新・読書日記 2019_122
『髷を切る~芳賀博子句集』(芳賀博子、青磁社:2018、9、13)
川柳作家の芳賀博子さんは、「高校の同級生」の奥様。一度だけお会いしたことがある。
先日、旦那様(つまり私の同級生)から突然LINEが入り(ふだんは年賀状のやり取りぐらいしかないが)、梅田の蔦屋書店で「詩歌フェア」をやっていて、奥さんが選んだ詩集なども展示されているから、ぜひ顔を出してと。1か月ぐらいやっているらしいから、そのうちに顔を出しますと返事をしたら、すぐに梅田に行くチャンスがあったので、行って来た。ルクア・イーレ9階のあの広いフロアで迷って、店員さん(あの広いフロアに、キャッシャーカウンターは2か所しかなく、店員はそれぞれ2人しかいない)に、
「『詩歌フェア』の場所はどこですか?」
と、友人から届いたLINEを見せながら聞くと、「詩歌」という文字を見て、
「『シカ』フェアですか・・・」
と言うので、
「『シカ』じゃない、『シイカ』です。『シカ』は歯医者か奈良公園。書店員なのに『詩歌』も読めないの?」
と言いたいのを、後半だけグッと抑えて、
「『シカ』じゃない、『シイカ』です!」
といいました。えらい、私!
で、すぐにもう一人の店員さんが、場所を案内してくれました。
芳賀さんのお勧めは「寺山修司の詩集」でした。去年、寺山修司の詩による「思い出すために」という曲を歌っていたので、これは「読むべし」だなと思いそれを1冊と、芳賀さん自身のこの川柳句集を購入したというわけです。
川柳は、
「歩きつつ 曖昧になる 目的地」
のように、分かりやすく、形もきっちり「五・七・五」のものもあるが、私が面白いなと思ったのは、
「まだ息をしてる 屑籠の手紙」(八・五・三)
「母からの電話 部屋干しのにおい」(八・五・三)
のように、最後が「三」で終わる変拍子の川柳。これが何か「芳賀さん独特のリズム」のように感じられた。