新・ことば事情
7231「運休と運転取りやめと運転見合わせ」
台風19号の襲来を控えた10月11日(金)に出た疑問は、
「『運休』と『運転取りやめ』は同じか?違うのか?」
ということでした。
放送上の答えは、
「同じ」
にしました。
厳密に言うと、
*「運休」=「運行(航)休止」あるいは「運転休止」の省略形。
「運行(航)休止」は「ダイヤ編成上」の見方。
「運転休止」は「現場サイドの電車の運転士」の見方。利用者にとっては「どちらも電車が止まる」ということで同じ。
*「運転取りやめ」=予定していた運転を途中で、あるいは、あらかじめやめること。これも「電車が止まる」という意味では、利用者にとっては「運休」と同じ。
と考えました。
この2つの言葉に「運転見合わせ」を加え、その違いについて、関西の私鉄関係者(運転士ではない)に聞いたところ、
「鉄道用語では、もちろん違いがある。『運転取扱心得』にはちゃんと書かれていると思うが、残念ながら私は所持していない。私の感覚から申し上げると、
*『運休』=文字通り運転を休止することだ、あらかじめ決まっていることに使われることが多い。」
*『運転取りやめ』=もともと運転している列車、あるいは予定の列車を何らかの理由により、その時点で運転を取りやめること
*『運転見合わせ』=運転再開を前提とした一時的な運休
とのことでした。
つまり、「運休」と「運転見合わせ」の違いで言うと、「運休」はもう完全に「休み」、それに対して「運転見合わせ」は、
「今は運転できていないが、条件が整ったら運転を再開するつもりである」
という姿勢があるようですね。