新・読書日記 2019_133
『認めて励ます人生案内』(増田明美、日本評論社:2013、5、13)
増田明美さん。マラソンの解説で声がとってもきれいで、ものすごく選手に密着したエピソードをこれでもかと出してくる、選手サイドに立った温かなコメントをする人。
そしてエッセイもお上手。8年ほど前に、私は読売新聞の水曜日に挟み込まれている「読売ファミリー」というタブロイド判の新聞に「言葉のコラム」を隔週で連載させていただいたことがあったのだが、その隔週の「私の書かない週」に書かれていたのが増田さんだった。自分が載らない週に増田さんのコラムを読んで「うまいなあ。これはすごいなあ」と思ったものだった。
その増田さんが、読売新聞の「人生相談」の回答者に。この人選は、当時「ナイス!」「当然」と思ったものである。相談者に親身に寄り添い、しかし、甘えすぎている人は突き放し、という絶妙の距離感。そのベースには「温かく見守る眼」があるので、安心して読むことができる。
それにしても、世の中には様々な悩みを持っている人がいるのだなあと。
よく、こんなどこから飛んでくるかわからない銃弾のような悩みを受け止めて、しっかりと返すなあと感心しきり。名人です!
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