

です。また、「メタンフェタミン」は「メタ・アンフェタミン」

なのでしょう、きっと。

「アンフェタミン」

というのはウィキペディア情報では、

「間接型アドレナリン受容体刺激薬として、メタンフェタミンと同様の中枢興奮作用を持つ。アメリカ合衆国では商品名Adderallで販売され、適応は注意欠陥・多動性障害 (ADHD) のみである」

だそうです。

(2019、11、20)

2019年11月20日 19:23

新・ことば事情

7263「コンビニの『新発売』」

こんな話を聞きました。

コンビニエンスストアで、

「新発売」

という表示の意味は、

「値段は変わらず、小さくなったか量が減ったか、ということ」

なのだそうです。本当かなあ。

たしかに、値段が上がったら、

「値上げした」

というのは明らかにわかるんですが、「内容量がちょっと減って」も、気付かないことが多いのは確か。このような「実質値上げ」のことを、専門用語では、

「シュリンクレーション」

と言うそうです。「シュリンク」は「縮む」ということですね。

「右肩上がりの時代は終わった」

ということなのでしょうか。ちょっと寂しいです。

(2019、11、14)

2019年11月14日 19:09

新・ことば事情

7262「バグダディか?バグダーディか?」

日本時間の10月27日午後10時、アメリカのトランプ大統領が「重大発表」を行いました。「IS」=「イスラム国」のバグダディ幹部が自爆して死亡したというのです。この人の名前の表記が、微妙に新聞各社違いました。

(読売・産経)バグダーディ

(朝日・毎日・日経)バグダディ

テレビでは、

(日テレ・MBS)バグダディ

でした。

イスラム関連の地名や人名は、あまり出て来ないためか、各社で統一というわけにはいかないようです。

(2019、11、14)

2019年11月14日 19:04

新・ことば事情

7261「健康面を配慮して」

先日の「ミヤネ屋」でも気になって直したのですが、今(11月12日)も、NHK夜7時のニュースで、台風19号の被災地・避難所から中継をしていた男性アナウンサーが、避難所のプライバシーを防ぐためにカーテンで仕切られた"部屋"を紹介する中で、

「健康面を配慮して」

と言っていました。しかし、これは「助詞」が違うのではないか?

「健康面に配慮して」

ではないのか?「を」を使うならば、

「健康面を考慮して」

と「考慮」を使うのではないか?と戸思ったのですが、いかがでしょうか?

グーグル検索では(11月12日)」

「を配慮して」= 151万件

「に配慮して」=2020万件

「を考慮して」=6880万件

「に考慮して」= 409万件

でした。

「配慮」と「考慮」の違いについては、こんなサイトがあり、そこにはこう書かれていました。

https://eigobu.jp/magazine/kouryo#heading-64212

『「配慮」は他人や他のことに対して言葉や行動で示すことを表しているのに対して、「考慮」は言葉や行動を起こす前によく考え判断するということを表します。「配慮」と「考慮」は似ていますが、意味は異なるので間違えないようにしましょう。』

注意しましょう!

(2019、11、12)

2019年11月12日 22:09

新・ことば事情

7260「匹か?頭か?」

9月9日に襲った「台風15号」によって、千葉・富津市の動物園のサル園の柵が倒壊して、約100匹の猿が園外へと自由に出入りし農作物を荒らしているというニュースを、

11月12日の「ミヤネ屋」で中継を交えてお伝えしました。

その放送の前にディレクターから、

「サルは『匹』でしょうか?『頭』でしょうか?」

という質問を受けたので、

「抱きかかえられる大きさまでが『匹』、それ以上の大きさは『頭』。また『警察犬』『盲導犬』ように、人間の役に立つ動物は『頭』。」

と答えました。つまり「サル」は、

×「164頭」「57頭」→〇「164匹」「57匹」

ということです。それによって、

「全頭をDNA検査」

とされていた表現は、

「全てのサルをDNA検査」

にしました。

(2019、11、12)

2019年11月12日 22:07

新・ことば事情

7259「診療と診察」

「台風19号」の被害を受けた長野の病院で、およそ3週間ぶりに診療を開始したとNHKのニュースで伝えていました。この、

「診療」

ですが、1週間ほど前の日本テレビのニュースでは、同じく「台風19号」の被害を受けた福島県(だったと思う)の病院で、

「診察」

を再開したと伝えていました。この「診療」と「診察」はどう違うのか?

・「診察」=診断するだけ

・「診療」=診断をして治療を行う

ということではないでしょうか?

つまり「治療」する薬などがないので、病名の診断はできるが、治療まではしない・できないというのが、

「診察」

なのではないでしょうか?

(2019、11、6)

2019年11月12日 22:06

新・ことば事情

7258「サンジャック」

ことしの夏の旅行で、フランス領の「ニューカレドニア」に行きました。あちらは南半球なので、寒かったです...。

その時に「ホタテ」を食べたのですが、「ホタテ」はフランス語で、

「サンジャック」

と言うそうです。それを聞いて、

「そうか!」

と思いました。「サンジャック」は英語で言うと

「セイント・ヤコブ」

ですね。「ヤコブ」はキリスト教の聖人の一人。そして、

「ホタテ立貝」

は「ヤコブ」のマークなのです。

昔、スペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」に行った時にも、町のマークは「ホタテ貝」で、道に銀色のホタテ貝のマークが埋め込まれていました。

というのも、この「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」という町は、ヤコブの遺体が流れ着いたと言われており、世界遺産にもなっている大聖堂には、ヤコブ遺体が埋められていると言います。「サンチャゴ」あるいは「サンティアーゴ」は、スペイン語で、

「聖ヤコブ」

のことなんです!(「コンポステーラ」は「星の野原」の意味。)

あのシェイクスピアの『オセロ』に出て来る、

「イアーゴー」

も、おそらく同じでしょう。

「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」は、キリスト教の三大聖地の一つ(あと2つはイスラエルの「エルサレム旧市街」とイタリアの「バチカン市国」)に数えられ、大聖堂への巡礼の道は、

「星の道」

とも呼ばれています。

その「ホタテ貝」を思い出したのです。

「ホタテ」と「聖ヤコブ」とは、こんなところでも繋がっていたのですね。

因みに英語で「ホタテ」は、

「scallop」

でした。

(2019、11、6)

2019年11月 6日 19:10

新・ことば事情

7257「遺作」

「ミヤネ屋」のADのO君から質問を受けました。

「『遺作』というのは、どの作品を指すのでしょうか?」

「そりゃあ、『死ぬ前の最後の作品』なんじゃないの?その意味では最新作でしょ。」

と答えて、辞書を引きました。まずは『広辞苑』。

「死後に残された作品。かたみの作品」

そうか、「最後の作品」に限らず、残された作品は「遺作」になるのか。そう言われたら、そんな気も。『明鏡国語辞典』は、

「死後に残された未発表の作品。また、生前の最後の作品。」

え?「未発表の作品」なの?もう一つの意味では「生前最後の作品」とあり、私が思っていた「遺作」ですね。『新明解国語辞典』は、

「故人の、未発表作品及び著作物(で、死後に公表された物)」

あら、これも「未発表の作品」ですね。『精選版日本国語大辞典』は、

「死後に残された作品」

そして『デジタル大辞泉』は、

「死後に残された未発表の作品」

以下、列挙します。

『大辞林』=死んだ人が残した未発表の作品。

『新選国語辞典』=死後にのこった未発表の作品。

『岩波国語辞典』=未発表のまま死後に残された作品。

『現代国語例解辞典』=死後に残された未発表の作品。

『三省堂現代新国語辞典』=死んだ人が残した、未発表の作品。

ここまでが「死後に残された『未発表』の作品」ですね。以下、

『新潮現代国語辞典』=死後に残された作品。

『三省堂国語辞典』=(1)死後に残された未発表の作品。(2)生前最後の作品。

どうやら、「遺作」には「3つ」意味があるようです。整理してみましょう。

(1)死後に残された「未発表」の作品

(2)生前「最後」の作品

(3)死後に残された作品

これに従って辞書を分類すると、

『大辞林』=(1)

『デジタル大辞泉』(1)

『新選国語辞典』=(1)

『岩波国語辞典』=(1)

『新明解国語辞典』=(1)

『現代国語例解辞典』=(1)

『三省堂現代新国語辞典』=(1)

『明鏡国語辞典』=(1)(2)

『三省堂国語辞典』=(1)(2)

『広辞苑』=(3)

『新潮現代国語辞典』=(3)

『精選版日本国語大辞典』=(3)

ということで、(1)の、

「死後に残された未発表の作品」

が一番多い。次に

「(3)死後に残された作品」

と広義で捉えたもの。そして、私が考えていた、

「(2)生前最後の作品」

という意味は、比較的新しいのではないか?と思われます。

(2019、10、29)

2019年11月 6日 19:08

新・ことば事情

7256「冬の足音が」

結構、冷え込むようになってきました。

昨夜(11月5日)は、帰路、駅のプラットホームに降り立った途端に、

「冬の匂い」

がしました。中島美嘉さんの『雪の華』の歌詞みたいですが、雪は降っていません。

私にとっては「冬の匂い」は、

「萱を燃やしたような、燻製のような匂い」

なんです。

その11月6日夕方の日本テレビ「news every」で、藤井貴彦アナウンサーが、

「冬の足音が大きくなっています。」

と言ったのが耳に留まりました。え?足音が、

「大きくなる」?

足音は、

「近づく」

とは言いますが「大きくなる」と言うのかな?

たしかに、物理的には、「足音」は「近づく」と「大きくなる」のですが。

その後の女性ナレーターが読んだ原稿は、

「徐々に近づく冬の足音」

になっていました。

グーグル検索では(11月6日)

「冬の足音」「大きくなる」=11万7000件

「冬の足音」「近づく」  =30万0000件

でした。

(2019、11、6)

2019年11月 6日 19:04

新・ことば事情

7255「菊池と菊地」

11月5日、女優・歌手だった(今はタレント?大学教授?)菊池桃子さん(51)が再婚を発表しました。お相手は、経済産業省の「新原浩朗(にいはら・ひろあき)経済産業政策局長(60)」だそうです。おめでとうございます。

さて、それを報じた11月5日の「ミヤネ屋」のテロップをチェックしていたら、案の定、誤字が見つかりました。「菊池桃子」さんの「菊池」は、

「池」

なのですが、

「地」

の「菊地」が混ざっていたのです。これは見落としやすいし、間違いやすい。

ということで、放送後に「菊池・菊地の一覧表」を作ってみました。

そもそも「菊池」姓は、

「肥後菊池氏」(熊本県菊池市周辺)

が大本で、そこから分かれたものなど、

「陸奥菊池氏」(福島県・宮城県・岩手県・青森県)「遠野菊池氏」とも。)

「常陸菊池氏」(茨城県)

「伯耆(ほうき)菊池氏」(鳥取県会見郡)

があるそうです。

【池】

菊池桃子=新原浩朗(にいはら・ひろあき)経済産業政策局長と再婚

菊池梨沙=「TOKIO」リーダー・城島茂と結婚

菊池風磨=歌手、俳優、タレント「Sexy Zone」メンバー

菊池雄星=MLBシアトル・マリナーズ 投手

菊池保則=広島東洋カープ 投手

菊池涼介=広島東洋カープ 内野手

菊池真理亜(まりあ・長女)中学まではスケート、現在は美容師。

菊池彩花(あやか・二女)(2018、2、9)スピードスケート平昌五輪出場

菊池悠希(ゆうき・三女)(2018、2、9)スケート・ショートトラック平昌五輪出場

菊池萌水(もえみ・四女)スケート・ショートトラック

菊池純礼(すみれ・五女)(2018、2、9)スケート・ショートトラック平昌五輪出場

菊池大介=サッカー選手(柏レイソル・MF)

菊池流帆=サッカー選手(レノファ山口・DF)

【地】

菊地亜美=タレント。「RIZAP」で減量

菊地勲=離婚した小倉優子の元夫。ヘアアーティスト

菊地凛子=女優

菊地美香=女優

菊地ゆうみ=声優

菊地浩輔=タレント

菊地あやか=アイドル

菊地英昭=ギタリスト「THE YELLOW MONKEY」

菊地英二=ドラマー「THE YELLOW MONKEY」

菊地成孔=ミュージシャン

菊地和正=群馬・高崎市出身の元プロ野球投手(日ハム→DeNA)

菊地大祐=千葉ロッテマリーンズ フィジカルコーチ

菊地俊介=サッカー選手(湘南ベルマーレMF)

菊地光将=サッカー選手(大宮アルディージャDF)

菊地直哉=サッカー選手(アビスパ福岡・DF)

といった「きくち姓」の著名人がいました。

プロ野球とJリーグは、今年(2019年)の選手名鑑を見て、「きくち姓」をピックアップしました。このほか、

「菊地原 毅=広島東洋カープ 投手コーチ」

もいました。

少し古いのですが、手元にある「平成30年2月」の『国会便覧144版』では、「菊池」「菊地」姓の国会議員は、見当たりませんでした。

(2019、11、6)

2019年11月 6日 11:32

新・ことば事情

7254「鎮圧と鎮火」

沖縄・首里城の火災で出て来た、

「鎮圧」と「鎮火」

という言葉の違いは?

「消防用語」としては、

*【鎮圧】=消火活動により火災の勢いを弱くした状態。

*【鎮火】=火災が消火され、消防隊による消火活動が必要となくなった状態。

ですね。

使い分けましょう。

(2019、11、6)

2019年11月 6日 11:30

新・ことば事情

7253「長靴やズック靴は...」

大阪メトロ(地下鉄)のエスカレーターに乗っていたら、こんな注意アナウンスが聞こえてきました。

「長靴やズック靴は、特に巻き込まれやすいので、ご注意ください。」

これを聞いて「おや?」と思ったことは、

「長靴もズック靴も、最近あまり見かけない。というか『ズック靴』は死語ではないのか?また、ブーツとかサンダルのほうが、危ないのでは?あのゴムのサンダル、絶対危ないで!」

ということでした。

このアナウンスは、安全確保のために、本当に役立っているのかな?思ったのでした。

(2019、10、29)

2019年11月 6日 10:33