新・ことば事情
7248「シーソーゲーム」
ラグビーワールドカップ準決勝、「ウェールズ対南アフリカ」、息をもつかせぬ大熱戦、スゴイ試合でした。
まず南アフリカが、ペナルティーゴールで3点先制。すかさず、ウェールズもペナルティーゴールで同点。その後もペナルティーゴールで、着実に加点。なかなかトライは取れないであろうことを見据えた試合運びなのでしょう。前半を終わって9対6で南アフリカリード。
そして後半、ウェールズがペナルティーゴールで、再び9-9の同点に追いつく。そうすると南アフリカが、この日初めての「トライ」!コンバージョンキックも決まって16-9と再びリード。ところがウェールズは、驚くなかれ、トライ&ゴールを決めて、三度(みたび)同点に追いつくのです。そのシーンで実況を聴いていたら、
「まさにシーソーゲーム」
と言っていました。それが気になりました。
というのも「シーソーゲーム」というのは「シーソー」のように、ギッタンバッタン、
「抜きつ、抜かれつ」「逆転に次ぐ、逆転」
の試合を指すのではないでしょうか?この試合は、白熱の大熱戦ですが、
「ウェールズは一度もリードを奪っていない(逆転していない)」
のです。
「クロスゲーム」
とは言えても「シーソーゲーム」とは言えないのではないかな、と思いました。