新・ことば事情
7222「千曲川と阿武隈川」
今回の「台風19号」で亡くなられた方・遺族の方、家に被害を受けられた皆さん、お見舞い申し上げます。
年々、台風の被害が大きくなり、しかも、たびたび日本列島を襲ういうのは、やはり温暖化の影響なのでしょうか?
今回の豪雨で氾濫して甚大な被害を与えた長野県の、
「千曲川」
と、福島県の、
「阿武隈川」
ですが、この文字を「読んで」みて、ふとひらめきました。
「ちくま」「あぶくま」
共に語尾が、
「くま」
ではないですか!
もしかしたら、漢字は違うけど、この「くま」は「同じ意味」なのではないだろうか?と。そういえば九州には、
「球磨川」
がありますが、あれも「くま」だな、漢字は違うけど。もしかして「くま」という言葉は、
「曲がりくねった」
という意味なのではないか?
『精選版日本国語大辞典』を引いてみると、
*「くま【隈・曲・暈・阿】」
=(一)他と境界を接する地点、奥まった場所をいう。
-
道や川などの折れ曲がっている所。曲がりかど。
-
奥まったところ。物陰。かたすみ。
(以下略)
と載っていました。やっぱり!「曲がる」という意味があるんだ!
漢字も「隈」「曲」に「曲がる」という意味があり、また「阿武隈川」の、
「阿」
も「くま」という読み・意味があるんですね!
そしてそれが「武」=「たけり狂う」ほど激しい川なんだ、「阿武隈川」は、きっと。新潟の「阿賀野川」の「阿」も、そういう意味かな?
そう考えて「川の名前」に注目すると、また見方が変わるかもしれませんね。